カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

元祖天才バカボン10話B演出コンテ:人情を照らすランプ

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

脚本は山崎晴哉氏。冒頭から飯テロのケーキ(特徴)。
友達から、ケーキのおこぼれを貰う遊びをするバカボン
画像はケーキ集。今回、怪物くん脚本、家なき子演出、めぞん一刻脚本。ケーキだけに景気がいい、というダジャレはめぞん一刻にも出てきた。 

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あまりにバカボンが貧乏くさい役割の遊びなので、パパが紙飛行機を飛ばしてツッコミ。
紙飛行機も、同氏作品によく出てくる。画像は今回、エースをねらえ!演出、ジョー2脚本。 

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バカボンの友達は、父親のボーナスでケーキを買ってもらったという。
会社員ではないパパはボーナスとは何かわからず行動し、町の人達を混乱させる。その間、色々ダジャレが出てくる(特徴:ダジャレ好き)。ママの説明で、パパはボーナスの意味を漸く理解。

その後パパは、刈田という男から、ボーナスを預かってくれと頼まれる。ツケの支払いを迫る人達から逃げるためである。刈田とパパは逃げる事に成功。刈田はお礼に、パパに豪華な食事(特徴・飯テロ)を奢る。画像は今回とカイジコボちゃん・チエ2期脚本。 

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だが刈田がボーナスで支払いをしようとすると、パパは、ボーナスを守れと言われたから渡さない(特徴:頓知)と言いトンズラする。刈田はお代の代わりに身ぐるみはがされる(特徴:脱衣演出)。

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散々な目にあった刈田は、パパを見つけて追いかけまわす。

その頃本官は、山口百恵等身大パネル相手に結婚ごっこをしていた(特徴:物言わぬ像もキャラ)。そして、刈田とパパの追いかけっこを見た本官は、刈田をボーナス泥棒と勘違いし確保する。
画像は物言わぬ像達。今回、カイジ脚本、ルパン三世2演出。

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刈田に対する取り調べ中にも、山口百恵パネルの意味深なアップがあり、特徴が出ている。これは未来作の「脚本」でも出てくる特徴なのが毎回不思議。

さらに本官が「百恵ちゃんも微笑みかけてくれている」と言い、同氏の特徴を後押し。

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刈田は頭にきて百恵パネルに八つ当たりし、更に本官を怒らせてしまう。
そこへパパとバカボンが来て、ボーナスなら刈田の家に届けたと言う(特徴:義理人情)。かくして刈田は無罪放免となる。刈田の家族は、初めてボーナス全額を得て感謝する。

そこへ、ツケの支払いを求める人達が刈田宅にやってくる。パパは、刈田は死んだとホラを吹き、香典代をせしめる。パパは香典代を刈田に渡そうとするが、刈田は無欲(特徴)で金をパパに譲る。それを、温かなランプ(特徴)が見守る。

状況や感情に連動し、事象を「見ている」ランプは同氏演出・コンテ・脚本・監督すべてで頻出する特徴。挙げればキリがない。画像は今回、ど根性ガエル演出、ジョー2脚本。もちろん、アカギ・カイジ脚本にも出てくる。

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パパはせしめた香典で、家族に沢山のおでんをふるまう。香典→おでんのダジャレで〆。
皆で食事をすることは良いこと、というのも同氏特徴。画像は今回、新ど根性ガエルめぞん一刻脚本。めぞん一刻では、皆で食事をするのは楽しい、という直球台詞あり。 

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  • まとめ

まず冒頭の紙飛行機。エースをねらえ!演出の紙飛行機は、想いを伝えるキャラとして活躍しており、名シーンとなっている。ジョー2脚本の紙飛行機も、「沈黙を破るもの」という役割が与えられている。今回も、悪趣味な遊びを止める役割がある。

そしてランプ。人の温かさを表現することが多く、演出時代は、画像のように光の円が描かれることが多い。

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また、不吉な場合は光が灯っていなかったりする。緊迫した状況だと、アップになり、数秒の間がある。間に関しては、脚本の方が殺気がある。

同氏演出・脚本に頻出する像(今回はパネルだが)についても、この話では、物言わぬとはいえ、全てを見ていて、感情もあるキャラであると、直球で描かれている。
これがシリアスものだと、非常に殺気のある間を形成する。カイジ脚本然り。

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元祖天才バカボン家なき子は、山崎晴哉氏脚本・高屋敷氏演出の回が多く、相性はバッチリだと思う。双方とも人情話を得意としている?
山崎氏が鬼籍なのが悔やまれる。
高屋敷氏が脚本にまわる時、山崎氏の影響を受けることがあったかもしれない。

このように、今回の収穫は、紙飛行機・ものいわぬ像の役割・人情を照らすランプ、の特徴や意図が直球で出てきたこと。元祖天才バカボンはつくづく、同氏の作家性を深く探求できる貴重な作品であると思う。