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カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

忍者戦士飛影 37話脚本:知恵を使う者こそ善悪問わず勝者!それが主人公側であってほしい願い

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくなりませんが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

今までの話としては、

  • 敵側皇帝アネックスが、地球侵略を幹部のシャルム・イルボラに任せ、母星に帰った
  • ジョウ達は、敵を欺く作戦にて皇帝母艦エクセレントの内部に入り込み、攻撃に成功
  • 地球連邦はジョウ達エル・シャンクを信用し始める

あたり。

 

地球連邦局長・および各国代表は、ザ・ブーム軍およびハザードへの不信感を募らせ、エル・シャンクと手を結ぶことを決意。そしてサナダ父子を復職させ、ハザードを、エル・シャンクとの会談の場から閉め出す。

一方ジョウ達は束の間の休息でポーカーを楽しむ。ジョウ達が幼く可愛い(特徴)。更にシンクロ現象、カードゲームをする人達。今回、ベルばらコンテ、キャッツアイ・カイジ脚本。キャッツアイとは年代も近い。 https://t.co/eCEi303Ndt

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前回脚本作32話の歯みがきで緊張を和らげるシーンもだが、同氏は、シリアスの中に一旦コミカルシーンを挟むことが多い。チエ・ジョー1・2脚本や、家なき子演出でも、よく見られる特徴。

連邦がエル・シャンクを迎え入れることを知ったジョウ達は喜ぶが、ガメランは一旦懐疑的になる。衝突しそうな二人をロミナが諌めてその場は収まるが、ガメランに対してあかんべーしてるマイクを、ダミアンが止めるシーンが小学生レベルに幼い(特徴)。

その頃、ザ・ブーム軍の女幹部シャルムは、ハザードから、連邦とエル・シャンクが手を結んだ事を知らされる。ハザードとシャルムは衝突し、シャルムはハザードを「見苦しい顔」と罵る。ハザードの性格の醜さが顔に出てるという台詞は、同氏の以前の脚本2つにも出ており、連動している。

イルボラはシャルムに、ハザードの扱いが下手だと助言するが、シャルムは無視。一方ハザードは、見苦しい顔と言われたことを根に持ち、ワイングラスに映る顔を見つめる。ベルばらコンテと似る。 https://t.co/g9m4qfg1SD

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ベルばらコンテでは、オスカルは、ワインに映る自分を見つめて、秘めた想いについて問いかける。ここでのハザードも、ワインに映る自分への問いかけ。「この顔のどこが見苦しい」が笑うがw 所々で自己への問いかけとして鏡や、ものを反射する物が出てくる。

ハザードの腹心かつ忠臣であるドッグは、地球連邦とエル・シャンクの会談をキャッチする手筈を完了していた。ハザードは、今までのドッグの忠義を労う。(特徴:敵にも仲間愛)。イルボラが、ハザードはそろそろ用済み…と思っていることと併せると、ハザードの退場は近い。

地球連邦と、エル・シャンク(ロミナ・ジョウ・ローニン父子)の会談が始まるが、ここで特徴の、ランプのアップの間が出てくる。キャラとしてのランプが「見ている」。多数あるが一例として、今回・ベルばらコンテ・カイジ脚本。 https://t.co/U8TiXnNdXX

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連邦側は、補給などのサポートを精力的に行うが、エル・シャンクに、常に前線にいてほしいと提言。ジョウ達は、それじゃエル・シャンクは都合のいい弾よけじゃないか、と反発、会議は膠着状態に。この会議模様、ジョー2脚本の、葉子と関東テレビとの交渉とシンクロ。

ジョー2脚本での、葉子と関東テレビの交渉では、葉子が都合よくボクサーを使うとして、丈が激しく反発する。 今回は、ジョウが連邦の都合のいい提言に反発。カイジ脚本も、班長の都合のいい理屈にカイジが反発。 https://t.co/wgg1LPRPt2

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会議は一旦休憩に。ジョウは連邦に失望するが、ロミナは少しずつ話し合いを進める決意を固める。一方、ジョー2脚本では、廃車を壊れたボクサーに見立て、丈はボクサーをもてあそぶ葉子達に失望する。この2本を交互に見ると面白い。

ジョー2脚本の、葉子と関東テレビの交渉についての話の詳細はこちら: https://t.co/t7AeM41IIA

今回もジョー2も、無茶な戦いを強いる点では同じ。もっとも、ジョー2の場合、葉子には丈を思う気持ちが裏にあるが。

丈とジョウ、名前がほぼ同じなので、今回はじめ他の同氏脚本でも、ジョー2脚本ネタがちらほらある。思い入れが窺える。

一方ドッグからエル・シャンクの位置を聞いたイルボラは、攻撃準備に入る。同じく戦闘体勢に入るシャルムが、女性らしく爪を磨いている。カイジ(シリ構)の一条の爪磨きとシンクロwどちらも臨戦体勢なのは同じ。 https://t.co/gqnkiBDNa5

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エル・シャンクとジョウ達が離れているため、攻撃のチャンスと見たイルボラ達は、ジョウ達を襲撃。ジョウ達は車で逃げ、カーブにさしかかった所でジョウは車から飛び降り、飛影を召喚する。ところでカーブ減速時に飛び降りは、家なき子演出にもあった(列車だが)。

飛影と、イルボラの駆る零影は激しく戦い、エル・シャンク付近は、レニー・マイク・ダミアンが迎撃する。

一方、事の進行を見守るハザードには、策があった。ハザードは、連邦軍局長に、敵艦エクセレントのアキレス腱である動力源の場所を、あえて教える。

ハザードの進言通り、地球軍は敵艦エクセレントの動力炉を攻撃。慌てたシャルムは、イルボラ達に撤退命令を出す。イルボラもそれを受け撤退。ハザードの狙いは、連邦とザブーム、どちらにも取り入って、地球の全てを手中にする事だった。なかなか知略を使う(特徴)。

連邦の、エクセレント動力炉への攻撃成功に喜ぶジョウ達だが、それを指示したのがハザードと知り、警戒する。また、北アメリカが戦闘に巻き込まれたことは、連邦政府や北米市民に大きな衝撃を与えてしまった。ここまでで次回へ。

  • まとめ

飛影においての、高屋敷氏脚本回はここで終わり。物語も、残り回数が(打ちきりのため)、もう少ない。 この話では、散々、敵にも味方にもバカにされてきたハザードが悪知恵をフル回転させ、「まだまだへこたれんぞ」と高らかに笑う。敵ながら不屈(特徴)。

序盤のポーカーの、他作品とのシンクロも面白いし、都合よく人を使い捨てようとする者達に反発する主人公達、という図式が他作品(ジョー2・カイジ脚本)と被っていくのも面白い。爪磨き(シャルム・一条)の被りも奇跡的。

打ちきりが決定したから?なのかもしれないが、皇帝艦エクセレントが意外と内部からの攻撃に弱い。ここまでで、結構ダメージを食らっている。一方ハザードの悪知恵は敵ながら天晴れで、ザブーム軍すら知恵一つで手玉に取ったことになる。これはカイジにも繋がる知略。

この話は、知恵を使わなかった者が失策している。直情で動くシャルムは、ハザードの使い方を誤ったため、逆に手玉に取られた。 まんが世界昔ばなしにおける高屋敷氏脚本の「きつねのさいばん」も、直情的な狼より、狡猾な狐が天下を取る話になっている。

この、高屋敷氏脚本「きつねのさいばん」では、悪虐の限りを尽くした狐が、皆を知恵一つで丸め込み、ナイスガイで強い狼にも、姑息な手段で勝ち、天下を取る。カイジ構成・脚本においても1期ラストは、正義・悪関係なく、知恵が上回った方の勝ちになっている。

未視聴で録画積んでるが、火の鳥鳳凰編(同氏脚本(共著))の原作で、悪党である我王が自分より優れた彫刻を彫るわけがないと、茜丸がわめく場面がある。カイジでも、最終戦の土壇場において「こんな悪党より俺だ」とカイジはオカルトに頼ってしまった。

直情的な義憤が勝負の世界では通用しない…は、同氏シリ構のワンナウツでも描かれる。理想的なプロ野球選手である児島は、賭け野球に怒り渡久地に勝負を挑むが負ける。渡久地曰く「言うことはかっこいいけど勝負をなめてる」。渡久地は勝負こそが全ての男。

同氏脚本「きつねのさいばん」における、どんな悪者も知恵を働かせれば勝者になる、という非情な勝負の世界は、カイジでも表れているが、逆に負け組・弱者も知恵とチャンスを使えばどんな強者にも勝てる、という希望も見せている。

カイジ2期の脚本22話でも、諭吉の論のカイジの解釈として、「チャンスを生かせばバカでもクズでも勝者」とカイジが言う所を相当に強調している。どんなに許せない相手でも、一旦立ち止まり(または負けて)、相手に勝つために知恵を巡らせる主人公達が、同氏作品には多い。

同氏脚本「きつねのさいばん」、最後は「本当にこれでいいの?」というナレで終わる。直情的義憤では狡猾さに勝てないのが現実でも、悪役の知恵を上回る知恵を持つヒーローが現れるのを待っているかのようである。その代表格としてカイジも入っているのだろう。

 

 

━━━以降、最終回ネタバレ━━

打ちきりということで期待していなかったが、皇帝艦エクセレントは内部からの攻撃に弱く、そこをつきエクセレントも、たまたま側に来ていた皇帝アネックスもやられる。
なんと最後に残った敵はハザードだった。
だが、イルボラとジョウの決闘を邪魔したハザードに対し二人は怒り、ジョウによってハザードは倒された。
火星についての問題は、ローニンが解決してくれることになった。
そして、飛影・零影・エルシャンクの秘密動力炉が融合するとエルシャンクは黄金に輝き、エネルギー満タンでロミナの母星、ラドリオ星に行けるようになった。

アネックス亡き今、ラドリオの平和はジョウ達の活躍によりすぐ手に入るであろうことを示唆しながら、物語は終わる。

残り2話の総集編は、なんとハザード目線で進む。相当スタッフに愛されていたようだ。