カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんに興味を持って調べてみたら、膨大な量の担当作があることがわかりましたので、出来る限り同氏担当作を追跡しています。discordアカウントは、まきも#3872 です。

火の鳥鳳凰編 脚本(金春氏との共著):人の業を見守る月

高屋敷・金春氏脚本の、火の鳥鳳凰編を見た。共著ということで詳しい特集は見送るが、多分4つくらいのパートに分けて、担当パートを決めて書いているのかな?と感じた。
収穫はなんといってもこれ。
腕を切られた我王と、耳を切ったカイジ(高屋敷氏脚本)の対比。

f:id:makimogpfb:20170728000631j:image
他もシンクロや特徴多数だった。

やはり、「魂をもつ物」がクローズアップされていて、鳳凰像に火の鳥が憑依して火事を起こし、茜丸に罰を与える場面に高屋敷氏の特徴が出ている。

ラストも月の意味深アップで、月が人の業を見ている。そこに高屋敷氏の特徴を感じた(特徴:月は重要キャラ)

f:id:makimogpfb:20170806162533j:image

「物に魂が宿り、人に罰を与える」については、高屋敷氏演出の元祖天才バカボンにて、ノコギリがパパに罰を与える話がある。その話では、ノコギリがパパの足を切っている。

火の鳥鳳凰編では、茜丸も我王も腕を切られるあたり、共通項を感じる。

彫刻の実力で我王に負けた茜丸が、「我王は悪党だ」と主張して勝敗をひっくりかえす場面は、カイジ(脚本・シリ構)の、対兵藤戦にてカイジが「勝つならこんな悪党よりオレだ」とオカルトに頼ってしまった場面に通じる。

ちなみに我王も兵藤も鼻が醜い。 

結果として我王は残っていた右腕を切られ両腕を失い、茜丸火の鳥に身を焼かれる。

一方カイジは耳を切り、指を切られる。
我王は今までの罪が巡りめぐって腕を、茜丸は闇落ちの罰として命を、カイジは失策によって指を失っている。

もともと火の鳥カイジも「人の業」について着目していて、高屋敷氏がこれらの原作の脚本を書く上で、注目した箇所が共通しているのだろう。

それにしても、火の鳥鳳凰編のラストが「全てを見守る月のアップ」なのがなんとも高屋敷氏の特徴が出ていた。