カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんに興味を持って調べてみたら、膨大な量の担当作があることがわかりましたので、出来る限り同氏担当作を追跡しています。discordアカウントは、まきも#3872 です。

ミラクル☆ガールズ44話脚本:心をつなぐ贈り物

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

ミラクルガールズは、心を合わせると超能力が使える松永ともみ・みかげの双子姉妹の物語。
二代目監督はYAWARA監督の、ときたひろこ氏。(初代監督は安濃高志氏:元エースをねらえ!制作進行)。今回のコンテ演出はギャグの第一人者・大地丙太郎氏。

今回は、ローマに単身赴任しているパパが一時帰国してくる。だが、年頃の姉妹への配慮が足りず、姉妹を怒らせてしまう。冒頭、パパが姉妹を驚かそうと、お化けを演じる。これがコボちゃん脚本と重なる。どちらもパパがお化け役。

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パパのデリカシーの無さを、ともみはボーイフレンドの野田に愚痴る。ここで特徴の飯テロ(アイス)。また、チエちゃん奮戦記脚本で、チエが愚痴りながら、かき氷を食べる場面とシンクロ。

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ともみと野田は、パパと見知らぬ若い女性がカフェで談笑しているのを目撃。しかもパパが女性にネックレスを贈る(特徴:贈り物)のを見てしまう。これもコボちゃん脚本と被る。どちらも誤解を生むきっかけになっている。 

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ともみは、みかげにパパと若い女性のことを話す。二人は、これが切欠でパパとママが離婚してしまうのでは、と心配する。
その頃、パパは、その若い女性と飲んでいた。ここでビールテロ。コボちゃんカイジ2期脚本と比較。

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帰宅したパパに対し、姉妹は、一時帰国した目的について問い詰める。パパは、頼み事のため&ママに大事な話があるから、と答える。これが益々誤解を生む。
翌日、呑気なパパは朝食を作るが姉妹に無視されてしまう。再び飯テロ。コボちゃん脚本と比較。

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学校にて姉妹は、いよいよ両親が離婚するかも、と不安を募らせる。帰宅すると、パパからの手紙(特徴)とお土産(特徴)が置いてあった。手紙&贈り物ということで、カイジコボちゃん脚本と比較。どれも心がこもっている。 

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手紙の内容は、ローマに戻るから、仕事の打ち合わせのため帝都ホテルに泊まるというものだった。その事を伝えようとママの仕事先に電話すると、ママは帝都ホテルに出かけたと言われる。ホテルで離婚の話をするのかと不安になった二人は、帝都ホテルにテレポート。
ホテルにテレポートした二人は、パパやママ、愛人と疑っている女性の動向を探るため、テレパシーで会話する。これはガチテレパシーだが、アカギやカイジの脚本にて、まるでテレパシーで会話しているかのような場面があり、それと被る。

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パパ、ママ、愛人の修羅場が始まると勘違いした姉妹はあたふたし、みかげは幼児なみにガン泣きしてしまう(特徴:幼い)。ガチ幼児のコボちゃん脚本と比較。カイジなどもよく泣く。

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結局愛人どうこうは姉妹の誤解で、パパは同僚の女性と婚約者の仲人を頼まれただけだった。そしてママも事情を知っていた。ネックレスは婚約祝いだった。
これもコボちゃん脚本と被る。コボちゃん脚本でも、コボ父の部下の婚約を、コボの両親が祝う話がある。 

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誤解が解けて姉妹は安堵。ママに大事な話がある、というのも、パリへの異動の話があり、決まったらママを呼ぶつもりだった、という話だった。それも、事情が変わり無くなったのだった。ママは気持ちだけでも嬉しいと言い、パパにネクタイピンを贈る(特徴) 。

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プレゼントを渡すママを見て、姉妹は、今日がパパの誕生日だったことを思い出す。
翌日、姉妹は空港にパパを見送りに来て、1日遅れのプレゼントと手紙を渡す(特徴)。パパは喜び、再びローマへ旅立つ。 

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機内にて、パパは、姉妹の心がこもった手紙(特徴)を読む。パパを見送った姉妹は、学校へテレポートし、授業へと急ぐのだった。

心がこもった手紙は、高屋敷氏の作品で頻出するが、カイジ脚本と比較。カイジ脚本の方も、色々な意味で心がこもっているw

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  • まとめ

年代が近い(90年代初頭)せいか、コボちゃん脚本と被る。違うのは、主人公の性別と年齢だが、みかげが幼児なみのガン泣きをする所が、なんとも高屋敷氏らしい。この幼さが、ワンナウツカイジ脚本などで、大人にも適用されているのが毎度面白い。
あと、私的に爆笑したのは、姉妹のテレパシー会話と、アカギ・カイジにおける、テレパシーのような会話とのシンクロ。どちらも心が通じあっているからできる技w。
ルーツは、ジョー1脚本においての、段平と丈のアイコンタクト等からと思われる。
今回は、ともみのボーイフレンド・野田やパパが、年頃の乙女心がわからず戸惑う。
めぞん一刻脚本の五代や三鷹ど根性ガエル(新含む)演出・脚本のひろし等も、女心がわからず戸惑う。どれも「わかんねーな」と素直に言う所が共通。
高屋敷氏の脚本は、複数の平行エピソードをさばいて、最後にそれらを合流させる特徴がある。今作は姉妹がテレポートを使えるので、その特徴にはうってつけ。今回の演出コンテの大地氏も、監督作の「こどものおもちゃ」等を見るに、複雑なすれ違い表現がうまい。
大地氏は、マサルさんを監督するにあたり、Pの出崎哲氏と深く関わり、高屋敷氏は、ベルばらや、ど根性ガエルなどで、出崎哲氏と関わりが深い。高屋敷氏と大地氏の接点に出崎哲氏が出てくるのも面白い。
また、今作のメイン制作は亜細亜堂で、社長の岡村雅裕氏は、ど根性ガエルの制作進行だった。ど根性ガエルネットワークの広さが凄い。
大地氏と高屋敷氏の組み合わせは、これ一本きりなので、見れてよかった。キッズステーションに感謝。