カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんに興味を持って調べてみたら、膨大な量の担当作があることがわかりましたので、出来る限り同氏担当作を追跡しています。discordアカウントは、まきも#3872 です。

チエちゃん奮戦記20~21話脚本:食べ物が象徴する、義理人情の温かさ

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくならないのですが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます。)

  • 20話

冒頭、いつものごとくテツがおバァはんにどつかれているのだが、あんまどつきすぎると(テツの)頭のゼンマイがきれるで、とチエが言う場面のイメージが、同氏演出の元祖バカボンとシンクロ。どちらもバカを通り越して超発想の頭だからか?

pic.twitter.com/4KqltHf1qh

posted at 20:24:26

そんなチエ家のもとに、速達が届く。宛先に「竹本テツ先生」と書いてある奇妙なもので、内容はヤクザの組開きパーティーにテツを招待するものだった。というわけで、同氏作によく出る紙がまた出た。画像は手紙シリーズ。今回・チエ1期・カイジ脚本、家なき子演出。 pic.twitter.com/Qr8D5eP7mQ

posted at 20:30:33

普段ヤクザをどついているテツは、ヤクザと聞いて喜び回転するが、同氏が敬愛しているらしき、出崎哲氏の回転演出ぽい。高屋敷氏の監督作や演出作でもよく出るほか、脚本作でも何故か怪現象?でよく出る。画像は今回、忍者マン一平監督、チエ1期脚本。カイジでもカードや賽子が回転する。 pic.twitter.com/pe0CznHogK

posted at 20:37:04

招待状について、チエは拳骨に相談。拳骨は、これは何かの手違いで、担当者は慌てているのでは?と推察。推察は大当たりで、招待状を送ったヤクザが、百合根の店に相談に来ていた。相談料代わりの、お好み焼き10枚が、DAYS脚本の11本の煙草とシンクロ。 pic.twitter.com/cCPD6jXdbI

posted at 20:44:46

いつものごとくお好み焼きが美味しそう(特徴・飯テロ)。

また、DAYS脚本も今回も、食べ物やタバコのアップに意味がある。さらに、状況を表す、火のアップ。これも同氏特徴で頻出。下記画像はコボちゃん脚本との比較。 pic.twitter.com/7J5GZ1bBfX

posted at 20:51:43

百合根はヤクザの相談に乗る。そのヤクザは新米で、手違い・勘違いで招待状を送ってしまったのだった。新米ヤクザは田舎から大阪に就職しに来たが、どの仕事もブラックで辞め、ついにはヤクザになってしまったという。時代先取りなブラック労働による精神疾患がまた出た。 pic.twitter.com/XWcWGeFNss

posted at 21:00:26

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今回のミスで組長を怒らせた新米ヤクザは、テツと刺し違えて来いと放り出されてしまったのだった。話を聞いた百合根は対策を考えると共に、何故面識が無いのにこの店がわかったのか聞く。すると新米ヤクザは、組に出回っているテツの相関図を渡す(特徴・紙ネタ) 。pic.twitter.com/zXlS5YbDG6

posted at 21:07:35

新米ヤクザのくれた、組で出回っているテツ相関図を、チエ・拳骨・おバァはんも見る。これも特徴の、破壊力のある文による紙ネタ。画像は同氏特徴の紙ネタ集。今回、ど根性ガエル演出、チエ1期脚本、元祖バカボン演出、カイジ脚本。 pic.twitter.com/XxHUSIXhJi

posted at 21:13:39

テツ相関図の人物紹介プロフィール文は、小鉄の名調子ナレで読み上げられる(特徴)。人物紹介映像→止め絵→プロフィール読み上げ、の演出が、シリ構・脚本の「二舎六房の七人」(戦後少年院の話)と重なる。止め絵演出が、師匠かつ長年仕事した出崎統氏的でもある。

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posted at 21:25:44

相関図のプロフィール文に怒るおバァはんだが、チエはマサルに普段言われているから慣れっこだと言う。チエ1期同氏脚本に、マサルが、「遺伝は怖い」という内容の手紙をチエに送りつける話があり、その時の演出法も今回と重なる。演出も1期演出陣の佐藤博暉氏。

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posted at 21:34:16

一方、新米ヤクザを救う方法を百合根は考えつく(特徴・義理人情)。その方法は、テツに金を払い、テツ+相関図に載っている人達と一緒に記念写真を撮ること。写真を組に送れば、びびって新米ヤクザに手は出さないだろうという算段。仲間が集まるのも同氏特徴。

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posted at 21:44:03

新米ヤクザは足を洗い、郷里に帰ることにする。見送りに来た百合根は、写真を現像したら、組に送っておくと言い、フィルムを見せる。これも同氏特徴の、想いを込めたものを持つ、手のアップ。画像は今回とジョー2脚本。今回は百合根の義理人情が格好いい。

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posted at 21:49:26

新米ヤクザは百合根に感謝し、落ち着いたら手紙を書くと言うが、百合根は「ええねん」と返す。

百合根に感謝しつつホームに向かう新米ヤクザは、ヨシエを偶然見かけ、ヨシエのプロフィール文を思い出し、慌てて逃げ出すのだった。ヨシエのプロフィール文でend。 pic.twitter.com/Maaee1wt9y

posted at 21:56:41

  • 21話

前回のあらすじのまとめが上手く、名調子(特徴)。同氏は、カイジ破戒録1話でも、1期の内容をアバンでまとめてしまうほどのまとめ上手。これは、「がんばれタブチくん」で他の人達が書いた脚本を劇場版用に構成するなどの経験が生きてそう。
posted at 22:04:06

冒頭、組開きパーティーでウケる服が欲しいテツが、ミツルや百合根に服を貸せとねだる。結局、百合根の羽織を借りることに(特徴・脱衣演出)。元祖バカボン同氏演出に、本官さんの制服を着たパパが散々な目に合う話があり、それを彷彿とさせる。 pic.twitter.com/5lhSJqx2cm
posted at 22:10:53

更にテツは、カルメラ兄弟もパーティーに付き合えと強要。一方ヨシエは、前回出た、自分を含めたテツ相関図を読み上げる。読み手のヨシエに合わせ、登場人物の過去映像が次々出され、プチ総集編ぽい(特徴・総集編が上手い)。これも1期の同氏脚本と同じノリ。 pic.twitter.com/TzoAdsVZdH

posted at 22:18:53

ヨシエはテツを心配するが、チエはヤクザ組を心配する。その頃、ヤクザ組は、チエの店に行ってチエ達を人質にとり、テツを大人しくさせようという作戦を立て、チエの店に向かっていた。状況を表す月が出る(特徴・自然もキャラ)。赤い月がヤクザの不幸を予言。

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posted at 22:24:15

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一方、客が来ないのを憂いていたチエは、やって来たヤクザ組を団体客として不気味な笑顔で歓迎。ヤクザ組はビビりつつ、ナイフでチエを脅そうとするが、料理途中だったヨシエが出刃包丁を持って出てきたので逆に怖がる。刃物が語るようなアップが同氏特徴。画像は今回とカイジ脚本。 pic.twitter.com/Pix3oHTJWK

posted at 22:32:01

ビビりながらホルモンを食べるヤクザ組のもとへ、百合根、拳骨、おバァはんが偶然にも来る。ヤクザ組はまたも、この面子のプロフィール文を思い出し怖がる。何となく事情を察した百合根達は店を閉めきりにする。ヤクザ組は恐ろしい思いをして退散するのだった。

posted at 22:38:24

その頃テツはカルメラ兄弟を伴って、もぬけの殻の宴会会場から鯛や酒などを持ち出し、売りさばいていた。そして大量の酒についてはチエの店で売ることに。酒を運ぶ途中、テツはヤクザ組と鉢合わせする。テツに怒鳴りつけられたヤクザ組は逃げ出す。こうして、また一つ組が消えた。
posted at 22:50:09

後日、テツは酒をちまちま売りながら利益を実感し喜ぶ。テツは算盤が上手いという設定は、1期からの継承。テツは、ケチって酒を水でうすめようとした所をチエに見つかり、下駄でKOされる。同氏脚本参加ジョー2のKO場面ぽい。同氏特徴の無機物アップでend pic.twitter.com/fEaFriWLMH
posted at 22:56:53

  • まとめ

とにかく同氏の真骨頂は、20話の、百合根と新米ヤクザの義理人情話。「ええねん」と恩を売らない百合根が渋い。また、ブラック労働の不幸も時代先取りで興味深い。カイジの帝愛もブラック。同氏演出・脚本とも、過労などによる精神疾患がよく出る。
posted at 23:05:20

百合根のお人好しぶりについては、ヤクザ組の書いたプロフィール文にも「アホなアホなお人好し」と書いてある。この「アホなお人好し」のフレーズは、話の中で何回も強調され、同氏が百合根の優しさを前面に出したい意図が見て取れる。
posted at 23:15:37

思えばカイジも「アホなアホなお人好し」であり、それがアニメでも強調されている。こういった、無償の愛や博愛については、まんが世界昔ばなしの「幸福の王子」演出はじめ、同氏作品によく出てきて、メインテーマの一つになっている。
posted at 23:21:10

あと1期の継承として、テツに関わるとヤクザ組が壊滅する・ヨシエは誰からも恐れられている、が使われていて、スタッフ全体が1期をよく把握しているのが感じ取れる。関西でしか放映されなかったにしては、正当な続編として機能している。
posted at 23:27:22

お好み焼き屋=コミュニケーションの場、といえば、ど根性ガエルの同氏演出においても、梅さんの寿司屋が、よくその役割を果たしていた。両者ともにお人好し。そういった温かさが、寿司・お好み焼きが美味しそうに見える一因かもしれない。
posted at 23:37:14

同氏特徴の、物や食べ物、月や太陽のアップにしても、一つ一つ意味があり、キャラクターとしての役割がある。それらがテーマを強調するため機能しており、何故出てくるか理由がある。今回は、お好み焼き、フィルム、紙、文字が活躍した回だった。
posted at 23:45:19

ちなみに、お好み焼きは余程チエで気に入ったのか、コボちゃん脚本でも、お好み焼きが出る。こちらも、義理人情と家族愛を象徴して出てくる。やはり食べ物は重要な役割を担っており、そのメッセージ性の高さから、見ている側も食べたくなるのだろう。 pic.twitter.com/FJ7fRkqNiZ
posted at 23:52:00

チエちゃん奮戦記16~17話脚本:インチキオカルトに対する怒り再燃。そして「文字」というキャラが持つ威力

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15~17話の3部作。

  • 15話概要:

インチキ厄除屋が、おジィはんに判子を10万で売り付ける。その後、厄除屋はテツに捕まり、10万はテツの手に。 テツは厄除け商売を、ジュニアのノイローゼに悩む百合根に仕掛けようとするが、そこには酒乱モードの百合根がいた。

  • 16話

酒乱モードの百合根は厄除屋とテツを、ジュニアのノイローゼが治るまで帰さないと息巻き、家に閉じ込め厄除けさせていた。だがインチキなので効果はなく、二日も経過。百合根の回転瓶攻撃と、ワンナウツ(シリ構・脚本)渡久地のバット回転攻撃がシンクロ。https://t.co/wvGcBhG2Mz

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本当はジュニアのノイローゼは治っていたが、ジュニアは治っていないフリをして面白がっていた。

百合根はジュニアが治らないと言って怒り、厄除師の教祖を連れて来いとテツに命令、テツをパン一にし(特徴:脱衣演出)、 連れて来るまで服を返さないと凄む。

f:id:makimogpfb:20161014150035j:image服を返さないのと逆で、元祖バカボン同氏演出では、自分の服を取り返すまで家に帰ってくるなと、パパがママに放り出される場面がある。

どちらもアイデンティティーの喪失による危機。テツの場合、この事が更に状況の悪化を招くこととなる。

一方、テツ達が百合根の家に居ることを、なんとかチエに説明した小鉄は、チエと共に百合根宅に向かう。途中、パン一のテツを見かけるが、なんとか他人のふり。

チエが百合根宅に着くと、泣き上戸になった百合根が、店名が悪いからジュニアが治らない、とチエに泣きついてきた。泣く百合根が幼い(特徴)。

百合根は、店名を変えたいから暖簾屋に新店名を発注してくれと、チエに紙(特徴)を渡す。これも同氏特徴で、紙や字がキャラとして相当の殺気を放つよう構成されている。店名はこの話のオチで判明する。

百合根の迫力に押され、チエは暖簾屋に暖簾を発注しに行く。

https://t.co/b5QqkMTal6

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一方小鉄は、ジュニアのノイローゼが治っていることに気づき呆れる。それをよそに、ジュニアはイタズラ心でノイローゼのフリを続ける。一方テツはミツルの派出所で、二日間ろくに寝てないからと、布団を被り寝ていた。

毎度だが高屋敷氏脚本回は、テツとミツルの仲が微笑ましい(特徴)。https://t.co/zPh6v8hn52

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その頃チエは、おバァはんを伴い百合根家に向かう。厄除屋から判子代10万を取り返すためである。

だが、酒乱モードの百合根の迫力に押され、チエ達は厄除屋の祈祷に付き合わされる。同氏ルパン脚本にもインチキ教祖が出るが、その信徒の場面とシンクロ気味。

https://t.co/e9cQqKtjLP

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見かねた小鉄はチエに、ジュニアは既に治っていると告げ口。チエの一喝で、百合根はジュニアが治っている事に気付く。

百合根は厄除よりチエの方が効果がある、と厄除屋をボコる。その隙に、チエ達はテツのズボンのポケットから、おジィはんが騙し取られた10万を見つける。

おバァはんとチエは、金を取り戻したから、もう用は無いと、百合根達の修羅場をよそに立ち去る。その後小鉄はナレで「ドライな女性陣」と嘆く(特徴:ナレは重要キャラ)。

その夜、テツは厄除屋の本拠地の前に、シーツをまとった姿で立っていた。その姿を月が見ているような間がある(特徴:月=重要キャラ)。  

https://t.co/Ex4tGEFS7u

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その日を境に、テツは帰らず。

チエは、おジィはんの詐欺被害やジュニアの病が解決したことでスッキリして、テツがいないことに気付かなかった。

ヨシエは、そんなチエをたしなめるが、家庭の崩壊より妻って夫が大事なのかしら、とヨシエに聞こえるように呟き、毒舌。

その後、暖簾屋が暖簾を届けに来る。百合根が苦手だから、チエから暖簾を渡して欲しいと頼みに来たのだった。暖簾を見ながら、チエは「センス悪い」と呟く。

その頃、素面に戻った百合根は、カルメラ兄弟が開業するラーメン屋の店名のセンスが悪いと指摘していた。

カルメラのラーメン屋の店名(仮)はカルメラ亭。

百合根の「かたぎや」、カルメラの「カルメラ亭」、どちらも元がカタギでない事をばらしてると、3人は口論に。

そこにチエが暖簾を届けに来る。案の定、百合根は覚えていないが、チエは強烈なセンスだと暖簾を酷評する。

百合根が暖簾屋に発注した店名は「ヨシ江ちゃん」。酔っていた時の百合根の談によれば、不幸に強い名前らしい。恐れ多い名だと言いカルメラは逃げ、百合根は顔面蒼白。これも同氏特徴、物や文字が強烈なキャラであることの表れ。DAYS脚本も背番号のアップの間に迫力がある。 

https://t.co/mWuxO9xWuT

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ここで17話に続くのだが、同氏バカボン演出、ルパン脚本、そして今回と、インチキオカルト屋が出てくる。元祖バカボンは拝金坊主、ルパンは泥棒教団、今回はインチキ厄除け屋。どれもインチキオカルトに対する、同氏の怒りのようなものが窺える。  https://t.co/6dNu6DPPCx

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  • 17話

姿をくらましたテツは、厄除け屋を乗っ取り金儲けに精を出していた。この厄除屋の文字の迫力と存在感も、いかにもな同氏特徴。物や自然がキャラなのは同氏特徴だが、その中でも文字は格別に存在感のあるキャラなのかもしれない。画像は今回、カイジ脚本、ジョー1脚本疑惑。

https://t.co/Jy3FLTdrgY

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厄除屋本店がやっていたインチキ商法は、まず部下が客の話を聞き、その会話を教祖が盗聴。その後教祖が現れ、客の悩みを言い当てまくるというもの。なにやらカイジっぽいイカサマ。また、ルパン同氏脚本のインチキ教団もギミックやトリックを使う。

https://t.co/53R7htJewx

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それもこれも、百合根がテツのアイデンティティーである服を剥ぎ取ったことから、ややこしいことになっているのである。 元祖バカボン同氏演出でも、パパがオカルトにハマり、頭を丸めて坊主の格好になってしまっている。(特徴:脱衣演出) https://t.co/Oif0ZnhxM4

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テツが昼寝してる間、店名の事で悩むカルメラ兄弟が厄除け屋の前を通りかかる。すると店から客が出てきて、めっちゃ当たると言って去っていく。この人、騙されやすい所がカイジの石田さんぽい。画像は今回とカイジ脚本。二人とも悩みは借金。

https://t.co/TNpWxLSRp2

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先客に影響されたカルメラ兄弟は入店。

イカサマにひっかかったカルメラは、店名が不吉だと、教祖から指摘を受ける。

この時教祖は、「炎が見抜く」のだと言う(特徴)。歴代同氏作品で、炎が特別なキャラであることは確か。画像は今回、ベルばらコンテ、カイジ脚本。他も多数 https://t.co/bmjwNlYv6W

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教祖は新しい店名を思い付く限り書けと、カルメラに促す。カルメラは知り合い達の名前を書く。それを教祖は短冊状に切ってばらまき、うち一つをキャッチする。引き当てた店名は「ヨシ江ちゃん」。それが幸運の店名ということになる。

ところで紙ビリビリシリーズまた増えた。今回、エースをねらえ演出、チエ1期脚本・カイジシリ構。https://t.co/X1bON480Du

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昼寝から目覚めたテツは、教祖が捨てた紙に書いてある家族や知人の名前に気付き、事の顛末を知る。カルメラの店名が自分の妻の名になる状況にテツは慌て、教祖とその部下をどつく。高速ビンタが後に本家一歩のデンプシーに、奇跡的につながる。画像は今回、ルパン・一歩3脚本。https://t.co/gDd33bjmeB

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一方百合根は、カルメラ兄弟が「ヨシ江ちゃん」の暖簾を引き取ったので喜んでいたが、チエやおバァはんは、ヨシエが本気で怒ったら恐ろしい事を知っているので憂鬱に。ヨシエが怒ると最強なのは、一期最終回の継承。

小鉄とジュニアは状況を打破すべく奔走することに。

小鉄達がカルメラの店に行くと、カルメラは暖簾を出せずにいた。覗きに来た厄除屋部下は、暖簾がまだ未完成だと勘違いし、テツに報告しに行く。それを聞いたテツは対策を考え始める。全てを見た小鉄達は、それをチエ達に知らせるべく動く。ところで出崎4パン出た。

https://t.co/0UvZ6KnV9W

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小鉄達に導かれ、チエ、おバァはん、百合根は厄除け屋に行く。様子をこっそり窺ったチエはテツの企みを知り、返り討ちにする作戦を立てるべく帰る。

そのため、チエは百合根、おバァはんの他に拳骨とヨシエを呼び、カルメラの店のラーメンを食べに行こうと言い出す。

その頃、開店日だというのに、カルメラの店には一人も客が来ていなかった。「本日開店」の張り紙に異様な間を取ることで殺気が出ている(特徴)。大体が、アップで2~3秒あたりの間。これで、物や文字に殺気が出てくる。これは2016年のDAYS脚本でも健在。

https://t.co/NgkuJBZHaY

ヤケクソになったカルメラは、ついに暖簾をかける。そこへチエ一行がやってくる。戸惑うヨシエも、おバァに導かれ入る。閑古鳥の店に皆が来る展開は、同氏ど根性ガエルにもある。 画像は今回と、ど根性ガエル演出。https://t.co/s5oba2gtIe

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一方、テツは厄除け屋達を伴い、カルメラの店へ向かう。カルメラが名前を変えるのに抵抗したら店に突撃する算段だった。

だが、暖簾が既にかかっており、店から拳骨とヨシエが顔を出したため、テツは驚く。

その拍子にテツは教祖の持っていた木槌に偶然当たり卒倒。

厄除け屋はこれにびびって夜逃げの準備に行く。かくしてチエのテツ返り討ち作戦は成功した。これも、チエが中々の知略を使っている(特徴)。また、紆余曲折あったが、仲間の店が開店する日に、皆が駆けつけてくれる義理人情話でもある(特徴)。

  • まとめ

同氏作品によく出る、インチキオカルト撃退話である。カイジの兵藤会長の「神になる」「王である」も、インチキやイカサマをうまく利用したオカルト的な所がある。画像は今回、元祖バカボン演出、ルパン三世2期・カイジ脚本。歴代インチキオカルト師https://t.co/KJ0sWxiNbM

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そして、紙や文字の持つ力が、ことさらに強調された回だった。「ヨシ江ちゃん」の字面、厄除け屋やカルメラの店の張り紙など。なにしろ監督作の忍者マン一平でも、古本が妖怪化した者が出るほど 。相当に紙や文字にこだわってる。

https://t.co/QlcCH7yADI

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1期のころから、ジュニアの季節性ノイローゼは、生きてる実感(面白さなど)を感じると治る。精神疾患には笑いが効く、とはよく言われるが、これも先見の明。1期でも同氏は、ジュニアのノイローゼがテツへのイタズラ成功で治る脚本を書いている。

あとは、あらゆる作品で出る「脱衣演出」。今回、テツは服を取られたらアイデンティティーを保てず、インチキ厄除師になってしまった。ただし、妻に弱かったり、力が強かったり、がめつい所など、根っこは変わってない。そこはテツの強さかもしれない。

そして1期からチエ脚本全部に言えることだが、とにかく平行エピソードの多さとその合流地点の設置が緻密で見事。1期の高畑勲監督は頭がよく、その類の計算力が高そう。そういったコンセプトは2期でも生きていて、まさに脚本家の虎の穴と感じる作品。

ついでに、元祖バカボン同氏演出回の、イカサマ拝金坊主についての話は下記。比較すると面白い。

togetter.com