カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんに興味を持って調べてみたら、膨大な量の担当作があることがわかりましたので、出来る限り同氏担当作を追跡しています。discordアカウントは、まきも#3872 です。

家なき子演出~カイジシリーズ構成・脚本など、高屋敷氏の扱うテーマについて

ツイートしてるうちに、高屋敷氏の扱うテーマについて気付いたことがあったのでまとめます。

 

忍者戦士飛影のレニー、ロミナ、ジョウの三角関係、高屋敷氏脚本においてはロミナ×ジョウ推しっぽい。(http://togetter.com/li/1008773)

ジョー2高屋敷氏脚本では、葉子×丈推しで、のりちゃんの振られようが毎回ひどい。最終回担当だからかもだが、それでも本命はボクシングとかグローブとか、「喋らないが魂のあるもの」に取れるし、最終的に葉子も振られてるという始末。

 

アカギでもイーピン、ワンナウツでも「勝負」と、魂はあるが喋らぬもの達がキーキャラクターになっている。特にワンナウツは、高屋敷氏的構成においては、渡久地の本命はいつでも「勝負」にあるように思える。

 

高屋敷氏的構成についての、カイジの「喋らぬ」キーキャラクターは1期が「前へ進む」の「前」、2期が「勝つ」なのかもしれない。1期は確かに船・足・決意が「前」へ進み、最後も車が前へ進んでいく。オリ台詞(モノローグ)「死んだ皆のためにも…前だ!」然り。

 

「前へ進め」は高屋敷氏演出多数(最終回含む)の家なき子でも強く押されていたテーマ。カイジ2期は、前述の通り、確かに「勝つってことは」(13話)、「俺は勝つ!!」(25話)が相当に強調されていたから、やはり2期テーマは「真の“勝ち“とは」か。 

カイジ1期20話、確認した。オリ台詞(モノローグ)は「死んだ皆のためにも前だ…!もっと前へ行くんだ!」。そして、映像も台詞の強みも相当なクライマックス描写が続く。カイジ1期の高屋敷氏的キーファクターは、やはり「前に進む」?

 

そういえば、序盤1話も「もう引き返せない」というモノローグが相当強調されていた。エスポワールでも、前へ進まないと何も始まらない状況下。カイジの初勝利の相手はバランス派の男で、彼は「止まってる」状態。高屋敷氏演出多数の家なき子では、「男はいつか一人で生きていくもの。誰にも頼らず生きてこそ一人前だ。“前へ進め”だ!」が主軸テーマであり師匠(ビタリス)の教え。レミもカイジも「前」に進むには過酷な道のり。

 

そう思うと、家なき子演出においての「男はいつか一人で生きていくもの。誰にも頼らず生きてこそ一人前」から、カイジシリ構の1期「祈ってしまった。頼るものなどいないと…」→2期「神頼みなんかじゃなく」へのつながりが見える。

 

カイジ1期最終回、確認した。「頼るものなどいないと骨身にしみて知っていたはずなのに」(俯いて泣く)→顔を上げて前を見据える、でラストシーンへつながる。

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 家なき子演出においての「前へ進め」、と「誰にも頼らず」、がカイジのシリ構にも生きていたことを再認識した。