カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

めぞん一刻82話脚本:原作を踏襲しつつ表現される、高屋敷氏独自の「愛」

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

めぞん一刻は、アパート一刻館の管理人で未亡人・響子と、一刻館住人である青年・五代のラブストーリー。

前回まで:
保育士を目指す五代は、バイト先のキャバレーで子守係をしている。そんな折、ホステス・かすみが子供達を五代に預け何処かへ消えてしまい…

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五代は、かすみの子供達・太郎と花子を連れ、とりあえず一刻館に帰る。
響子と対面した太郎は、響子にキャラメルをくれる。同氏特徴の、心のこもった贈り物。ジョー2脚本でも、サチ子が葉子を気遣い、カイロをくれる。

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五代から事情を聞いた響子は、子供達を歓迎し、母親が見つかるまで一刻館で保護する事を許可する。同氏特徴の疑似家族愛。画像は今回・ど根性ガエル演出(ひろしの夢想)・家なき子演出。家なき子では、血の繋がらないマチヤをレミの兄弟として迎え入れようとする。

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夜更け、月や物の意味深なアップが入る(特徴:自然や物をキャラとして捉える)。家なき子演出・元祖天才バカボン演出コンテと比較。
元祖天才バカボンでは、月が震えたり、気分を悪くして落ちたりする。監督作の忍者マン一平では、月や太陽に顔があったりして明確。

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太郎と花子の面倒をみる響子と五代は、いい雰囲気に。五代を父・響子を母とした、疑似家族愛を前回脚本(81話)に引き続き前面に押し出している。カイジのシリーズ構成でも同氏は、カイジとおっちゃんの疑似父子愛を前面に押し出している。

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とりあえず五代がバイトに行っている間、響子・一ノ瀬・五代の祖母(上京中)が太郎や花子の面倒を見る。洗濯をする響子は、子供用の靴下を見つめ、今回のトラブルは「五代さんらしい」と呟く。同氏特徴の、キャラとしての「物」のアップ。カイジ脚本と比較。 

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太郎と花子の母・かすみの行方を探す五代は、客とデキる度にかすみが駆け落ちを繰り返すという情報を、他のホステスから得る。ホステスの存在感が原作より強い(特徴:優秀モブ)。更にバイト先の先輩(飯岡)が、かすみのアパートの場所を教えてくれる。
この先輩も、存在感が強め。

一方、五代のライバル・三鷹は、見合い相手の明日菜とは別の人(響子)と結婚したいと、父母に打ち明けていた。三鷹の両親は、それをあっさり受けとめる。ここのやりとりも、三鷹が原作より幼い(特徴)。三鷹響子の結婚を望む響子の母は、三鷹と結託し、両家の会食を計画する。

五代の方は、かすみのアパートを訪ねる。覗き魔と勘違いされた五代は、かすみからシャワーをかけられ濡れ鼠になり、半裸に(特徴:脱衣演出)。
かすみは子供達の父になってくれる男を探し回っており、今度の彼氏は有望なので1週間時間をくれと、五代に懇願する。

かすみは、必ず一週間で戻ると言い残し逃げる。五代は半裸のままかすみを追いかけ、散々な目に。チエ2期脚本でも、テツが半裸で走り回る回あり。とにかく同氏作品は、脱ぐ機会が多く、大抵はアイデンティティの如何を問うことが多い。別室カイジの全裸描写然り。

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五代達は、かすみが帰るまで、そのまま子供達を預かることにする。
一方響子の母は、三鷹親子が来る事を伏せて響子を食事に誘い、響子は承諾する。それを響子の母から聞いた三鷹は愛犬と共に大喜び(特徴:幼い)。エースをねらえ!演出と比較。 

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太郎と銭湯に出かけた五代は、帰り道にて太郎と語り合う。かすみは一週間で帰ってくると、お星様と約束したから寂しくない、と太郎は無邪気に言う。「お星様と約束」を強調し、星をキャラとして捉えるのが同氏特徴。元祖天才バカボン演出コンテと比較。 

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かすみと子供達の間に、ちゃんと絆がある事を確認できた五代は安堵するも、その「お星様」が流れ星となり落ちてしまう。五代は更なる波乱を予感するのだった。ここでも、星をキャラとして捉える同氏特徴が出ている。元祖天才バカボン演出コンテでも、星が悲鳴をあげて落ちる。 

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  • まとめ

前回81話脚本に引き続き、疑似家族愛が前面に出ている。また、響子の母性も引き出されている。この「母性」を描くことも同氏特徴の一つ。「母性」は年齢性別問わず表され、カイジの脚本・シリーズ構成においてもカイジに「母性」がある事が表現されている。

カイジの持つ「母性」の強調は、例として挙げれば2期5話脚本、カイジが石田息子をビンタする場面。ど根性ガエル演出にて、ひろし母がひろしをビンタする場面や、ベルばらコンテにて、ジャンヌ母がジャンヌをビンタする場面と通じるものがある(母の厳しい愛)。

また、家なき子演出においては、レミの育ての母や実母が、血の繋がりを越えた愛を示している。
一方で、カイジとおっちゃんのような疑似父子愛の側面も、今回表れている。
ところで五代の声=カイジにおける、おっちゃんの声(二又一成氏)なので、色々面白い。

今回、花子がおもらしし、響子と五代が面倒をみるが、カイジでは、失禁したおっちゃんの面倒をカイジがみる。声優の二又氏の立場が逆になっていて笑った。
疑似父子愛については、ジョー1・2脚本における、段平と丈の関係がルーツと思われる。

高屋敷氏の本作最終シリーズ構成において、恋愛というより疑似家族愛が強調されていると以前書いたが、今回もそれが色濃くなっている。
あと、愛する家族(夫)と死別し独りとなった響子が、再び家族を得るという、ぼっち救済ポリシー(同氏特徴)も見受けられる。

じゃりん子チエ脚本で見せたような「原作通りでありながら個性を出す」技が、本作でも段々顔を出している。ジョー2脚本はオリジナル部分が多く、同氏の出したいテーマは明確だったが、本作やチエのように、原作の話に隠れた同氏のテーマを探るのも面白い。

めぞん一刻81話脚本:前面に押し出される擬似家族愛

(Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

めぞん一刻は、高橋留美子先生原作のラブストーリー。アパート・一刻館の管理人で未亡人・響子と、一刻館住人の青年・五代の恋を描く。
下記ブログに他の回の記事あり

#めぞん一刻 カテゴリーの記事一覧 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

前回まで:

五代の就職活動は大苦戦。その最中、保育園のバイトなどを経て、子守の才能に目覚める。五代はその才能を生かし、保育士になる夢を追うことになる。ただ、保育園のバイトは仕方のない事情のため辞めざるを得なくなり、もう一方のバイト先のキャバレーで子守係をすることに。

響子は、夢を追い頑張る五代のため、色々あったが弁当を作ってくれる(以前も作った)。
というわけで、のっけから特徴の飯テロ&心のこもった贈り物。画像は心のこもった食べ物集。今回、ど根性ガエル演出、家なき子演出。

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バイト先のキャバレーにて、五代は呼び込み係&ホステスの子供達の子守係を頑張る。

そこへ、用事で上京して来た五代の祖母・ゆかり婆ちゃんと、一刻館住人が遊びに来る。五代はゆかり婆ちゃんに、保育士になる決意を語り(特徴:男の意志)、婆ちゃんは背中を押す。

保育士になる決意を語る場面とはいえ、五代のモジモジ動作は幼く可愛い(特徴)。
画像はモジモジ集。今回、エースをねらえ演出、カイジ脚本。 

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婆ちゃんは気前よく遊び、そんな婆ちゃんを見て、バイト先の先輩は、婆ちゃんを大切にしろと言う(特徴:お年寄りに優しい)。

場面は転じて朝、五代の恋のライバルで金持ちイケメン・三鷹響子を、テニスクラブへ行くため迎えに来る(三鷹は、響子の通うテニスクラブのコーチ)。

三鷹と五代は、響子を巡って火花を散らすが、原作より対決描写が男臭い(特徴)。同氏は同作品最終シリーズのシリーズ構成も務めており、要所要所で原作と異なる、男の世界を展開している。カイジ(シリ構)の、一条とカイジの対決と被る。 

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三鷹響子の母に気に入られていることや、自分の経済的な安定さを自慢するが、五代は響子の気持ちは未だ決していないと反発する。三鷹はそれでも、五代が響子と結ばれるには駆け落ちしか無いとバカにする。

カイジにおいて、一条がカイジをチンピラ扱いするのと被る。

テニスクラブにて、三鷹は新規会員を紹介される。新規会員は、三鷹の見合い相手・九条明日菜だった。三鷹は以前、明日菜に、結婚の断りを入れたのだが、それは親族には伝わっておらず、破談に到らなかった。明日菜は不屈の精神(特徴)で入会して来たのであった。

三鷹は、明日菜を紹介した叔父に、今度こそ縁談を破談にしたいと伝え、九条邸を訪問すると告げる。
一方五代はバイト先で子守を頑張っていた。特にホステス・かすみの子供達になつかれていた(特徴:疑似家族)。五代や子供の描写が可愛く幼い(特徴)。

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ど根性ガエル同氏演出回にて、梅さんが新しい父となる…とひろしが夢想する話がある。

今回はかすみが、五代が子供達のパパならいいのに、と言う。画像は今回と、ど根性ガエル演出。どちらも疑似家族愛を前面に出している。

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その頃三鷹は、九条邸を訪ねていた。そこには三鷹の両親も来ており、明日菜の両親と歓談していた。この状況では、三鷹は破談の話を切り出せない。全ては三鷹の叔父の策略であった(特徴:知略)。

明日菜が三鷹を追ってテニスクラブに入会したことは、一刻館住人である四谷や一ノ瀬を通じ、五代の耳にも入る。

五代はこの状況を考え、複雑な気分に。
翌朝五代は、改めて響子に、保育士試験を受けると宣言(特徴:前へ進む意志)。
響子はそれを応援。

場面は転じ、五代のバイト先のキャバレーのネオンが灯される。同氏の大きな特徴である、意思を持つランプ演出。カイジ2期脚本と比較。どちらも波乱の幕開けを告げる。

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五代は、かすみからこっそり手紙を渡される。勤務時間が終わったら読んで欲しいと頼まれ、五代は戸惑う。

ど根性ガエル演出でも、梅さんと、ひろしの母がデキていると誤解される話があり、それと被る。親愛で手をつなぐのも特徴。 

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かすみの手紙は、子供達を頼む、というものだった。どうやら客とデキて逃げたらしい。子供は五代を「パパ」と呼ぶ。ここで次回へ。

特徴の疑似家族。カイジ2期脚本でも、おっちゃん・カイジの疑似父子愛が前面に出ている。思いを込めた手紙も頻出。

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  • まとめ

本作においての高屋敷氏の構成は、五代・三鷹響子のターンが交互に描写されることが多い。これは、じゃりん子チエ脚本にて、複雑に絡み合うエピをさばいた経験が生かされている。
演出時代からの特徴である、ランプ演出や幼いキャラ描写も発揮されている。

以前のブログ記事にも書いたのだが、本作の脚本・最終シリーズ構成にて、高屋敷氏は原作と少し異なる、「男の世界・男の成長」を押し出している。五代が原作より幼く見えるのは、最終的に五代が大人の男に成長するための布石と思われ、それは高屋敷氏の得意分野。

また、原作と少し異なり、一刻館の住人などを含めた疑似家族愛を前面に出している。今回の、かすみ・彼女の子供達・五代の織り成す疑似家族も、同氏の特徴が大きく出ている。
これらを見るに、ラブストーリーというよりファミリードラマの側面が強い。

演出も脚本も、同氏作品は、血が繋がっていなくても温かい絆で結ばれている描写が強く出ている。代表的なものとしては、家なき子演出の、レミとビタリスの疑似父子関係がある。
カイジとおっちゃんの関係や、前述の、梅さんとひろしの関係も近いものがある。

じゃりん子チエ脚本で培った、「原作通りでありながら自分の出したいテーマを前面に出す」技(チエ監督の高畑勲氏が得意とする)は、本作でも如何なく発揮されている。一方で原作クラッシャーである出崎統氏(同氏の師匠)の特徴も少し受け継いでいる。

こういった、出崎系と高畑系のハイブリッドな所は、高屋敷氏の個性であり魅力の一つ。
じゃりん子チエ、めぞん一刻カイジなど、原作力の強いアニメ作品で、自分の個性やテーマを出す事は相当に難易度が高い事が、長らく見ていくと分かる。

そういった難易度が高い中、今回は、同氏の長年のポリシーである疑似家族愛に強いスポットが当たっている。
疑似家族愛と、男の成長は、高屋敷氏が構成する本作最終シリーズの柱となる…というのを多いに感じさせる回だった。

元祖天才バカボン3話A演出コンテ:試練に打ち勝ち、己を保て

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同氏演出の初出。脚本は吉田喜昭氏。
掃除の為に出しておいた古新聞を、新しい新聞と勘違いしたパパは、今日がエイプリルフールと思い込む。同氏特徴の紙ネタ。
新聞をよく見ると「アニメーター急募」「お粗末な子供番組」などネタが書いてある。 

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エイプリルフールと勘違いしたままのパパは、腕が取れるトリックを使いママ達を騙す(人形の手を使った)。うまく騙すトリックやイカサマは同氏特徴。カイジ脚本では、ガチで耳や指が欠損してしまうが。元祖天才バカボンの他の同氏演出回でも欠損ネタあり。

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騙されたままのバカボン達は医者を呼ぶ。3年ぶりの患者のため、医者は内心大喜び。同氏作品には医者が多く出てくるが、この医者も味がある。

医者の眉・髭・髪が怖いと駄々をこねるパパの為に、医者はそれらを全部剃る(特徴:アイデンティティ消失の危機)。

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ここで、パパはネタばらし。更にパパは、医者の顔に落書きする。

ここで鏡が出て来るが、真実を映すキャラとして、同氏作品で鏡はよく登場する。画像は今回と、ど根性ガエル演出、めぞん一刻脚本。

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激怒した医者はパパを追いかけるが、結局捕まえられず病院へ帰る。だが人相の変わった医者を、看護婦は別人と思い込んで叩き出す。医者は、「ワシはワシだからワシなんだ」と事情を話し、看護婦は納得。これも同氏特徴の、アイデンティティの消失からの自己認識。

夜、パパはママから説教を食らうが、まだまだ今日がエイプリルフールと勘違いしているパパは反省せず、騙された方が悪いと開き直る(特徴:善悪問わず知略に長けた者が勝つ)。その後煙草を買いに外へ出たパパは、トラックにはね飛ばされる。

はね飛ばされたパパが落下したのは、パパが騙した医者がいる病院だった。ガチに怪我したパパを手術できると、医者は喜ぶ。また、医者から今日がエイプリルフールでないことを教えられる。パパはガチで怖い思いをするのだった。

ここで、出崎兄弟がよく使う穴ごし構図が出てくる。影響下にある高屋敷氏の演出でもよく出る。怪現象だが脚本でもよく出てくる。画像は今回、忍者マン一平(監督)、カイジ脚本。他も多数、脚本でも不思議だが多数。

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  • まとめ

同氏演出の初出回だが、最初から特徴がよく出ている。医者は、アイデンティティを形成するものである眉・髭・髪を失うが、医者である自分を見失わない。「ワシはワシだからワシなんだ」は、結構深いかもしれない。

また、腕が取れるトリックについてだが、手足も別個の魂を持つキャラと捉える高屋敷氏の姿勢が出ているのかもしれない。DAYS脚本でも、「足を別個の生命体と考えろ」という直球台詞がある。元祖天才バカボン中盤演出回でも、手が喋る回あり。

パパのイカサマやトリックで泣きを見るゲストキャラは多い。諦めずに立ち向かう者もいれば、泣きを見たままの者もいる。また、今回のように、天がパパに罰を与える回もある。今回の場合は、自分を見失わなかった医者に対する、天のご褒美かもしれない。

髪などを失いアイデンティティ消失の危機に陥る話は、同氏の作品に多い。チエちゃん奮戦記脚本では、テツが丸坊主になる話があり、忍者マン一平(監督)では、一平が忍術発動と引き替えに髪を全て失う。アカギ脚本では血を失い、カイジ脚本では耳・指を失う。

アカギ(血)にしてもカイジ(耳と指)にしても、今回の医者と同じく、自己を形成するものを失うわけだが、アカギもカイジも最終的に自分を見失わない。カイジにも「オレだ、オレなんだ」や「信じるべきはオレの力」等、自分を強く認識する台詞がある。

そういった、自己を見失わない強い意志を持つ者には、今回のように、天が味方してくれることがある。カイジでも、「天」という台詞が強調されている。思えば、船井に騙された時のカイジは、船井に流され、自分を見失った状態だった。

一方、服や耳を失っても強固な自己意志を持つ覚醒カイジには、天が力を貸す。
今回も、天からパパが降ってきて、医者はパパに復讐することができた。
今回は、試練に打ち勝ち自己を保つ事が大事という同氏ポリシーを、シンプルながらも感じる回だった。

元祖天才バカボン23話B演出コンテ:感情を持つ月や太陽の舞台裏

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冒頭、特徴の開幕太陽アップ・間。レレレおじさんが空想するパリの街なので、ベルばらコンテと特に被る。

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美術監督の水谷氏は、ベルばらの美監でもあるから、更にシンクロ。今回もベルばらコンテも、躍りが可愛い(特徴) 。

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レレレおじさんの空想は、バカボンが来たため中断される。

だが本編のフランスっぽさは抜けず、バカボンは、貧しいバイオリン弾き(と相棒の猫)に出会う。ところで高屋敷氏演出の家なき子も、レミ達は貧しい大道芸人だったので、何やらシンクロ気味。

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バイオリン弾きは、ご飯を何日も食べてないと言う。同情したバカボンはお使い代300円のうち100円をあげる(特徴:義理人情)。だがバイオリン弾きは変装をしてはバカボンの前に現れ(特徴:脱衣演出)、バカボンは結局300円払う羽目に。

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騙されたこと(特徴:イカサマ)に気が付いたバカボンは泣き、そこへパパが来る。事情を聞いたパパは、金よりもバイオリンを欲し、バイオリン弾きからバイオリンを強奪する。
パパのバイオリンは下手で、怪音波を発する。画像は怪音波に苦しむ人達。今回、忍者マン一平監督、カイジシリーズ構成。

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あちこちでパパがバイオリンを弾く度に、人々は苦しむ。空地に出たパパは、そこでもバイオリンを弾き始めるが、それを聞いた月が震え、吐き気を催して落ちる。特徴の、月や太陽のキャラ化。監督作の忍者マン一平(下段)では、表情がつき、更に演出意図が明確になっている。

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パパは、聞く人がいないとつまらない、とクラシックコンサートに乱入。怪音波のせいで、指揮者のカツラが取れる。特徴の脱衣演出(アイデンティティの着脱)。パパは、本官のいる交番でもバイオリンを弾き、取り調べ中の泥棒を苦しめて真実を吐かせる。 

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パパを心配したママ達は、パパを探す。パパは空地で星にバイオリンを聞かせていた。パパは以前、流れ星にお願い事をしたが叶えてくれなかったので、星をこらしめていると言う。その願いとは、太陽と月の衝突。ちなみに監督作の忍者マン一平では、その願いは実現している。

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パパのバイオリンを聞いた星は「オエー」と言い落ちる(特徴:自然や物のキャラ化)。
パパが「嘘つきにはバイオリンでゲゲゲのゲなのだ」と言って〆。
画像は今回と、監督作の忍者マン一平。どちらも、天体をキャラとして数え感情を持たせている。

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  • まとめ

なんといっても、月や太陽、星が感情を持っているという高屋敷氏ポリシーが前面に出ている。シリアスものの脚本や演出において、太陽や月に不気味な間が発生する特徴の種明かし。監督作の忍者マン一平では、顔がついていて更にわかりやすい。

もともとシリアスものに出てくる太陽や月の不気味な間について私は興味を持っていたのだが、ルーツを辿って行くと、こういった子供向けギャグに解答が出ている。
更にルーツを辿れば、デビューまわりのジョー1脚本(無記名)に行き着く。

今回のように、元祖天才バカボンで太陽や月などの天体が喋るのは稀で、同氏のこだわりが感じられる。
また、中盤に出る脚本作で更に色濃く出てくるが、今回のバイオリン弾きのように、人の善意につけこむ詐欺に対する怒りのようなものも感じられる。

パパのバイオリン怪音波は大迷惑だが、嘘つきをこらしめる役割も持たされている。大体の同氏作品にて、太陽や月やランプは出来事を全て見ている不気味さがあり、時に天罰も下す。今回は、バイオリンという「物」が嘘つきから真実を吐かせている。

自然や物が感情を持ち、時に罰を下すコンセプトは、アカギやカイジでも生かされている。アカギもカイジも牌やカードといった「物」を使って運命を決し、魂を持つかのような描写が強い。思えばジョー2脚本についてもグローブに魂がこもっている。

ジョー2最終回脚本では、丈と別れたグローブがくったりして死んでいくかのような描かれ方をしており、相当に強い描写。アカギの一筒牌、カイジ1期最終回の、兵藤の当たり籤なども魂がこもっており、物語の骨子とも言える役割が与えられている。

物や自然に重要な役割を与える同氏の特徴を踏まえた上で、作品を見ていくと面白い。特にシリーズ構成作品は、シリーズ全体を通して活躍する「物いわぬ物」(例:アカギの一筒牌)の存在が見えて興味深い。今回はその舞台裏が見れた貴重な回だった。

元祖天才バカボン21話A演出コンテ:アイデンティティ喪失の危機を乗り越える

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

本官さんの誕生日の話。
本官は、ケーキを持ちながら町中で自分の誕生日をアピールするが、誰からも祝って貰えず一人落ち込む。それを偶然見たバカボン達は、本官の誕生日を祝う。同氏特徴のぼっち救済。カイジ2期脚本と比較。
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更に、バカボン宅で本官の誕生日会を開くことに(特徴:義理人情)。
だが、ママから一つ条件が出される。条件とは、この日を境に発砲をやめて優しいお巡りさんになること。これは、同氏作品によく出るアイデンティティを保てるかどうかの試練と取れる。

話を聞いたパパは、銃を撃たない本官など価値が無い、と反対。どうにか本官を怒らせて銃を抜かす計画を立てる。そして夕刻となり、全てを見ているかのような夕陽のアップ・間が出る(特徴)。画像は今回とベルばらコンテ、家なき子演出、ジョー2脚本。 

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バカボン宅に着いた本官は、本官を怒らせようとするパパから、数々のトラップや挑発を受ける。それになんとか耐え、本官は、パーティーの席に着く。特徴の飯テロ出現。画像は今回と、ど根性ガエル演出、カイジ2期脚本。 

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それでもなお、パパのトラップと挑発は続く(特徴:知略)。なんとか耐えた本官は、今度こそ皆から誕生日を祝ってもらう。家なき子演出の誕生会場面と比較。

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皆から誕生日を祝ってもらい、本官は感際まって泣く。
下記画像は義理人情に触れ感際まって泣くシリーズ。今回、ど根性ガエル演出、家なき子演出、カイジ2期脚本。
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だが喜びも束の間、パパのトラップによりケーキは爆発。ついに堪忍袋の緒が切れた本官は銃を乱射し、パパを追いかけまわす。パパは喜び、追いかけっこの末に二人は交番にて酒を酌み交わす(特徴:男の友情)。アカギ・ルパン3期脚本と比較。

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二人が酒を酌み交わすのをコッソリ見守ったママは、本官の帽子を、そっと交番に置く。特徴の、アイデンティティを表すもののアップ。画像は、今回と家なき子演出。

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ママは、「きれいな星空」と夜空を見上げる。星の一つがパパの顔となって「これでいいのだ」と〆る。特徴の、自然や天のキャラ化。監督作の忍者マン一平と比較。忍者マン一平でも太陽や月に表情がつく。つかない場合も、魂があるかのような間が発生する。
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  • まとめ

脚本は吉田喜昭氏。この組み合わせも多い。吉田氏が鬼籍なのが悔やまれる。吉田氏との組み合わせでは、可愛い話が多め。
今回も、特徴であるぼっち救済が序盤から炸裂。「一人じゃないよ」精神。画像は今回と、ど根性ガエル演出、カイジ2期脚本。

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そしてもう一つは、アイデンティティを保てるかどうかの試練。パパによれば、銃を撃たない本官なんて、この番組に出る意味が無い、というほどの、本官のアイデンティティの危機。ママは悟り、本官のアイデンティティを示す帽子を、優しく交番に置く。

アイデンティティを保てるかどうかの試練は、裸や脱衣といった形で描かれることが多い。チエちゃん奮戦記脚本でもテツが脱衣や着替えをしてアイデンティティを問われるし、カイジ脚本の、別室での全裸描写も然り。ど根性ガエル演出でも銭湯戦闘がある。

銃を撃たない本官=アイデンティティの喪失であると本能的に察知したパパは結果的に本官を救う。これは男同士だから理解しあえる所もあり、ラストでパパと本官は酒を酌み交わす。また、男同士の世界に、あえて立ち入らないママの配慮も光る。

アイデンティティを失うというのは、場合によっては生きる意味を失うほどの危機。ギャグとはいえ、本官にとっては作品内での存在を問われるほどの危機でもあった。そういった試練を裸一貫から乗り越えるキャラも、同氏作品には多い(カイジ含む)。

同氏作品は、今回含め、アイデンティティ喪失の危機をどう乗り越えるかを問う展開が多い。ジョー2最終回脚本では、試合後にグローブを脱ぐことが非常に印象的に描写される。この時ボクサーとしての丈は終わり、新しい丈となる。(→そして旅立つ)

ジョー2最終回脚本の、丈のグローブはボクサーとしての丈のアイデンティティ。それを「脱ぐ」ことは「あしたのジョー」という作品世界から丈が去ることを意味する。
今回の、銃を撃たない本官も、本官が作品から消える危機だった。

このように、キャラのアイデンティティを失うという事は、とても重い。その試練を課すことも、とても重い。思えば、カイジ1期の人間競馬で、他人を落とすか否かの選択を迫られたカイジが、他人を落とさない選択をした回の脚本も高屋敷氏である。

他人を落とさない決断をしたカイジは、自分のアイデンティティ(優しさ)を保った。
もし非情な決断をすれば、それはカイジではなくなるくらいの危機だったと言える。
そのくらいアイデンティティを保つというのは重い、というのに気付く回だった。

元祖天才バカボン19話B演出コンテ:知略を上回る知略でリベンジを

(Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

脚本は山崎晴哉氏。
パパの大学時代の後輩、七百太郎がハワイからやってきた。パパに貸した700円を返してもらうためである。
パラシュート降下する場面がやけに凝っている。同氏演出コンテ、まんが世界昔ばなしの「ジャックと豆の木」(下段)に似ている。

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今回は原画に川尻善昭氏がクレジットされている。高屋敷氏演出コンテ「ジャックと豆の木」は川尻善昭氏の一人原画。もしかして先のパラシュート降下場面は川尻善昭氏が描いたかもしれない?いずれにせよ高屋敷氏のコンテ癖が2作とも反映されているのは確か。

パパから700円返してもらえるかどうか自信が無い七百は、居合わせた大工さんに、パパとの会話の予行演習をお願いする。
七百が話しかける前、大工さんは、逆立ちをして自分の作品を見て自画自賛していた。同氏特徴の、あらゆる視点から物事を見る姿勢。監督作忍者マン一平にも、何でも逆さまにする忍者が出てくる。

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ちなみに七百の予行演習は、大工さんの癖のせいで、七百がトンカチで殴られてばかりの結果に終わる。
だが七百は、太陽を背に決意を新たにする。キャラとしての太陽が、背中を押す特徴が出ている。ゲン2脚本と比較。

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七百と対面したパパは、700円借りたことを忘れたと言う。そこから七百の回想に入り、二人とも青春時代に思いを馳せ、ハグして(特徴)踊る(特徴:幼い)。ちなみに借金の理由は(将来の)ママとのデート代。

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パパは逆に、七百がシャックリ病で死に直面した時、ショック療法(偶然だが)で治してやったことを蒸し返し、恩を着せる。
この回想で、七百が最期の晩餐としてラーメンを食べている。特徴の、飯テロかつ食=精神の安定。画像は今回とチエ2期・ジョー2脚本。

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パパは、命の恩人から金を取るのか、と七百を言いくるめる。言い返せず、七百は退散する。落ち込む七百だが、飛行機を見て(特徴:無機物もキャラ)、ハワイでの母との誓いを思い出す。ジョー2脚本のハワイと色々被り、ここでも太陽が誓いを見届けるキャラとなっている。

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奮起した七百は、再度パパを訪ねる。だが今度のパパは、金をばらまいた部屋に七百を通し、わざと席を外す。七百は誘惑に負け金を拾うが、パパは金の配置を記録した地図を持っており、金を拾ったことはすぐにバレる。特徴の知略。あと地図も頻出。

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さらにパパは、もう一部屋、金をばらまいた部屋に七百を通し、本官も動員してのトラップをしかける(特徴:知略)。結局、七百は拾った金を返す。
ところで畳のローアングルが奇跡的にカイジ2期脚本と似ている。カイジ2期は川尻善昭氏コンテが多いせいかも。

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パパは、今度は集金に来た果物屋を利用し、更に700円を七百からガメる。
知略で金を引き出して行く展開と、レジのイメージがワンナウツ脚本と被っていく。

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失意の七百はハワイに帰るが、全ては七百とまた遊びたい故の、パパの悪知恵だったオチ。 

  • まとめ

パパの、知略を使った意地悪が相当酷い話だが、善悪問わず、知略を使った者が勝者…という話は、同氏作品によく出てくる。顕著なのが、まんが世界昔ばなしの脚本「きつねのさいばん」で、悪虐非道だが知略に長けた狐が天下を取る話を書いている。

「きつねのさいばん」脚本ではラストに「本当にこれでいいの?」というナレが入り、今回もラストにパパが「これでいいの…か?」と言う。つまり大義名分を通し勝ちたいなら、相手を上回る知略を使えということ。これはカイジやアカギ脚本に通じていく。

今回のパパのように、相手が可哀想になるくらい意地悪な知略を使い勝つのが、アカギやワンナウツ(ともに脚本・シリーズ構成)、一旦意地悪な知略に泣かされるも諦めず、相手を上回る知略を閃くのがカイジ(脚本・シリーズ構成)とも取れる。

善悪を問わず知略に長けた者が勝者…は、忍者戦士飛影の脚本にも出ており、悪徳長官ハザードが悪知恵を巡らせ実質勝つ話がある。
こういった特徴は、勝つ、ということが全てであるギャンブルものであるカイジやアカギなどに存分に生きている。

今回にしろ「狐の裁判」脚本にしろ、「これでいいの?」という問いかけがあり、善側が悪側を上回る知略を持ってリベンジをするよう促している。
カイジ2期テーマの一つは「勝つ」こと。知略で立ち向かうカイジは、待たれたヒーローの姿かもしれない。

元祖天才バカボン16話A演出コンテ:童心の大切さ

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

冒頭、バカボンとパパが鼠小僧ごっこをしているのだが、動きや絵面が幼い(特徴)。これは脚本でも出る特徴で、大人も子供も「幼さ」が強調される。

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パパとバカボンがドタバタするので勉強できない天才児・はじめちゃんは外に出る。外に出た所で、はじめちゃんは近隣のター坊の母に会い、彼女からター坊の家庭教師を依頼される。はじめちゃんは早速ター坊の勉強を見ることにするが、これまたター坊は幼く(特徴)、バカのレベル。

ここで、問題文に楽屋ネタ。「こういちくん(原画:槌田幸一氏?)とひでおくん(高屋敷英夫氏)は7lのお水を30分で飲むことにしましたが、とても水では2lぐらいしか飲めません。そこで2人は…」とある。楽屋ネタは演出でも脚本でも、よく出てくる。 

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その後もター坊は勉強する気が全く無く、はじめちゃんを呆れさせる。あと、ター坊はよく歌う(特徴)。ところで脚本は城山昇氏なのだが、城山氏の脚本だと、奇行を行うキャラがよく出てくる。

様々な奇行をするター坊に、流石のはじめちゃんも匙を投げて帰る。

そうは言っても、謝礼はちゃんと出て、はじめちゃんは、ター坊の母からケーキを貰う(特徴:飯テロ)。他作品でもケーキはよく出るが、家庭教師ということで、めぞん一刻脚本で出たケーキと比較。めぞん一刻も、勉強を教えた事への謝礼。

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ケーキを見たパパは、家庭教師をすれば、いい物を貰えると思い込み、ター坊宅に家庭教師をしに行く。だが、ター坊のペースに巻き込まれ、結局一緒に遊ぶことに。ここでパパとター坊が踊るのだが、幼い(特徴)。家なき子演出でもよく踊っていた気がする。

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二人は、紐でつないだ相手をぶん回す「飛行機ごっこ」をやる。特徴である、出崎哲氏ゆずりの回転演出。画像は今回と、ど根性ガエル演出(コンテは出崎哲氏)、じゃりん子チエ脚本。脚本でもよく出てくるのが怪。

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だが勢いあまって、パパはツボの中に落下してしまう。ここがまさにツボで、他作品によくある、「まるで1キャラクターのような無機物のアップ」という特徴の種明かし。まるで人が入っているような存在感があるということ。脚本でもこれが発揮される。

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パパは結局、ター坊の父に、ツボに入ったことを叱られ、外に投げ飛ばされる。という訳で、パパは何も貰えなかった。
画像は先に述べた、存在感のある無機物たち。挙げればキリがないが、めぞん一刻脚本と比較。

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ところで、ター坊と大違いで真面目だと評判のター坊の父は、実は会社ではター坊そっくりで幼く遊び好きだった。同じく遊び好きの社長と一緒になって、飛行機ごっこをする。
幼く可愛いおっさんが出るのも特徴。画像は今回とワンナウツ脚本。

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その頃パパも、飛行機ごっこをバカボンやはじめちゃんとやっていた。結局パパは、ター坊に新しい遊びを教えてもらった形になったのだった。遊ぶ3人が可愛い(特徴)。

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  • まとめ

今回の肝は「童心」と「魂のある無機物」。
あと、教育や親子関係についても考えさせられる。ター坊の母は決して教育ママではなく、お調子者で明るいター坊の性格は尊重している。

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 また、実はター坊そっくりな、ター坊の父についても考えさせられる。

親が子供の人格を否定すると、互いに不幸になる。それを考えると、ター坊母子の関係は、ある程度うまく行っている。バカには変わりないが…。また、ター坊の父と、その上司は、童心に帰って遊ぶことで、ストレスを解消している。これも心理的に大切。

思えば同氏シリーズ構成・脚本のアカギでも、アカギは童心を持っている(特に札束を平坦な顔で見つめる場面)。博打はある程度バカにならなきゃできないし、童心に近い純粋な心も必要になってくる。これはカイジも同じ。カイジは純粋さを逆手に取り、勝ちを得たりしている。

同氏の作品に年齢問わず「幼さ・可愛さ」が出てくる理由は謎ではあるが、それにより、シリーズ物だと緩急がつく効果がある。特にエースをねらえ・家なき子演出だと、演出ローテ相手の竹内啓雄氏と極端な違いが出てくる。どうやら班も違うっぽい?

ともかく今回は、同氏の特徴である可愛さ・幼さ・童心の大切さ、が剥き出しになっている話とも言える。色々見てきたが、城山昇氏の脚本は、監督や演出の本質を捉えるのが上手い。それもあり、同氏の意向を探る上で重要な回だった。