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カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

チエちゃん奮戦記11~12話脚本:同氏作品に散見される中性要素が、男臭さを中和。女性キャラ無しでもニャンとかなる?

 (Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくならないですが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

前回でも、同氏の描く精神疾患描写はリアルで対処も凄いと書いたが、今回も冒頭で、ジュニアが季節性鬱を発症している(毎年の事で、春に多い)。そのせいで、何日もジュニアと小鉄が帰宅しない。心配になった百合根はチエを伴い二匹を探しに行く。

ジュニア達を探しに行く際、百合根がチエの頭をなでる(同氏特徴)。無印の高屋敷氏脚本回にて、百合根に別れた妻子がいる話があり、実は彼は子供の扱いが上手い様子が見て取れる。画像はXMEN脚本と今回。 https://t.co/hmSjFt2RFM

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桜が美しいひょうたん池周辺で、チエ達はジュニアらを探すが見つからず。百合根によると、ジュニアは花見が嫌い(春鬱によくある)。

その頃、ジュニアは隅っこに立つ桜の下で酒盛りをしていた。(精神疾患→アルコール依存)。小鉄はそれを見てあきれる。

ジュニアはぽつんと立つ桜を「こいつ」と呼び、俺らのために待っていたみたいだと言う(特徴:自然もキャラ、ぼっち救済)。小鉄は、百合根もぼっち(特徴)だと指摘し、帰るよう促す。小鉄は先に帰る。https://t.co/FOhvkjndhH

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小鉄と入れ違いに、ジュニアはエイハブという、ただならぬ雰囲気の猫と会う。エイハブはモービーディックという恐ろしい猫に復讐するため旅をしていた。ところでエイハブ、元祖バカボン同氏演出に出るガンクツ王に格好が似てる。彼も復讐鬼。https://t.co/cxVxqhOXsx

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ジュニアは、モービーディックとは、過去に様々な異名を持っていた小鉄のことかもしれないと思い、エイハブに小鉄のことを教える。ところで1期の小鉄とジュニアの過去話も高屋敷氏脚本。その時の小鉄の異名は「月ノ輪の雷蔵」。滅茶苦茶ハードボイルドな話。

この話も猫パートはハードボイルドで、台詞まわしもドスが効いてる。異色ハードボイルド回だったルパン3期脚本に近い:https://t.co/jJ6RiB9avh
どこを切り取っても渋い。

一方帰宅した小鉄はチエに怒られ、ジュニアが帰るまで百合根の所へ行けと言われる。
入れ違いにエイハブはチエのホルモン屋に着き、銛で襲撃。銛はテツの顔のそばをかすめたので、テツも百合根の所に避難する。テツの避難場所が百合根の家なのも、1期からの継承。

百合根はテツ対策として、隠し持っていたウイスキーで酒乱モードになっていた。酒乱状態なら百合根は西萩最強クラスなのも1期からの継承。+着物を脱ぐと酒が出て自己が豹変するのも、同氏特徴の脱衣演出?https://t.co/AFMVw2i0Fn

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結局、百合根、テツ、小鉄、悪いタイミングで帰宅したジュニアで百合根家は大騒動になり、ミツルも巻き込んでカオスに。一方チエは、銛で破損した食器棚を粘土で補強し、ヒラメに塗装を頼みに行く。ヒラメとチエが到着すると、エイハブが店に陣取っていた。

エイハブの異様さに押されたチエ達は一旦百合根の所へ行くが、テツ達は騒動の末2階から落下し気絶していた。ジュニアは小鉄がモービーディックではないのかと小鉄に問うが、小鉄は完全否定。その頃、桜の下、本物のモービーディックがやって来ていた。

小鉄はジュニアに、チエ家に行って真相を説明しろと叱る。その際、ジュニアが拾ったエイハブの銛を、小鉄が預かる。その頃、背中に銛が刺さった姿のモービーディックは「春の陽気がこの痛みを忘れさせてくれる」(特徴:自然もキャラ)と桜の中を歩いていた。

モービーディックは銛の痛みを癒すため、桜前線に沿って旅をしていた。春がダメで心にダメージを受けるジュニアと、身体的外傷を春で癒すモービーディックは対照的。そして遠近で銛だけを発見したモービーディックは、小鉄をエイハブと間違え石を投げつける。

ここも銛がアップになっており、銛がエイハブを表すキャラと主張している(1枚目)。

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一方、石がヒットした小鉄は気絶、次回へ。舞い上がる花びらが、らんま脚本とシンクロ(2枚目)。https://t.co/dzQ6lJa0Dt

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このモービーディック、桜と陽気を「おまえ」と呼び、おまえだけが癒してくれる、と言う。一歩3期沢村戦脚本での、「信じられるのは自分の拳だけ」を彷彿とさせ、孤独気味(特徴)。しかもモービーディックは共食いまでする。一歩を肉に例える沢村と被る。

https://t.co/a8pG6HrJAO

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  • 12話

気絶した小鉄を見てエイハブでないとモービーディックが気付いた頃、エイハブはジュニアから、小鉄がモービーディックではないと説明を受ける。エイハブはジュニアを伴い、現地まで確認しに行く。入れ違いにヒラメとチエがチエ家に戻り、食器棚の修繕に入る。

エイハブは、モービーディックは白猫でサイズも巨大なので、小鉄とは違うとすぐ理解する。
その頃ヒラメはチエの食器棚を修繕。二人は塩せんべいとサイダーでおやつタイムに入る(特徴:飯テロ)。そこへモービーディックが来て、チエの店のホルモンを盗む。https://t.co/SuyfTeGAoX

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チエ達はモービーディックを追いかけるが、迫力に押され、逆に追われる。そして、言い争いをしている小鉄・ジュニア・エイハブと合流。モービーディックは自分でホルモンを焼き食べている所、エイハブと対峙する。台詞の応酬が渋く、ルパン3期脚本ぽい。https://t.co/QKerLwtEfN

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エイハブは、ジュニアと小鉄に決闘の邪魔をするなと宣告。エイハブはモービーディックに仲間を殺され、自身の片足を食われるという壮絶な過去を持っていた。過去の壮絶さは、ジュニア・小鉄も半端ない(1期高屋敷氏脚本)が、小鉄達もドン引き。

仲間を殺され、傷だらけになり復讐…はカイジ脚本にも生きる。エイハブは片足を失い顔に傷、カイジは耳を切り指を切られる。https://t.co/P0WQMPaTgS

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エイハブとモービーディックの決闘が始まるが、本家の白鯨と同じく、モービーディックは水中戦が得意。カナヅチのエイハブはボートで応戦。どこにいるかわからない水面の「間」が同氏特徴的。そしてエイハブのボートはモービーディックに転覆されてしまう。

ヤケクソになった小鉄とジュニア、チエとヒラメもボートを借りる。結局ボート代はチエが払った。エイハブはモービーディックに殺されかけるが、小鉄の必殺玉潰しが炸裂、モービーディックは片玉を取られる。片玉を取られたモービーディックはオカマになった。

その日、モービーディックにホルモンを取られたので、チエは店を臨時休業にする。罰としてチエは猫達を縛って外に出す。オカマになったモービーディックに全猫が迫られ気持ち悪い思いをするのだった。同氏監督作、忍者マン一平でもオカマに迫られる話あり。

https://t.co/fJpr56kzhP

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  • まとめ

とにかく、グループ毎の平行行動と合流点の設置場所の数が凄く多く、緻密。説明するには字数が足りない。あと、1期含めて同氏脚本の猫主体話は、重くてハードボイルド。長年の出崎統作品の演出・脚本経験が生きる?あと宝島D経験も生かしてそう。

そんなハードボイルドな話でも、可愛いシーン(特徴)は沢山ある。

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あと飯テロ。

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 これは、出崎統作品の演出・脚本でも入っていた要素。むさすぎないよう中和する効力があありながら、男の世界は残すようにしている。https://t.co/YzmFFot9Ig

同氏は長年、出崎統作品演出・脚本で男の世界を描いたのに、この話では、ラスボスがオカマになるというのが興味深い。もともと小鉄の必殺玉潰しは、色々な猫をオカマにしたが…。出崎統作品で、男臭すぎる所を中和してきた結果が出てる?

また、これはチエ世界の「白鯨」パロ。後に、同氏と長年仕事した出崎統氏が「白鯨伝説」を監督することになるのが面白い。
白鯨がオカマになってエイハブに惚れるという結末は、漫画原作ならではの奇抜さで、出崎統氏なら卒倒しそう。

このオカマ要素や、男子同士のイチャイチャは、結構同氏作品に出て来るが、それが効じたのか、アカギやカイジのシリーズ構成・脚本では、女性キャラが殆ど出ないのに、ムサくなりすぎない作品世界になっている。これも長年の経験からか。

この「中性要素」、アカギ・カイジ原作(というか福本作品全体)にもあり、それが高屋敷氏の持つ中性要素・男臭さ中和要素と、良い化学反応を起こしたと思う。また、猫がいくら男の世界であっても、チエの一喝で話が終わるのも男臭さを中和している。

帽子やマントを着ていたエイハブは、水中では服を脱がされ、猫らしさを出している。これも同氏特徴「脱衣演出」か。また、小鉄がモービーディックの片玉を取ったのも「脱玉」。結果どちらも自分が変わっている。今回も脱衣演出が活躍していた。

こぼれ話だが、12話は全話中、初めてテツが出ない話だったらしい。11話予告でテツが散々愚痴っていた。こういう、テツ役の西川のりおのアドリブがいちいち素晴らしいw

チエちゃん奮戦記7~8話脚本:テツから学べる!?鬱や過労の対処法

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくなりませんが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

冒頭、テツが見る夢がシュール。ホルモン型宇宙船に乗ったチエ達に置いていかれる夢。働かない奴は乗せないと言われる。どう見ても同氏脚本参加の、忍者戦士飛影のセルフパロ。今回と飛影脚本回(下段)を並べると凄い https://t.co/CRWRJHXnSH

 とにかく、ぼっちになるのが嫌(同氏特徴:孤独は万病の素)なテツは、一念発起してホルモン屋の切り盛りを再開する。エプロン・ホウキ姿が、これまた同氏脚本・最終シリ構の、めぞん一刻のセルフパロ的。 https://t.co/4UA6QGwhBb

チエはテツのエプロン姿が嫌で、お好み焼き屋にて、テツは病気だと百合根やヒラメに嘘をついてしまう。そして、チエ達と入れ替わりに、相撲取り達がお好み焼き屋に入って行く。こうして今回も、安定気味の西萩にゲストが来ることで話が動いていく。

テツがホルモン屋で働くのを再開しようとするのは、1期にもあった。その時も今回も、おジィはん(テツ父)が喜び、そして心配する。女性陣が圧倒的に強い西萩組において、おジィはテツの意外な繊細さを知る数少ない人物(もう一人はミツル)。これも1期からの継承。

だがテツがホルモンをどんなに焼いても、びびって客が来ない。ところでホルモンを焼きすぎるのも、1期にてチエがヤケクソになった時にやっていて(これも高屋敷氏脚本)、親子そっくり。これも1期を覚えてないとならない。ちなみに1期は50話近いから凄い記憶力

そこへ百合根がやって来て、相撲取りがお好み焼きを食べ続けているのでチエに手伝ってほしいと言う。テツが病気という嘘を信じ、ホルモン屋が休みと思ったからである。嘘はばれるが、チエは百合根のヘルプに行く。嘘がばれるとシラを切るチエの性格も1期からの継承

その頃、百合根の店では相撲取り達がお好み焼きを食べまくり、猫のジュニアや小鉄まで店を手伝っていた。猫達も可愛い(特徴)。高屋敷氏特徴、飯テロの嵐! https://t.co/03HB1ni87X

下記はカイジ脚本との比較。どちらも、物凄く食べたくなる。

関取は連敗続きで、ゲン直しのための飲食店を探し求めていたのだった。関取の名は鰻谷 。ヒラメとチエの会話が幼く可愛い(特徴)。画像は可愛い集。 https://t.co/YNqYdT3PaF

下記はDays脚本との比較。Days脚本の話になるが、言葉では建前を言っていて、ボールに本音をこめて渡している。心を伝えるキャラクターとしてボールが活躍しており、非常に高屋敷氏らしい特徴。 

 

話を戻すと、関取達は未だ連敗続きなので、今度はホルモンを食べに来るという。一方テツは、知り合いやヤクザを脅して予約を取り付ける。カルメラや百合根の本音として、テツが働いたりすると迷惑…というのが出てくる。これも1期から続く、西萩連中によるテツの飼い殺し。

テツの強制招集と関取の分の準備で、おジィはんとテツは張り切る。準備のやり方について説教するチエと、カイジ脚本のおっちゃんの動きが奇跡的にシンクロw 

https://t.co/a2lqeuH6Ru

そうこうするうち、関取達がやって来て、ホルモンを食べまくる。 

関取達のせいで店は貸切になり、テツが集めたヤクザ達は外でホルモンを食べさせられる。ヤクザ達の(ぬか)喜び方が可愛い(特徴)。画像は今回、カイジ・飛影・ワンナウツ・Days脚本、忍者マン一平監督 https://t.co/StFSDyp1mN

チエ・テツが外にいる客にも正規の値段を請求するネタは、1期高屋敷氏脚本にもあった。百合根とカルメラが、それに慣れているセリフも出てくる。 かくしてテツは店の繁盛をチエに自慢するのだった。8話へ続く

  • 8話

前回からの続きということでチエのナレが入る。ナレの上手さも高屋敷氏の特徴で、監督作の忍者マン一平では、学校仮面という、ナレーターとしてのキャラが出てくる。まさにナレとキャラがかけあいをするかのような妙技は、カイジ脚本・シリ構にも生かされている。

テツのホルモンを食べまくった関取の鰻谷は勝利する。皆で見ている相撲中継、白黒なのもあり、ジョー1高屋敷氏脚本疑惑回に似てる。スローになるのもシンクロwまた、試合実況や解説の上手さも同氏特徴。 https://t.co/cybaAbyuBu

関取の鰻谷は、連日勝ちまくり、その度にテツのホルモンを食べに来るようになる。連日のホルモン焼きに、テツは疲弊するようになる。今問題になってる、ワンオペ先取りw他作品の鬱病対処の見事さや先見の明といい、同氏作品の精神疾患描写は何故か鋭い。

さらに追い討ちで、他の相撲取りも、ゲンかつぎにテツのホルモンを食べに来る。そして全員勝ち続け、まさに野獣のようにホルモンを連日貪り食うようになる。画像は食べカスのシンクロ。今回・らんま・カイジ脚本 https://t.co/7Kdp00sIGl

テツは疲弊し、昼間は寝込むようになる。相撲取りが勝つ度チエ達は喜ぶが、おジィは喜べなくなり、テツを心配する。テツの繊細さがわかるおジィだからこそで、1期の同氏脚本でも、喧騒を離れて二人でラーメンを食べる名場面がある https://t.co/xxIFzGTWIF

テツは疲弊しつつも、天丼やホルモンで無理にスタミナをつけ、連日店に立つ。そのうち相撲取りのばらまいた串がテツの頭に刺さり、段々テツの様子がおかしくなる。そして大阪場所が終わりに近付いた日、鰻谷達が弟子をいじめているのを、テツが目撃する。

テツは弟子の浴衣を奪い、弟子に変装する(特徴:脱衣演出)。そして、弟子をいじめた連中を一網打尽に(特徴:大逆転)。かくして相撲取り達は全員負傷・不戦敗に。自分を取り戻したテツは満足するのだった。 https://t.co/yCs55wwnwq

  • まとめ

テツが働こうと思った、もともとの目的はチエに見捨てられて一人ぼっちにならないようにするためだった。なのに、働きマシーンとしてテツは一人ぼっちになったあげく、「テツの焼くホルモンを食べに来るんやで」とチエにすらワンオペを強要される。

この、自分がやるしかないという疲弊→寝込みは、過労による鬱病手前の状態。他作品含め、高屋敷氏が、精神疾患について何故ここまで先見の明があるのかは、多いに興味深い。もっとも、チエ世界は原作からして、猫のジュニアすら季節性鬱にかかっている。

同氏「はだしのゲン2」脚本では、ゲンや孤児達は、鬱病老人を家族として迎え、何も強要せず、ゆっくり自主的に動けるようになるよう見守る。
今回の場合、テツは体力と強さと無責任さに長けているので、自分を取り戻すことができた。無責任であることも鬱対処の一つ。

また、「自分の道を行く」のも高屋敷氏ポリシーである。なんだかんだ、いじめられてる人を鉄拳で救ったことになったことこそテツの道であり、最後にテツは「ただのホルモン焼き屋やと思うなよ」と高らかに笑う。これは社蓄脱出にも使える理屈。

ただ問題なのは、1期からある、テツの「飼い殺し」。ミツル、ヨシエ、渉などは変わったのに、テツだけが、変わろうともがいても、周囲が、テツが変わるのを許さない。1期のボクサー化計画も、あまりにも竹本家が非協力的で、地獄組ボスは激昂した。

今回も、テツは関取級3人をKOした。つまり東洋チャンプと互角で、関取より強い。ところで1期の、東洋チャンプとテツがスパーリングする話は高屋敷氏脚本である。作品の都合で変われないテツだが、なんとか自分の道を見つけて欲しいと願って同氏は脚本を書いているのかも。

ところで同氏作品には名実況・名ナレーターが多いのも魅力の一つ。今回は相撲中継や、チエのナレーションが該当する。画像は名実況・解説達。今回、ジョー1脚本疑惑、ジョー2・らんま脚本。他も多数。 https://t.co/nRD2ebVzyP

今回は、前編でテツが変わることに成功し、後編で悲惨な方へ変わり、最後は元に戻るという構成。変わることを原作者や監督から許されないテツだが、私は可哀想に思う。高屋敷氏脚本回は、そんなテツが変化しようとするため、私は応援したくなるのである。

  • 補足

書き加えると、いじめられていた相撲部屋の弟子はテツに浴衣を脱がされたことにより、弟子というアイデンティティを喪失、いじめられる理由がなくなった。テツは、弟子に化けて相撲取りを倒すことで、店主ではなくなった。これも高屋敷氏的脱衣演出か?

つまり「かわいがり」や「ワンオペ過労」から脱却するには、「世間に求められている自分」を「脱いで」、本来または新しい自分になることが大事とも言えそう。数十年前から高屋敷氏の作品に精神疾患描写・対処が鋭く盛り込まれているのが面白い。

これに関しては、ジョー1脚本疑惑・演出手伝い疑惑にて力石の死と向き合う丈の精神崩壊を描いたのがルーツか。少なくとも、力石の死後、街を徘徊するジョーの回は高屋敷氏が制作進行。演出手伝い疑惑箇所もある。ジョー2脚本でも丈は力石の魂と向き合っている。 

そして同氏脚本のジョー2最終回、丈は真っ白になると決めて満足したからこそ燃え尽きる。そしてボクサーの証、グローブを脱ぎ(特徴:脱衣演出)、新しい自分になり旅立つ。そんな風にも取れる。前にも書いたが、代わりにグローブは死ぬ。

高屋敷氏シリ構・脚本のアカギにて、アカギは「まだだ。まだ終わってない。限度いっぱいまで行く」と言う。これもジョー2高屋敷氏脚本「まだだ。まだ真っ白になってない」という台詞とシンクロ。もともと破天荒なアカギの生き方を丈と重ねている。

だからこそアカギ後期EDが、自由そうに旅をするアカギなのではないだろうか。アカギも丈のように、鷲巣とは限界までやりきったから、新しい自分となって旅に出たとも取れる。ちなみに服もはだけてるw(脱衣演出?) 

精神疾患の治療過程として、「過去の元気な自分」に戻ろうするのではなく、「新しい自分」になるのを目指そうというプロセスがある。高屋敷氏の「脱衣演出」や精神疾患対処はそれに近い事を描写している。理由は不明だが時代先取りすぎて驚かされる。

めぞん一刻脚本67話:梅酒がもたらす愛情

めぞん一刻は、アパート「一刻館」に住む青年・五代と、一刻館管理人で未亡人・響子との、山あり谷ありのラブコメ(原作・高橋留美子先生)。高屋敷氏は最終シリーズ構成と脚本を担当している。監督(最終シリーズ)は吉永尚之氏。

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開幕から美味しそうな飲食物(特徴)。五代の祖母、ゆかり婆ちゃん手製の梅酒。丁寧な描写でとても美味しそう。また、特徴である、意味深な梅酒のアップが入り、梅酒=重要キャラ(特徴)であることを示している。

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ゆかり婆ちゃんは、そろそろ就職活動をしなければならない五代(婆ちゃんにとっては裕作だが、五代と表記する)が気になっていた。

一方、五代と友達は、喫茶店で就職活動について話していた。ここでも意味深な吸い殻のアップが出てきて、半端ない煙草描写(特徴)。カイジ脚本と比較。しかもこの煙草描写はアニオリである。こういった場面で、絵面で高屋敷氏脚本とわかるのが毎度面白い。

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ところで、五代の友達の一人を、カイジのナレーション役である立木文彦氏が演じている。また、五代=カイジのおっちゃん役である二又一成氏と合わせると、カイジの声優が揃い踏み。

話を戻すと、五代達の通う大学はいわゆるFランであるため、五代の友達は就職活動に苦戦。まだ就職活動を始めていない五代に、友達は呆れる。ここのやりとり、原作より時間を割いており、五代と友達の、男同士の微笑ましい会話になっている(特徴)。

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自分も就職活動に本腰を入れねばと決意した五代は、保育園のバイトを辞める、と園長に言うが、園長は、園児達に人気のある五代を手離しがたく、9月になったら、また来て欲しいと頼みこむ。五代は園長の熱意に負け、承諾する。園長がやさしい(特徴:やさしい中高年)。

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帰宅した五代は惣一郎(犬)と戯れるが、それが原作より幼く可愛い(特徴)。また、何かをペロペロ舐める描写は、同氏作品によく出てくる。はだしのゲン2脚本と比較。

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響子は、五代宛に就職案内が沢山来ていることを告げる。五代は、就職活動を本格的に始めると響子に力強く宣言。

自室で就職案内をチェックする五代は、就職が決まった場合の、響子との夫婦生活を妄想。だが、四谷がやって来て妄想は中断となる。

四谷は、一流企業は現実的に無理だと言うが、五代は反発する。四谷にからかわれる五代が幼い(特徴)。五代はなんとか四谷を追い出す。ここでも蚊取り線香の意味深なアップが映る(特徴)。

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四谷が、現実を直視せよと言った直後にこれが映るので、蚊取り線香は、これから五代が直面する現実を予告するキャラとなっている?

翌日、大学で求人票を見た五代は、希望する大企業が全然無い事に落胆する。

一方八神(五代に惚れている女子高生)は、今日も今日とて五代を家庭教師として扱い、一刻館に向かっていた。

そんな折、八神はゆかり婆ちゃんと鉢合わせする。ゆかり婆ちゃんは、八神に荷物を持って欲しいと一方的に頼み、一刻館に向かう。文句を言いつつも、八神は方向が同じなため、荷物を持ってあげる(特徴:お年寄りに優しい)。

一刻館にて、出勤(夜勤)しようとしていた朱美は、ゆかり婆ちゃんを見つけ、再会を喜ぶ(ゆかり婆ちゃんは、以前訪問済)。ここも特徴で、朱美がお年寄りに優しく、手を握る。

手を握るのは同氏の特徴の中でも重要。様々な親愛の情を表す。ど根性ガエル演出と比較。

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ゆかり婆ちゃん=五代の祖母と知った八神は、態度が急変し、へりくだる。一刻館の面々は、それを見て呆れる。

五代の部屋には四谷(四谷も、八神の家庭教師)がスタンバイしており、結局、ゆかり婆ちゃんを囲んで、いつもの面々が五代の部屋で駄弁ることになる。朱美も店を休んで参加(一応、八神は四谷から授業を受ける)。

その頃、五代は親友の坂本と飲んでいた。ここでも、高屋敷氏特徴の煙草描写&物のアップが出てくる。

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そして、またしても高屋敷氏十八番のビールテロ。挙げればキリがないが、カイジ2期脚本と比較。

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坂本は、情熱が認められて一流企業に入った、同じ大学の学生の話をする。大事なのは情熱だと、二人も希望を持ち、酒が進むのだった。ここでも、男同士の気さくな会話が上手い(特徴)。

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ルーツはエースをねらえ!演出での、ひろみとマキの気さくな関係からだろうか。

本作は、恋愛ドラマより、こういった友情や仲間愛、疑似家族愛が目立つように感じる。もともと、高屋敷氏はそういった博愛の表現に長けているためだと思うし、それを利用して、恋愛よりも義理人情溢れるホームドラマの側面を強く出しているように見受けられる。これも、「(最終シーズンの)シリーズ構成」としての個性を感じる。

一刻館では、八神が、五代の帰りを待たずに大人しく帰宅する。いい子を演じて、ゆかり婆ちゃんに取り入る腹づもりであった。しばらくは、ゆかり婆ちゃんを口実に五代と会えるので、八神は内心喜ぶ。その一方で、ゆかり婆ちゃんは鋭く、八神・響子・五代の三角関係を見抜いていた。

夜、五代は泥酔状態で帰宅。五代は、ゆかり婆ちゃんが来ていることに驚くも、ゆかり婆ちゃんの歓迎会に加わる。

ゆかり婆ちゃんが、就職活動について五代に尋ねると、五代は坂本との話を思い出し、「情熱さえあれば一流企業も夢じゃない」と宣言する。ハイテンションの五代を見て、一刻館一同も盛り上がり、宴は夜更けまで続いたのだった。

翌朝、五代は、ゆかり婆ちゃんに叩き起こされる。就職活動における会社回りの初日ということで、ゆかり婆ちゃんはご馳走を作ってくれていた(特徴:飯テロ・ご馳走のアップ)。

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大げさだと五代は言うも、五代とゆかり婆ちゃんの会話が、気さくで和む。五代の「男の子らしさ」が、良く表現されており、高屋敷氏らしさが出ている。

皆に万歳三唱で送り出された五代は、気合いを入れて会社回りに挑む。

しかし現実は厳しく、どこに行っても、まともに相手にされなかった。

その頃、ゆかり婆ちゃんは、第六感で五代を心配していた。響子は、就職活動はまだ始まったばかりだと励ます。そこへ、ゆかり婆ちゃんが作った梅酒が宅配便で届く。”これがないと夏が過ごせない”と、ゆかり婆ちゃんが取り寄せたのだ。

響子とゆかり婆ちゃんは、美味しい梅酒を飲んで涼む。

その頃五代は、現実の厳しさを噛み締めていた。そんな折、五代は、こずえ(五代に好意を寄せていた、序盤の響子のライバル)とバッタリ会う。喫茶店にて、こずえが銀行に内定したと聞き、五代は益々ダメージを受けるのだった。

その夜、一刻館の面々は相変わらず、ゆかり婆ちゃんを囲んで酒盛りをしていた。帰宅した五代は呆れつつも、ゆかり婆ちゃん手製の梅酒の美味しさに感動する。

時間経過とともに梅酒は減っていくのだが、ここでも、高屋敷氏特徴の、意味深な梅酒のアップが入り、梅酒は、ゆかり婆ちゃんや五代の不安を和らげる、重要な役割を担っていることがわかる。

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飲みまくった五代は酔っ払い、気が大きくなる。「五代裕作は元気印の男の子なのです」とクダを巻く五代が幼い(特徴)。

その様子を見た一刻館の面々は、会社回りが上手く行かなかったことを悟り、彼らなりに慰める(特徴:疑似家族愛)。だが、あまりに大げさな慰め方なため、響子は皆をたしなめる。酔っ払った五代は響子の手を握り、立派な会社に入ってみせる、と、プロポーズまがいの事を言う。響子が戸惑いながらも励ますと、五代は泣き上戸となり、響子の膝の上で泣くのだった。

ここで明らかになったのが、以前も述べた、アニメ版五代の「”男“の幼さ・可愛さ」。響子の母性本能をくすぐるよう設定されている。現に、膝枕をしてあげる響子の表情は優しい。同氏脚本コボちゃんでも、膝枕シーンがあるが、この場面も、いつも背伸びしている水ノ江(コボの友達)の素の幼さを表現していた。下記画像は、今回とコボちゃん脚本。

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  • まとめ

大人(社会人)になろうとする話なのに、いつもながら五代が原作と比べ幼く可愛い。回を追う毎に、それが母性本能をくすぐるためのものだと確信できる。高屋敷氏は、演出であろうと脚本であろうと、こういった、幼さの表現が非常に上手い。

あと、物=キャラという特徴も、特に梅酒という形で表れている。梅酒は、ゆかり婆ちゃんが五代を心配した途端に届くし、落ち込んで帰宅した五代を酔わせ、慰めてくれたりする。極めつけは、響子の膝枕。梅酒が作ってくれたシチュエーションとも言える。このように、冒頭~終わりまで、梅酒が話運びのキーキャラクターとして活躍している。そのため、梅酒のアップが印象的なのだろう。

また、五代を取り巻く一刻館の面々の、疑似家族愛もクローズアップされている。特に、的確なアドバイスをしたり、五代の空元気を見抜いたりする四谷が渋い。これも、恋愛というより疑似家族を含めたファミリーものとしたい高屋敷氏の意向が窺え、原作通りであろうとも、シリーズ構成・脚本の個性は、作品を左右するほど強いことがわかる。

私は、子供の頃から原作を読み親しんでいたが、この、高屋敷氏の解釈は新鮮に映る。原作の五代は、妄想癖のある愛すべきバカという感じだが、高屋敷氏担当シリーズ・脚本の五代は幼く可愛い。母性本能をくすぐる存在として見事に機能していると思う。同氏シリーズ構成・脚本のカイジでも、女性視聴者の母性本能をくすぐるように、所々設定されている。

こういった、男性が描く男性キャラの可愛さは、あざとさがあまり無く、また、高屋敷氏はそれに長けている。同時に、カイジ(脚本・シリーズ構成)や「家なき子」(演出)のレミのように、突如大人の男としての豹変を見せるのも高屋敷氏の真骨頂。五代の場合、響子との仲が親密になる終盤の、男としての成長をどう書くのか、益々興味深くなった。

チエちゃん奮戦記2話脚本:難易度SSのチエ脚本再び!変化を必要とするループもの

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくなりませんが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見れます)

チエちゃん奮戦記(じゃりん子チエ2期)の1話高屋敷氏脚本(横田監督と共著)については下記ブログにまとめました。

http://makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2016/09/12/200256

無印チエのブログアーカイブはこちら(なるべく増やす予定)

http://makimogpfb2.hatenablog.com/archive/category/%23%E3%81%98%E3%82%83%E3%82%8A%E3%82%93%E5%AD%90%E3%83%81%E3%82%A8

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冒頭、テツが鏡で自分の顔を見ている。いきなり同氏特徴、鏡演出。真実や現状を映したり、嘘を見抜くキャラとして活躍。画像は今回と、ベルばらコンテ、チエ1期・ジョー2・ルパン・カイジ1、2期の脚本。 https://t.co/G7NKovLGFM

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1話をまとめたブログで書いたが、1期で西萩メンバーの定着が終わってしまったため、テツやチエ達に振り回される役を外部から呼ばなくてはならなくなっている。それが1話のヤクザ二人組。今回は、テツ自ら、新キャラに化けて騒動を起こそうとする話。

つまり1期から何年もたってるのに、1期終了から2期まで話がまだまだ数珠つなぎになっている。これがチエ脚本・シリーズ構成の恐ろしさ。各話の緻密さ・平行エピソードさばきの大変さは、1期と変わらない。しかも1期を覚えていないといけない。相当な手腕が要る。

話を戻すと、テツは、自分の顔が怖すぎるから最近ヤクザが近付いてくれない、と悩んでいた(ヤクザをどついて金を巻き上げるのが趣味)。これも1期や2期1話とつながっていて、テツほか西萩連中に関わるとロクな事にならないのが、周りに周知されているのが原因。

テツは、自分の顔についてどう思うか正直に答えて欲しいと、チエやカルメラ兄弟に尋ねる。怖がるカルメラ兄弟がかわいく、スキンシップ多め。これは最新作Days脚本でも変わらない。

https://t.co/VljUr05bmc

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カルメラ兄弟やチエの意見を取り入れ、テツはヤクザにからまれやすい顔にメークアップする計画を立てる。画力に自信がないカルメラ兄弟は断るが、そこへ、町一番の画力の持ち主、ヒラメ(チエの親友)が通りかかり、ヒラメがメークアップ係となってしまう。

チエ1期において、ヒラメの絵が上手い話と、ヒラメがテツをモデルにした絵で賞をとる話は、高屋敷氏が脚本を担当している。なのでヒラメの画力をテツが今回も盲信しているのは自然な流れ。というか記憶力に脱帽する。他作品からの引き出しにも思うが、驚異の記憶力。

鏡確認もせずに変顔で町に出たテツは、望み通りヤクザに絡まれまくる。ヤクザをどつく際に服まで脱がしてるのが、同氏特徴脱衣演出。格好ばかりで弱いということ?画像は今回、元祖バカボン演出、Days脚本。https://t.co/DhEv4txM1D

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メークアップ顔に大満足のテツは、おバァはんやチエの前をメークアップ顔で通るイタズラをして、チエ達を動揺させる。そしてヒラメのために、ヒラメの好物の塩せんべいを持っていくが、ヒラメ母は怪しみ、外に出るなとヒラメに警告。自分の描いた顔が起こした騒動に、ヒラメは頭を抱える。

一方チエは店の売り上げがよく、ご機嫌。機嫌といえばテツも最近機嫌がいいことにチエが気付き、頭おかしなっとると疑う。頭を指して、狂ってる(バカ)と言うのも同氏特徴。画像は今回、チエ1期(後ろのモブ)脚本・Days脚本。

https://t.co/NGXilpxcxT

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更にチエは、ヒラメに最近会えない事に気付く。ヒラメはテツに会ってはメイクアップの仕事をしていた。テツとヒラメのやりとりは、1期のころから可愛い。テツが幼いせいもある(同氏特徴)。画像は今回と1期。 https://t.co/jNLbmZc8tq

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ヒラメはテツに、もうメイクアップの仕事をやめたいと打ち明けるが、テツは大事な面接の仕事があるからと、無理に頼み込む。ところでヒラメのための塩せんべいや大福が美味しそう(特徴:飯テロ)。ホルモンも定番。 https://t.co/yO97qVzpwX

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悩み抜いたヒラメは、チエとヨシエにメークアップの事を打ち明ける。しかも今回は、面接というから、描くふりしてメークアップしなかったという。チエは面接と聞いて怪しみ、テツが恨みを持つ人物を尋ねてまわる(おバァはん・拳骨先生)。ビンゴは拳骨。

チエから一報を聞いた拳骨は「テツと遊ぼう」と楽しそうにする。1期からだが、肉弾も知恵も、テツは拳骨に敵わない。しかもテツと絡むのは拳骨の心からの楽しみの一つで、童心に帰る(特徴)。Days脚本も風間が童心に帰っている。 https://t.co/iJ5UNh9D38

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テツはメークアップなしの顔とも知らず、拳骨宅に営業マンとしてやってくる。拳骨は、それに気付かないふりをして、テツとやりとりする。言うなれば、同氏がシリ構・脚本を務めたアカギ・カイジのような心理戦に。 https://t.co/sC4vo4dSx1

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また、こっそりレンガを持ち出したテツを拳骨は見逃さず受け止める。これも悪意あれど、特徴である「物を介して思いを伝える」。

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また、レンガお手玉カイジ(シリ構)とシンクロw https://t.co/tnXZm3TSCD

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どんどん拳骨に追い詰められたテツは、とうとう拳骨に「お前が売りに来たのは喧嘩じゃろ」と言われ、テツの顔を映した鏡(特徴)を見せられる。

化けの皮がはがれる・本性を見せる、ということではカイジの班長に繋がる。 https://t.co/XhkvwmMYDV

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迂闊さが鏡に映るのは、ルパン脚本でも出てくる。

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あと、ラストはテツが逆さ吊りになるが、1期も、らんま脚本も、犬神家ネタが入る。好きなのかな? https://t.co/ICVIeC2Nnz

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  • まとめ

コンテはチエ1期にはいなかった片渕須直氏、演出は須藤典彦氏。なのに1期からの継承は上手くいっている。監督が1期から高畑監督の右腕だった横田和善氏だし、脚本も1期最多執筆の高屋敷氏である。美術も、怖いくらい継承されている。町並みもほぼ同じ。

ところで、今回コンテの片渕氏が監督のアニメ映画「この世界の片隅に」は2016秋公開予定なので期待したい*1

話を戻すと、とにかく本作は1期と1期の最終回を把握していないと出来ない作品。

この1話内だけでも、ヒラメの絵が上手い話、ヤクザがいないとテツの生き甲斐がなくなる話、テツとヒラメの友情が可愛い話、テツと拳骨のどつきあいが幼い話、ヒラメの好物が塩せんべいの話など、1期の設定が全て頭に入っていなければならない。凄い情報量である。

1期では渉やヨシエといった、堅物の外野が西萩連中に溶け込んで行って終わるが、そうなると、西萩連中に振り回される被害者が足りなくなる。それが2期。だから1話はゲストを呼び、2話はテツ自らゲストとなった。ここらが、通常ループものと少し違う。

高屋敷氏のテーマの一つに、「前へ進め」というものがある(詳しくはこちら)。じゃりん子チエはループものとはいえ、外野が西萩連中の変わらなさを指摘したり、西萩連中が変わろうともがいたりする。ただ停滞している訳ではない。

現に、次の高屋敷氏の脚本回は、テツが働く話である(7、8話)。1期でもテツが働く話があるので、これまた1期の記憶が必要。1期を踏襲しつつ、2期も「変化」をつけなければならないコンセプトで、やはり脚本陣の相当な手腕が要ると痛感する回だった。

*1:見たが素晴らしい映画だった。また、大ヒット

めぞん一刻66話脚本:性別問わず発揮される「男のかっこよさ」

めぞん一刻は、アパート「一刻館」に住む青年・五代と、一刻館管理人で未亡人・響子との、山あり谷ありのラブコメ(原作・高橋留美子先生)。高屋敷氏は最終シリーズ構成と脚本を担当している。監督(最終シリーズ)は吉永尚之氏。

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五代に惚れている女子高生・八神は、五代の教育実習が終わっても、五代を家庭教師に任命し、足しげく一刻館に通う日々を続けていた。

そんな折、八神の担任(響子の恩師)の耳に八神の近況が入る。響子と担任の会話が原因だった。八神は、響子が担任に告げ口したと憤慨し、響子への闘志を更に燃やす。

八神は、周囲に文句を言わせまいと、勉強に励む。勉強中に鉛筆が折れ、八神がイラつく場面に高屋敷氏の特徴が出ている(物がキャラとして意思を持つ)。

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ここでは、くじけてもへこたれない八神の根性が表れている。

そして早速、夜食のサンドイッチが出て、同氏特徴の飯テロ。

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また、八神の部屋の、鳥のモービルが意味深に映り、心情を表す役目を担っている。高屋敷氏もよく出す、出崎鳥*1っぽい。下記は今回(上段)と、家なき子(出崎統監督作)における高屋敷氏演出回(下段)との比較。

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一方、一刻館では、八神が最近訪ねて来ない、という話をしていた。ここでも同氏特徴である、自然=キャラ演出が現れ、入道雲のアップが入る。画像は今回(上段2つ)と、チエちゃん奮戦記・カイジ2期脚本。

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そして模擬試験結果発表の日、努力が実り、八神は成績トップに返り咲く。ここの場面で、八神の友達の個性がよく出ている(特徴:優秀モブ)。台詞も多い。

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八神は試験結果を胸に、一刻館を訪ねる。八神は模擬試験結果を響子に見せ、担任に告げ口した(誤解)ことを責め、もう口出しさせない、と牽制する。

そこへ五代が帰って来て、八神は喜び、五代の胸に倒れこむ。ここでも響子のヤキモチが炸裂。だが八神は、勉強での寝不足がたたってのガチ倒れだった。そのため、響子は自室で八神を寝かせる。

八神が寝ている間、意味深な自然の間が次々と入る(特徴:自然=キャラ)。中でも特徴的なのは、入道雲と鳥。八神の自由奔放さを表している?(高屋敷氏と鳥については、こちらを参照。)

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鳥の他にも、下記上段のように、多くの自然の間が入る。家なき子演出(下段)と比較。
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そして、頑張った八神を包み込むように風が吹いて、八神が起きる。ここも、風がキャラとして活躍している。

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これら自然の活躍は、アニメオリジナル。なので、高屋敷氏の特徴がダイレクトに入っている。

寝たことで復活した八神だったが、また倒れたら大変だからと、五代が駅まで送ることに。その折、八神は響子に向かって、あかんべーをする(特徴:幼い)。

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響子は怒るが、自分にはできないアプローチ法を次々と取る八神に感心はする。その際、サンダルが意味深に脱げるのが同氏特徴的。

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夜、八神は勉強についての障害を取り除いたことに満足し、次のアプローチ方法を考えるのだった。ここも意味深な鳥のモービルが映り(特徴)、八神の心情を表している。

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そして、八神は以前のように、五代(と四谷)を家庭教師とし、一刻館に通うようになる。

そこへ響子がケーキとお茶を差し入れに来るが、八神は、自分でケーキとお茶を持ってきたから、今後差し入れは不要だと、響子を牽制。響子もそれを受け意地になって、ケーキを五代に渡し、八神も負けじとケーキを渡す。(特徴:飯テロ・物=キャラ)。

それに助け舟を出す形で、四谷が両方のケーキを食べ、他の一刻館住人を呼ぶ(特徴:仲間愛)。ケーキということで、怪物くん脚本(下段)と比較。他作品でもよく出る。

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以前の話でも、カップを巡って八神と響子が対立したが、今回はケーキとお茶を使っての戦いになっており、高屋敷氏の特徴が存分に発揮されている。四谷の仲介がなければ、かなり怖い状況。そして、二人とも幼く、大人げない(特徴)。

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八神は皆の面前で、五代が好きなんでしょ、と響子に問い詰める。響子は逃げるように部屋を出ていき、五代が追いかける。五代は、皆の言うことを気にしないように、と言い、響子は、大人げなかったと素直に謝る。見つめ合う二人は、いい雰囲気になるが、皆が見ている事に気付いて中断。ここでも、五代が何やら、高屋敷氏担当シリーズ全体に見受けられる「母性本能をかきたてる可愛さ」を発揮していて、高屋敷氏の特徴である「男の可愛さ・無邪気さ」が表現されている。

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後日、四谷が八神から家庭教師の月謝を貰ったということで、スナック茶々丸(一刻館住人のたまり場)に、皆で飲みに行くことに。

茶々丸には八神も来ており、響子は閉口。だが響子は大ジョッキを次々に飲む。同氏特徴のビールテロ。挙げればキリがないが、代表格としてカイジ脚本と比較。

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そこへ五代から茶々丸に電話が入り、バイト仲間(保育園の面々)と飲みに行くことになってしまったので、遅くなるという連絡が入る。

八神は素直に落胆するが、響子が素直じゃない事にイラつき、
「本当に素直じゃないのよね」
「好きなら好きってハッキリ言いなさいよ」
「好きじゃないフリして愛されようなんて、虫が好すぎる」
と色々発破をかける。

この、”好きなら好きってハッキリ言え“、は忍者戦士飛影脚本の次回予告パートでもジョウが言っており、同氏ポリシーと思われる。以前の回もだが、同氏は八神を通して自分の主張を出しているように見受けられる、

また、八神は響子に対し「意気地無し、見栄っ張り、弱虫!」と言うのだが、こういった3拍子のリズムも同氏の言い回しの特徴が出ている。例えば、カイジ2期脚本・一条の「今打て!すぐ打て!さあ打て!」など。

散々八神に言われ放題の響子だったが、言われたことは当たっている、と素直に受け止める。そして「みんなウソになりそうで怖い」とポツリと言うが、八神はその真意がわからなかった。

そこへ五代が到着。これ見よがしに八神は五代にベタベタする。夜遅いということで、五代は八神を駅まで送る。一方、他の住人と帰路につく響子は、一人しか好きになったことがない八神を羨ましく思うのだった。

後日の雨の日、八神は担任と、響子や五代の事について話す。ここの多層美術の描写が、奇跡的に出崎的。家なき子の高屋敷氏演出と比較。

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 担任は、響子は意固地だが一途でもあり、「“本当のこと”は幾つもあるのに、1つしかないと思ってしまう」と評す。ここの場面の担任が渋い。渋い中高年描写も、同氏特徴。

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他の誰かを好きになったら、亡き夫・惣一郎への想いがウソになってしまいそうだから怖い、というのが、響子の真意だった。八神は、勇気が無いだけだ、と言うものの、神妙な気分になる。

響子に言いすぎたかもしれない、と八神は反省し、元気づけてやろうか、と思いつく。

そこで、雨の中傘を閉じ、響子に「弱虫!」と言い放ち、去っていくのだった。

この、傘を閉じ、凛々しい顔で「弱虫!」と言う八神の対決姿勢が、カイジ脚本での、手袋を脱ぎ、鬼気迫る顔で班長との対決に挑む姿と被る。八神もカイジもかっこいい。

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弱虫と言われた響子は、何かに気付いたようにハッとなる。そこへ風が吹くのだった。

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ここでは、雨や風が重要なキャラとなり、状況を盛り上げている(特徴)。

  • まとめ

ケーキやビールなど、相変わらず飲食物が美味しそうな描写があり、その個性を見るのが楽しい。

美味しそうなだけでなく、ケーキを使った恋愛戦争が、いかにも物を重要なキャラとする高屋敷氏らしい。

そして確定的になって来たのが、五代の可愛さ。可愛さを見せることで、響子の母性本能をくすぐるよう設定されている。もともと高屋敷氏は、「男の幼さ・可愛さ」を描写することが容姿年齢問わず得意。そこへ活路を見出し、響子の心が五代に傾いて行くことへの説得力を持たせようとしていると思われる。確かに原作と比べ、びっくりするくらい五代が幼く可愛い。

一方八神は今回、男らしい態度を見せている。そして、好きなら好きとハッキリ言え、など高屋敷氏のポリシーを言う役を担っている。これは、じゃりん子チエ脚本にて、地獄組ボスが西萩の面々に対する不満をぶちまける回にも通じる。これも、高屋敷氏の意見を代弁していた。そしてそれは、視聴者の共感を呼ぶよう設計されている。それが自然に出来ているのが凄い。

今回見せる八神の男らしさ・かっこよさは、高屋敷氏が演出陣だった「エースをねらえ!」でも発揮されている。エースをねらえ!は、監督である出崎統氏が、男の世界好きなため、女性キャラであろうと男らしく設定されている。その経験が生きている。

また、雨の中、八神が響子に発破をかける場面は、あしたのジョー2脚本にて、雨の中、丈がホセに「See you again!」と叫び、試合をする約束を交わす場面と被る。

こう見ていくと、以前も述べたが、エースをねらえ!ジョー2における「男の世界」が、女性作家作品である「めぞん一刻」に出張して来ており興味深い。出崎統氏と同じく、高屋敷氏は女の世界が少々苦手なのかもしれない。そこで、得意である「男の」可愛い描写や、男らしさを性別関係無くキャラに課していると感じられる。

そして、風や雨といった、もの言わぬ自然が、キャラとして今回も活躍しており、「映像」を見ることで高屋敷氏脚本とわかる。それが毎度面白い。

今回は、八神の「男らしさ」が前面に出ていてかっこいい。性別問わず「男のかっこよさ」は表現できる、と感じられる回だった。

*1:高屋敷氏が長年一緒に仕事した出崎統氏の、よく鳥を飛ばす演出

忍者戦士飛影 37話脚本:知恵を使う者こそ善悪問わず勝者!それが主人公側であってほしい願い

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくなりませんが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

今までの話としては、

  • 敵側皇帝アネックスが、地球侵略を幹部のシャルム・イルボラに任せ、母星に帰った
  • ジョウ達は、敵を欺く作戦にて皇帝母艦エクセレントの内部に入り込み、攻撃に成功
  • 地球連邦はジョウ達エル・シャンクを信用し始める

あたり。

 

地球連邦局長・および各国代表は、ザ・ブーム軍およびハザードへの不信感を募らせ、エル・シャンクと手を結ぶことを決意。そしてサナダ父子を復職させ、ハザードを、エル・シャンクとの会談の場から閉め出す。

一方ジョウ達は束の間の休息でポーカーを楽しむ。ジョウ達が幼く可愛い(特徴)。更にシンクロ現象、カードゲームをする人達。今回、ベルばらコンテ、キャッツアイ・カイジ脚本。キャッツアイとは年代も近い。 https://t.co/eCEi303Ndt

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前回脚本作32話の歯みがきで緊張を和らげるシーンもだが、同氏は、シリアスの中に一旦コミカルシーンを挟むことが多い。チエ・ジョー1・2脚本や、家なき子演出でも、よく見られる特徴。

連邦がエル・シャンクを迎え入れることを知ったジョウ達は喜ぶが、ガメランは一旦懐疑的になる。衝突しそうな二人をロミナが諌めてその場は収まるが、ガメランに対してあかんべーしてるマイクを、ダミアンが止めるシーンが小学生レベルに幼い(特徴)。

その頃、ザ・ブーム軍の女幹部シャルムは、ハザードから、連邦とエル・シャンクが手を結んだ事を知らされる。ハザードとシャルムは衝突し、シャルムはハザードを「見苦しい顔」と罵る。ハザードの性格の醜さが顔に出てるという台詞は、同氏の以前の脚本2つにも出ており、連動している。

イルボラはシャルムに、ハザードの扱いが下手だと助言するが、シャルムは無視。一方ハザードは、見苦しい顔と言われたことを根に持ち、ワイングラスに映る顔を見つめる。ベルばらコンテと似る。 https://t.co/g9m4qfg1SD

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ベルばらコンテでは、オスカルは、ワインに映る自分を見つめて、秘めた想いについて問いかける。ここでのハザードも、ワインに映る自分への問いかけ。「この顔のどこが見苦しい」が笑うがw 所々で自己への問いかけとして鏡や、ものを反射する物が出てくる。

ハザードの腹心かつ忠臣であるドッグは、地球連邦とエル・シャンクの会談をキャッチする手筈を完了していた。ハザードは、今までのドッグの忠義を労う。(特徴:敵にも仲間愛)。イルボラが、ハザードはそろそろ用済み…と思っていることと併せると、ハザードの退場は近い。

地球連邦と、エル・シャンク(ロミナ・ジョウ・ローニン父子)の会談が始まるが、ここで特徴の、ランプのアップの間が出てくる。キャラとしてのランプが「見ている」。多数あるが一例として、今回・ベルばらコンテ・カイジ脚本。 https://t.co/U8TiXnNdXX

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連邦側は、補給などのサポートを精力的に行うが、エル・シャンクに、常に前線にいてほしいと提言。ジョウ達は、それじゃエル・シャンクは都合のいい弾よけじゃないか、と反発、会議は膠着状態に。この会議模様、ジョー2脚本の、葉子と関東テレビとの交渉とシンクロ。

ジョー2脚本での、葉子と関東テレビの交渉では、葉子が都合よくボクサーを使うとして、丈が激しく反発する。 今回は、ジョウが連邦の都合のいい提言に反発。カイジ脚本も、班長の都合のいい理屈にカイジが反発。 https://t.co/wgg1LPRPt2

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会議は一旦休憩に。ジョウは連邦に失望するが、ロミナは少しずつ話し合いを進める決意を固める。一方、ジョー2脚本では、廃車を壊れたボクサーに見立て、丈はボクサーをもてあそぶ葉子達に失望する。この2本を交互に見ると面白い。

ジョー2脚本の、葉子と関東テレビの交渉についての話の詳細はこちら: https://t.co/t7AeM41IIA

今回もジョー2も、無茶な戦いを強いる点では同じ。もっとも、ジョー2の場合、葉子には丈を思う気持ちが裏にあるが。

丈とジョウ、名前がほぼ同じなので、今回はじめ他の同氏脚本でも、ジョー2脚本ネタがちらほらある。思い入れが窺える。

一方ドッグからエル・シャンクの位置を聞いたイルボラは、攻撃準備に入る。同じく戦闘体勢に入るシャルムが、女性らしく爪を磨いている。カイジ(シリ構)の一条の爪磨きとシンクロwどちらも臨戦体勢なのは同じ。 https://t.co/gqnkiBDNa5

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エル・シャンクとジョウ達が離れているため、攻撃のチャンスと見たイルボラ達は、ジョウ達を襲撃。ジョウ達は車で逃げ、カーブにさしかかった所でジョウは車から飛び降り、飛影を召喚する。ところでカーブ減速時に飛び降りは、家なき子演出にもあった(列車だが)。

飛影と、イルボラの駆る零影は激しく戦い、エル・シャンク付近は、レニー・マイク・ダミアンが迎撃する。

一方、事の進行を見守るハザードには、策があった。ハザードは、連邦軍局長に、敵艦エクセレントのアキレス腱である動力源の場所を、あえて教える。

ハザードの進言通り、地球軍は敵艦エクセレントの動力炉を攻撃。慌てたシャルムは、イルボラ達に撤退命令を出す。イルボラもそれを受け撤退。ハザードの狙いは、連邦とザブーム、どちらにも取り入って、地球の全てを手中にする事だった。なかなか知略を使う(特徴)。

連邦の、エクセレント動力炉への攻撃成功に喜ぶジョウ達だが、それを指示したのがハザードと知り、警戒する。また、北アメリカが戦闘に巻き込まれたことは、連邦政府や北米市民に大きな衝撃を与えてしまった。ここまでで次回へ。

  • まとめ

飛影においての、高屋敷氏脚本回はここで終わり。物語も、残り回数が(打ちきりのため)、もう少ない。 この話では、散々、敵にも味方にもバカにされてきたハザードが悪知恵をフル回転させ、「まだまだへこたれんぞ」と高らかに笑う。敵ながら不屈(特徴)。

序盤のポーカーの、他作品とのシンクロも面白いし、都合よく人を使い捨てようとする者達に反発する主人公達、という図式が他作品(ジョー2・カイジ脚本)と被っていくのも面白い。爪磨き(シャルム・一条)の被りも奇跡的。

打ちきりが決定したから?なのかもしれないが、皇帝艦エクセレントが意外と内部からの攻撃に弱い。ここまでで、結構ダメージを食らっている。一方ハザードの悪知恵は敵ながら天晴れで、ザブーム軍すら知恵一つで手玉に取ったことになる。これはカイジにも繋がる知略。

この話は、知恵を使わなかった者が失策している。直情で動くシャルムは、ハザードの使い方を誤ったため、逆に手玉に取られた。 まんが世界昔ばなしにおける高屋敷氏脚本の「きつねのさいばん」も、直情的な狼より、狡猾な狐が天下を取る話になっている。

この、高屋敷氏脚本「きつねのさいばん」では、悪虐の限りを尽くした狐が、皆を知恵一つで丸め込み、ナイスガイで強い狼にも、姑息な手段で勝ち、天下を取る。カイジ構成・脚本においても1期ラストは、正義・悪関係なく、知恵が上回った方の勝ちになっている。

未視聴で録画積んでるが、火の鳥鳳凰編(同氏脚本(共著))の原作で、悪党である我王が自分より優れた彫刻を彫るわけがないと、茜丸がわめく場面がある。カイジでも、最終戦の土壇場において「こんな悪党より俺だ」とカイジはオカルトに頼ってしまった。

直情的な義憤が勝負の世界では通用しない…は、同氏シリ構のワンナウツでも描かれる。理想的なプロ野球選手である児島は、賭け野球に怒り渡久地に勝負を挑むが負ける。渡久地曰く「言うことはかっこいいけど勝負をなめてる」。渡久地は勝負こそが全ての男。

同氏脚本「きつねのさいばん」における、どんな悪者も知恵を働かせれば勝者になる、という非情な勝負の世界は、カイジでも表れているが、逆に負け組・弱者も知恵とチャンスを使えばどんな強者にも勝てる、という希望も見せている。

カイジ2期の脚本22話でも、諭吉の論のカイジの解釈として、「チャンスを生かせばバカでもクズでも勝者」とカイジが言う所を相当に強調している。どんなに許せない相手でも、一旦立ち止まり(または負けて)、相手に勝つために知恵を巡らせる主人公達が、同氏作品には多い。

同氏脚本「きつねのさいばん」、最後は「本当にこれでいいの?」というナレで終わる。直情的義憤では狡猾さに勝てないのが現実でも、悪役の知恵を上回る知恵を持つヒーローが現れるのを待っているかのようである。その代表格としてカイジも入っているのだろう。

 

 

━━━以降、最終回ネタバレ━━

打ちきりということで期待していなかったが、皇帝艦エクセレントは内部からの攻撃に弱く、そこをつきエクセレントも、たまたま側に来ていた皇帝アネックスもやられる。
なんと最後に残った敵はハザードだった。
だが、イルボラとジョウの決闘を邪魔したハザードに対し二人は怒り、ジョウによってハザードは倒された。
火星についての問題は、ローニンが解決してくれることになった。
そして、飛影・零影・エルシャンクの秘密動力炉が融合するとエルシャンクは黄金に輝き、エネルギー満タンでロミナの母星、ラドリオ星に行けるようになった。

アネックス亡き今、ラドリオの平和はジョウ達の活躍によりすぐ手に入るであろうことを示唆しながら、物語は終わる。

残り2話の総集編は、なんとハザード目線で進む。相当スタッフに愛されていたようだ。

忍者戦士飛影 32話脚本:キャラとしての火山が怒り爆発。過酷な現実の中でも人間性を失うなというメッセージ

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくなりませんが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

 今までの話としては、下記あたりがポイント。

  • 伊賀に行くも、ラドリオ星が求める忍者はいなかった
  • 色々あったがジョウ達はエル・シャンクに残る
  • 零影を駆るイルボラが京都を襲った。イルボラはジョウが自由に飛影を召喚できることを、まだ知らない。

地球連邦のロンドンとサンパウロ基地が、ザ・ブーム(字数関係でザブームと書く)軍の襲撃を受け壊滅。一報を聞いたジョウは歯みがき中。ジョー2やDays脚本でも見られる、緊迫を中和するコミカル描写(特徴) 。https://t.co/VA7376S22F

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最近(2016)、高屋敷氏はDays脚本を書いているので嬉しい。Days3話、つくしをバカにした他校生徒をこらしめたため監督達に怒られた後の風間の歯みがきシーン・おっぱい考察は、風間のことを心配する、つくしの不安を和らげる効果があるし、幼い(特徴)。 

話を戻すと、基地の壊滅を受け、全世界の首脳達が緊急会議を開く。会議には、北米代表かつ、唯一ジョウ達エル・シャンクの味方であるサナダ父子も出席(北米代表の息子・ローニンはジョウの幼馴染)。だが、ジョウ達の敵である、火星司令ハザードも出席していた。

ハザードは、エル・シャンクを潰せばザブームは攻撃を止めると、北米以外の首脳達をそそのかす。そそのかされた連邦は、北米が従わない場合、全世界が北米を敵とする、と決議。北米市民3億人とエル・シャンクを天秤にかけられ、サナダ父子は苦悩する。

サナダは苦悩の結果、北米市民の命を守る方を選択する。ハザードは更に、ジョウの親友であるローニン・サナダに、エル・シャンク攻撃を命じる。ローニンを信じ、会議の結果を待ち続けるジョウだが、エル・シャンクのクルーのガメランはローニンに疑念を抱く。

ガメランは、ローニンは怖じ気づいて裏切りの算段をしているのではないかと、疑問を投げ掛ける。そして「友情なんてそんなもんよ。まともに信じていると火傷をする」と言う。 面白いのは、同氏カイジ脚本でも、原作通りだが似た内容を竜崎が言う所。

今回脚本とカイジ脚本、台詞比較。

竜崎「友情や口約束で貰えるのは旅先からの絵ハガキや土産、あるいは思い出というガラクタ…そんな程度のもの」

ガメラン「友情なんてそんなもんよ。まともに信じていると火傷をする」 

確かに現実はそういう側面もある。それでも主人公はそれを認めてはならないという同氏の主張が、今回もカイジも読み取れる。カイジ原作の福本先生にもそういう主張はある。そのためか、竜崎もガメランも殴られる。 https://t.co/aGp3cS0xxP

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友を侮辱されて怒るのは、最近の同氏のdays脚本でもある。風間は、つくしをバカにした連中に湯をぶっかける。カイジの仲間思いも同様。 また、同氏脚本カイジ12話にて、カイジは、「裏切らなきゃ裏切られる」と苦悩しながらも、人を押さないという決断をする。

このように、オリジナルでも原作つきでも、同氏が主張したい所が同じなので、奇跡的なシンクロが起こり続けるのだろう。また、原作つきで、しかも原作に忠実なままで、自分の主張を出すのは相当な手腕が必要。それについては、同氏のチエ脚本経験が生きている。

追い詰められたローニンは、単身エル・シャンクを攻撃する。だが、戦闘機が壊れて不時着。そして、ローニンはジョウに日本刀を渡して、決闘を申し込む。剣での決闘が、同氏のベルばらコンテを彷彿とさせる。 https://t.co/NoLBTj7oVQ

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決闘の末、ジョウがローニンの剣を弾き飛ばす。負けを認めたローニンは介錯をジョウに頼む。涙ながらに負けを認めるローニンが、カイジ1期同氏脚本のカイジっぽい。二人とも泣く。 https://t.co/V7VQUheD0X

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同氏脚本ルパン3期でも、仲間のゲリラを裏切った次元の旧友(ギャランコ)が、次元と決闘する。ギャランコもローニンも決闘に負け、死を望むが、次元もジョウも、とどめをささない。(特徴:自殺防止) https://t.co/PWs8gvZ2oM

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ルパン3期脚本も、今回も、悲劇の決闘を見守る卑劣な敵がいるのも共通(レプトル将軍・ハザード)。見た目も少し似てるw また、介錯をするかしないか、剣が「見ている」(特徴:物もキャラ)。 https://t.co/FEHavh205R

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事情をローニンから聞いたこともあり、とどめを刺せなかったジョウは、立場は違えどお前はかけがえのない親友だと叫び、エル・シャンクで去る。落ち込むジョウがチエ・めぞん一刻脚本、ベルばらコンテ等と重なる怪。 https://t.co/mloDnPcBYr

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悲しむ間もなく、イルボラの乗る零影と、雑魚メカ群が襲ってくる。ジョウ達は火山島を戦場に選び、あらかた雑魚を片付ける。そしてイルボラ対ジョウの一騎討ちとなる。ここも同氏ベルばらコンテを彷彿とさせる。 https://t.co/GzXSHmCKCu

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ジョウはイルボラに、自分とローニンの友情を引き裂くことはできないとアネックスに伝えろ、と言う。一方イルボラは、戦争においては、どんな友情や絆も引き裂かれることがある、と反論。ジョウはそれを否定し、イルボラを倒す寸前まで追い詰める。

ここで、イルボラにとどめを刺すのを邪魔するように、火山が噴火する(特徴:自然=キャラ)。イルボラもジョウも撤退を余儀なくされ、決着つかず。しかもエル・シャンクは燃料切れのピンチになり、次回へ。

次回予告にて「死亡率80%の病気」というのがあるが、ど根性ガエルに出る台詞「死亡率90%の風邪」のパロと思う(三家本氏演出回だが)。ど根性ガエルのはブラフだけど、飛影のはマジ。しかも実在の病気。過去作パロが散りばめられているのも特徴。

  • まとめ

火山は同氏脚本に頻出。鉄人28号太陽の使者脚本の海底火山、ルパン3期脚本の火山湖、今回。鉄人28号、ルパン3期は、敵を倒す火山だが、今回はとどめを刺させない火山。画像は今回とルパン3期脚本。https://t.co/kY8HPnPSjz

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今回、ローニンとジョウ、イルボラとジョウの、2つの決闘が描かれ、どちらもジョウはとどめを刺せなかった。前者は、事情を知っていることもあり、ジョウは自らの意志でとどめを刺さなかったが、後者は、キャラとしての火山が、イルボラとジョウの決着を邪魔した。

絆が引き裂かれる事もあるという、イルボラの現実的主張をジョウが否定する瞬間、ジョウがイルボラを追い詰めることができたのも興味深い。友情に懐疑的なガメランをジョウが殴る場面もあるし、現実を認めつつ主人公は義理人情を通せという主張が見える。

火山が噴火したのは、裏切り裏切られ、絆が引き裂かれる戦いに対し、火山が怒ったように見える。もし火山が噴火せず、ジョウがイルボラを殺していれば、ジョウの人間性が失われていただろう。また、カイジ同氏脚本でも、人の醜い争いを見て、カイジの怒りが爆発する。

同氏ベルばらコンテと、今回脚本との、剣のアクションを比較してみた。同氏脚本は比較的アクションの指定はあまりないみたいに見えるが、剣をはじき飛ばすあたりは指定した?そこそこ画が共通するのも怪。 https://t.co/lVP7dg5dqX

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今回やカイジ脚本を見ていると、過酷でシビアな現実を描きつつも、主人公は決して信頼や友情、義理人情を失ってはならないという、同氏の強いメッセージを感じる。しかも主人公達は、シビアな現実を体験した上で、まっすぐな信念を曲げない。

今回は、友やライバルにとどめを刺せなかったジョウと、人間競馬で人を押さない決断をしたカイジに共通点を見出せた回だった。他も共通点多数。オリジナル脚本でも原作つき脚本でも、強調の具合によって自分の主張は出せるのだというのを感じた回でもあった。