カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

チエちゃん奮戦記20~21話脚本:食べ物が象徴する、義理人情の温かさ

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくならないのですが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます。)

  • 20話

冒頭、いつものごとくテツがおバァはんにどつかれているのだが、あんまどつきすぎると(テツの)頭のゼンマイがきれるで、とチエが言う場面のイメージが、同氏演出の元祖バカボンとシンクロ。どちらもバカを通り越して超発想の頭だからか?

pic.twitter.com/4KqltHf1qh

posted at 20:24:26

そんなチエ家のもとに、速達が届く。宛先に「竹本テツ先生」と書いてある奇妙なもので、内容はヤクザの組開きパーティーにテツを招待するものだった。というわけで、同氏作によく出る紙がまた出た。画像は手紙シリーズ。今回・チエ1期・カイジ脚本、家なき子演出。 pic.twitter.com/Qr8D5eP7mQ

posted at 20:30:33

普段ヤクザをどついているテツは、ヤクザと聞いて喜び回転するが、同氏が敬愛しているらしき、出崎哲氏の回転演出ぽい。高屋敷氏の監督作や演出作でもよく出るほか、脚本作でも何故か怪現象?でよく出る。画像は今回、忍者マン一平監督、チエ1期脚本。カイジでもカードや賽子が回転する。 pic.twitter.com/pe0CznHogK

posted at 20:37:04

招待状について、チエは拳骨に相談。拳骨は、これは何かの手違いで、担当者は慌てているのでは?と推察。推察は大当たりで、招待状を送ったヤクザが、百合根の店に相談に来ていた。相談料代わりの、お好み焼き10枚が、DAYS脚本の11本の煙草とシンクロ。 pic.twitter.com/cCPD6jXdbI

posted at 20:44:46

いつものごとくお好み焼きが美味しそう(特徴・飯テロ)。

また、DAYS脚本も今回も、食べ物やタバコのアップに意味がある。さらに、状況を表す、火のアップ。これも同氏特徴で頻出。下記画像はコボちゃん脚本との比較。 pic.twitter.com/7J5GZ1bBfX

posted at 20:51:43

百合根はヤクザの相談に乗る。そのヤクザは新米で、手違い・勘違いで招待状を送ってしまったのだった。新米ヤクザは田舎から大阪に就職しに来たが、どの仕事もブラックで辞め、ついにはヤクザになってしまったという。時代先取りなブラック労働による精神疾患がまた出た。 pic.twitter.com/XWcWGeFNss

posted at 21:00:26

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今回のミスで組長を怒らせた新米ヤクザは、テツと刺し違えて来いと放り出されてしまったのだった。話を聞いた百合根は対策を考えると共に、何故面識が無いのにこの店がわかったのか聞く。すると新米ヤクザは、組に出回っているテツの相関図を渡す(特徴・紙ネタ) 。pic.twitter.com/zXlS5YbDG6

posted at 21:07:35

新米ヤクザのくれた、組で出回っているテツ相関図を、チエ・拳骨・おバァはんも見る。これも特徴の、破壊力のある文による紙ネタ。画像は同氏特徴の紙ネタ集。今回、ど根性ガエル演出、チエ1期脚本、元祖バカボン演出、カイジ脚本。 pic.twitter.com/XxHUSIXhJi

posted at 21:13:39

テツ相関図の人物紹介プロフィール文は、小鉄の名調子ナレで読み上げられる(特徴)。人物紹介映像→止め絵→プロフィール読み上げ、の演出が、シリ構・脚本の「二舎六房の七人」(戦後少年院の話)と重なる。止め絵演出が、師匠かつ長年仕事した出崎統氏的でもある。

pic.twitter.com/HVrrX3bh34
posted at 21:25:44

相関図のプロフィール文に怒るおバァはんだが、チエはマサルに普段言われているから慣れっこだと言う。チエ1期同氏脚本に、マサルが、「遺伝は怖い」という内容の手紙をチエに送りつける話があり、その時の演出法も今回と重なる。演出も1期演出陣の佐藤博暉氏。

 pic.twitter.com/vhSCXsaI3v

posted at 21:34:16

一方、新米ヤクザを救う方法を百合根は考えつく(特徴・義理人情)。その方法は、テツに金を払い、テツ+相関図に載っている人達と一緒に記念写真を撮ること。写真を組に送れば、びびって新米ヤクザに手は出さないだろうという算段。仲間が集まるのも同氏特徴。

 pic.twitter.com/sfpVr4wHhH

posted at 21:44:03

新米ヤクザは足を洗い、郷里に帰ることにする。見送りに来た百合根は、写真を現像したら、組に送っておくと言い、フィルムを見せる。これも同氏特徴の、想いを込めたものを持つ、手のアップ。画像は今回とジョー2脚本。今回は百合根の義理人情が格好いい。

pic.twitter.com/l67OZoZ616

posted at 21:49:26

新米ヤクザは百合根に感謝し、落ち着いたら手紙を書くと言うが、百合根は「ええねん」と返す。

百合根に感謝しつつホームに向かう新米ヤクザは、ヨシエを偶然見かけ、ヨシエのプロフィール文を思い出し、慌てて逃げ出すのだった。ヨシエのプロフィール文でend。 pic.twitter.com/Maaee1wt9y

posted at 21:56:41

  • 21話

前回のあらすじのまとめが上手く、名調子(特徴)。同氏は、カイジ破戒録1話でも、1期の内容をアバンでまとめてしまうほどのまとめ上手。これは、「がんばれタブチくん」で他の人達が書いた脚本を劇場版用に構成するなどの経験が生きてそう。
posted at 22:04:06

冒頭、組開きパーティーでウケる服が欲しいテツが、ミツルや百合根に服を貸せとねだる。結局、百合根の羽織を借りることに(特徴・脱衣演出)。元祖バカボン同氏演出に、本官さんの制服を着たパパが散々な目に合う話があり、それを彷彿とさせる。 pic.twitter.com/5lhSJqx2cm
posted at 22:10:53

更にテツは、カルメラ兄弟もパーティーに付き合えと強要。一方ヨシエは、前回出た、自分を含めたテツ相関図を読み上げる。読み手のヨシエに合わせ、登場人物の過去映像が次々出され、プチ総集編ぽい(特徴・総集編が上手い)。これも1期の同氏脚本と同じノリ。 pic.twitter.com/TzoAdsVZdH

posted at 22:18:53

ヨシエはテツを心配するが、チエはヤクザ組を心配する。その頃、ヤクザ組は、チエの店に行ってチエ達を人質にとり、テツを大人しくさせようという作戦を立て、チエの店に向かっていた。状況を表す月が出る(特徴・自然もキャラ)。赤い月がヤクザの不幸を予言。

pic.twitter.com/VoHanL3oD6

posted at 22:24:15

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一方、客が来ないのを憂いていたチエは、やって来たヤクザ組を団体客として不気味な笑顔で歓迎。ヤクザ組はビビりつつ、ナイフでチエを脅そうとするが、料理途中だったヨシエが出刃包丁を持って出てきたので逆に怖がる。刃物が語るようなアップが同氏特徴。画像は今回とカイジ脚本。 pic.twitter.com/Pix3oHTJWK

posted at 22:32:01

ビビりながらホルモンを食べるヤクザ組のもとへ、百合根、拳骨、おバァはんが偶然にも来る。ヤクザ組はまたも、この面子のプロフィール文を思い出し怖がる。何となく事情を察した百合根達は店を閉めきりにする。ヤクザ組は恐ろしい思いをして退散するのだった。

posted at 22:38:24

その頃テツはカルメラ兄弟を伴って、もぬけの殻の宴会会場から鯛や酒などを持ち出し、売りさばいていた。そして大量の酒についてはチエの店で売ることに。酒を運ぶ途中、テツはヤクザ組と鉢合わせする。テツに怒鳴りつけられたヤクザ組は逃げ出す。こうして、また一つ組が消えた。
posted at 22:50:09

後日、テツは酒をちまちま売りながら利益を実感し喜ぶ。テツは算盤が上手いという設定は、1期からの継承。テツは、ケチって酒を水でうすめようとした所をチエに見つかり、下駄でKOされる。同氏脚本参加ジョー2のKO場面ぽい。同氏特徴の無機物アップでend pic.twitter.com/fEaFriWLMH
posted at 22:56:53

  • まとめ

とにかく同氏の真骨頂は、20話の、百合根と新米ヤクザの義理人情話。「ええねん」と恩を売らない百合根が渋い。また、ブラック労働の不幸も時代先取りで興味深い。カイジの帝愛もブラック。同氏演出・脚本とも、過労などによる精神疾患がよく出る。
posted at 23:05:20

百合根のお人好しぶりについては、ヤクザ組の書いたプロフィール文にも「アホなアホなお人好し」と書いてある。この「アホなお人好し」のフレーズは、話の中で何回も強調され、同氏が百合根の優しさを前面に出したい意図が見て取れる。
posted at 23:15:37

思えばカイジも「アホなアホなお人好し」であり、それがアニメでも強調されている。こういった、無償の愛や博愛については、まんが世界昔ばなしの「幸福の王子」演出はじめ、同氏作品によく出てきて、メインテーマの一つになっている。
posted at 23:21:10

あと1期の継承として、テツに関わるとヤクザ組が壊滅する・ヨシエは誰からも恐れられている、が使われていて、スタッフ全体が1期をよく把握しているのが感じ取れる。関西でしか放映されなかったにしては、正当な続編として機能している。
posted at 23:27:22

お好み焼き屋=コミュニケーションの場、といえば、ど根性ガエルの同氏演出においても、梅さんの寿司屋が、よくその役割を果たしていた。両者ともにお人好し。そういった温かさが、寿司・お好み焼きが美味しそうに見える一因かもしれない。
posted at 23:37:14

同氏特徴の、物や食べ物、月や太陽のアップにしても、一つ一つ意味があり、キャラクターとしての役割がある。それらがテーマを強調するため機能しており、何故出てくるか理由がある。今回は、お好み焼き、フィルム、紙、文字が活躍した回だった。
posted at 23:45:19

ちなみに、お好み焼きは余程チエで気に入ったのか、コボちゃん脚本でも、お好み焼きが出る。こちらも、義理人情と家族愛を象徴して出てくる。やはり食べ物は重要な役割を担っており、そのメッセージ性の高さから、見ている側も食べたくなるのだろう。 pic.twitter.com/FJ7fRkqNiZ
posted at 23:52:00

チエちゃん奮戦記16~17話脚本:インチキオカルトに対する怒り再燃。そして「文字」というキャラが持つ威力

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15~17話の3部作。

  • 15話概要:

インチキ厄除屋が、おジィはんに判子を10万で売り付ける。その後、厄除屋はテツに捕まり、10万はテツの手に。 テツは厄除け商売を、ジュニアのノイローゼに悩む百合根に仕掛けようとするが、そこには酒乱モードの百合根がいた。

  • 16話

酒乱モードの百合根は厄除屋とテツを、ジュニアのノイローゼが治るまで帰さないと息巻き、家に閉じ込め厄除けさせていた。だがインチキなので効果はなく、二日も経過。百合根の回転瓶攻撃と、ワンナウツ(シリ構・脚本)渡久地のバット回転攻撃がシンクロ。https://t.co/wvGcBhG2Mz

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本当はジュニアのノイローゼは治っていたが、ジュニアは治っていないフリをして面白がっていた。

百合根はジュニアが治らないと言って怒り、厄除師の教祖を連れて来いとテツに命令、テツをパン一にし(特徴:脱衣演出)、 連れて来るまで服を返さないと凄む。

f:id:makimogpfb:20161014150035j:image服を返さないのと逆で、元祖バカボン同氏演出では、自分の服を取り返すまで家に帰ってくるなと、パパがママに放り出される場面がある。

どちらもアイデンティティーの喪失による危機。テツの場合、この事が更に状況の悪化を招くこととなる。

一方、テツ達が百合根の家に居ることを、なんとかチエに説明した小鉄は、チエと共に百合根宅に向かう。途中、パン一のテツを見かけるが、なんとか他人のふり。

チエが百合根宅に着くと、泣き上戸になった百合根が、店名が悪いからジュニアが治らない、とチエに泣きついてきた。泣く百合根が幼い(特徴)。

百合根は、店名を変えたいから暖簾屋に新店名を発注してくれと、チエに紙(特徴)を渡す。これも同氏特徴で、紙や字がキャラとして相当の殺気を放つよう構成されている。店名はこの話のオチで判明する。

百合根の迫力に押され、チエは暖簾屋に暖簾を発注しに行く。

https://t.co/b5QqkMTal6

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一方小鉄は、ジュニアのノイローゼが治っていることに気づき呆れる。それをよそに、ジュニアはイタズラ心でノイローゼのフリを続ける。一方テツはミツルの派出所で、二日間ろくに寝てないからと、布団を被り寝ていた。

毎度だが高屋敷氏脚本回は、テツとミツルの仲が微笑ましい(特徴)。https://t.co/zPh6v8hn52

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その頃チエは、おバァはんを伴い百合根家に向かう。厄除屋から判子代10万を取り返すためである。

だが、酒乱モードの百合根の迫力に押され、チエ達は厄除屋の祈祷に付き合わされる。同氏ルパン脚本にもインチキ教祖が出るが、その信徒の場面とシンクロ気味。

https://t.co/e9cQqKtjLP

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見かねた小鉄はチエに、ジュニアは既に治っていると告げ口。チエの一喝で、百合根はジュニアが治っている事に気付く。

百合根は厄除よりチエの方が効果がある、と厄除屋をボコる。その隙に、チエ達はテツのズボンのポケットから、おジィはんが騙し取られた10万を見つける。

おバァはんとチエは、金を取り戻したから、もう用は無いと、百合根達の修羅場をよそに立ち去る。その後小鉄はナレで「ドライな女性陣」と嘆く(特徴:ナレは重要キャラ)。

その夜、テツは厄除屋の本拠地の前に、シーツをまとった姿で立っていた。その姿を月が見ているような間がある(特徴:月=重要キャラ)。  

https://t.co/Ex4tGEFS7u

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その日を境に、テツは帰らず。

チエは、おジィはんの詐欺被害やジュニアの病が解決したことでスッキリして、テツがいないことに気付かなかった。

ヨシエは、そんなチエをたしなめるが、家庭の崩壊より妻って夫が大事なのかしら、とヨシエに聞こえるように呟き、毒舌。

その後、暖簾屋が暖簾を届けに来る。百合根が苦手だから、チエから暖簾を渡して欲しいと頼みに来たのだった。暖簾を見ながら、チエは「センス悪い」と呟く。

その頃、素面に戻った百合根は、カルメラ兄弟が開業するラーメン屋の店名のセンスが悪いと指摘していた。

カルメラのラーメン屋の店名(仮)はカルメラ亭。

百合根の「かたぎや」、カルメラの「カルメラ亭」、どちらも元がカタギでない事をばらしてると、3人は口論に。

そこにチエが暖簾を届けに来る。案の定、百合根は覚えていないが、チエは強烈なセンスだと暖簾を酷評する。

百合根が暖簾屋に発注した店名は「ヨシ江ちゃん」。酔っていた時の百合根の談によれば、不幸に強い名前らしい。恐れ多い名だと言いカルメラは逃げ、百合根は顔面蒼白。これも同氏特徴、物や文字が強烈なキャラであることの表れ。DAYS脚本も背番号のアップの間に迫力がある。 

https://t.co/mWuxO9xWuT

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ここで17話に続くのだが、同氏バカボン演出、ルパン脚本、そして今回と、インチキオカルト屋が出てくる。元祖バカボンは拝金坊主、ルパンは泥棒教団、今回はインチキ厄除け屋。どれもインチキオカルトに対する、同氏の怒りのようなものが窺える。  https://t.co/6dNu6DPPCx

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  • 17話

姿をくらましたテツは、厄除け屋を乗っ取り金儲けに精を出していた。この厄除屋の文字の迫力と存在感も、いかにもな同氏特徴。物や自然がキャラなのは同氏特徴だが、その中でも文字は格別に存在感のあるキャラなのかもしれない。画像は今回、カイジ脚本、ジョー1脚本疑惑。

https://t.co/Jy3FLTdrgY

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厄除屋本店がやっていたインチキ商法は、まず部下が客の話を聞き、その会話を教祖が盗聴。その後教祖が現れ、客の悩みを言い当てまくるというもの。なにやらカイジっぽいイカサマ。また、ルパン同氏脚本のインチキ教団もギミックやトリックを使う。

https://t.co/53R7htJewx

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それもこれも、百合根がテツのアイデンティティーである服を剥ぎ取ったことから、ややこしいことになっているのである。 元祖バカボン同氏演出でも、パパがオカルトにハマり、頭を丸めて坊主の格好になってしまっている。(特徴:脱衣演出) https://t.co/Oif0ZnhxM4

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テツが昼寝してる間、店名の事で悩むカルメラ兄弟が厄除け屋の前を通りかかる。すると店から客が出てきて、めっちゃ当たると言って去っていく。この人、騙されやすい所がカイジの石田さんぽい。画像は今回とカイジ脚本。二人とも悩みは借金。

https://t.co/TNpWxLSRp2

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先客に影響されたカルメラ兄弟は入店。

イカサマにひっかかったカルメラは、店名が不吉だと、教祖から指摘を受ける。

この時教祖は、「炎が見抜く」のだと言う(特徴)。歴代同氏作品で、炎が特別なキャラであることは確か。画像は今回、ベルばらコンテ、カイジ脚本。他も多数 https://t.co/bmjwNlYv6W

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教祖は新しい店名を思い付く限り書けと、カルメラに促す。カルメラは知り合い達の名前を書く。それを教祖は短冊状に切ってばらまき、うち一つをキャッチする。引き当てた店名は「ヨシ江ちゃん」。それが幸運の店名ということになる。

ところで紙ビリビリシリーズまた増えた。今回、エースをねらえ演出、チエ1期脚本・カイジシリ構。https://t.co/X1bON480Du

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昼寝から目覚めたテツは、教祖が捨てた紙に書いてある家族や知人の名前に気付き、事の顛末を知る。カルメラの店名が自分の妻の名になる状況にテツは慌て、教祖とその部下をどつく。高速ビンタが後に本家一歩のデンプシーに、奇跡的につながる。画像は今回、ルパン・一歩3脚本。https://t.co/gDd33bjmeB

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一方百合根は、カルメラ兄弟が「ヨシ江ちゃん」の暖簾を引き取ったので喜んでいたが、チエやおバァはんは、ヨシエが本気で怒ったら恐ろしい事を知っているので憂鬱に。ヨシエが怒ると最強なのは、一期最終回の継承。

小鉄とジュニアは状況を打破すべく奔走することに。

小鉄達がカルメラの店に行くと、カルメラは暖簾を出せずにいた。覗きに来た厄除屋部下は、暖簾がまだ未完成だと勘違いし、テツに報告しに行く。それを聞いたテツは対策を考え始める。全てを見た小鉄達は、それをチエ達に知らせるべく動く。ところで出崎4パン出た。

https://t.co/0UvZ6KnV9W

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小鉄達に導かれ、チエ、おバァはん、百合根は厄除け屋に行く。様子をこっそり窺ったチエはテツの企みを知り、返り討ちにする作戦を立てるべく帰る。

そのため、チエは百合根、おバァはんの他に拳骨とヨシエを呼び、カルメラの店のラーメンを食べに行こうと言い出す。

その頃、開店日だというのに、カルメラの店には一人も客が来ていなかった。「本日開店」の張り紙に異様な間を取ることで殺気が出ている(特徴)。大体が、アップで2~3秒あたりの間。これで、物や文字に殺気が出てくる。これは2016年のDAYS脚本でも健在。

https://t.co/NgkuJBZHaY

ヤケクソになったカルメラは、ついに暖簾をかける。そこへチエ一行がやってくる。戸惑うヨシエも、おバァに導かれ入る。閑古鳥の店に皆が来る展開は、同氏ど根性ガエルにもある。 画像は今回と、ど根性ガエル演出。https://t.co/s5oba2gtIe

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一方、テツは厄除け屋達を伴い、カルメラの店へ向かう。カルメラが名前を変えるのに抵抗したら店に突撃する算段だった。

だが、暖簾が既にかかっており、店から拳骨とヨシエが顔を出したため、テツは驚く。

その拍子にテツは教祖の持っていた木槌に偶然当たり卒倒。

厄除け屋はこれにびびって夜逃げの準備に行く。かくしてチエのテツ返り討ち作戦は成功した。これも、チエが中々の知略を使っている(特徴)。また、紆余曲折あったが、仲間の店が開店する日に、皆が駆けつけてくれる義理人情話でもある(特徴)。

  • まとめ

同氏作品によく出る、インチキオカルト撃退話である。カイジの兵藤会長の「神になる」「王である」も、インチキやイカサマをうまく利用したオカルト的な所がある。画像は今回、元祖バカボン演出、ルパン三世2期・カイジ脚本。歴代インチキオカルト師https://t.co/KJ0sWxiNbM

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そして、紙や文字の持つ力が、ことさらに強調された回だった。「ヨシ江ちゃん」の字面、厄除け屋やカルメラの店の張り紙など。なにしろ監督作の忍者マン一平でも、古本が妖怪化した者が出るほど 。相当に紙や文字にこだわってる。

https://t.co/QlcCH7yADI

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1期のころから、ジュニアの季節性ノイローゼは、生きてる実感(面白さなど)を感じると治る。精神疾患には笑いが効く、とはよく言われるが、これも先見の明。1期でも同氏は、ジュニアのノイローゼがテツへのイタズラ成功で治る脚本を書いている。

あとは、あらゆる作品で出る「脱衣演出」。今回、テツは服を取られたらアイデンティティーを保てず、インチキ厄除師になってしまった。ただし、妻に弱かったり、力が強かったり、がめつい所など、根っこは変わってない。そこはテツの強さかもしれない。

そして1期からチエ脚本全部に言えることだが、とにかく平行エピソードの多さとその合流地点の設置が緻密で見事。1期の高畑勲監督は頭がよく、その類の計算力が高そう。そういったコンセプトは2期でも生きていて、まさに脚本家の虎の穴と感じる作品。

ついでに、元祖バカボン同氏演出回の、イカサマ拝金坊主についての話は下記。比較すると面白い。

togetter.com

 

チエちゃん奮戦記13話脚本:人の人生観が変わる瞬間を「見ている」入道雲

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくならないですが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

のっけから特徴の自然=キャラが出てくる。夏の入道雲が町を「見ている」。

また、舞うパラソルやアイスクリーム屋の、情緒ある「間」も特徴。画像は今回、家なき子演出、忍者マン一平監督(コンテも)。 https://t.co/nSqthq4eSp

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冒頭、マサルは夏休みに避暑旅行に行く事を、チエに自慢しに来るが、不幸にもテツが応対、しかも暑いからパンイチ(特徴:脱衣演出)。後から来たマサル母は驚いて退散。そしてテツは、事情をチエ・ヒラメにチクる。テツはマサル母子がマサル父を置き去りにしたと邪推。

アイスを食べるテツ達3人が可愛い&飯テロ(特徴)。Days脚本でもアイステロ。マサル母子がマサル父を置き去りにしたというテツの邪推は、高屋敷氏特徴の、ぼっち=万病の素というポリシーからかも。 https://t.co/oxObpG6JRZ

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テツは、本当にマサル父が置き去りにされたかどうか、ヒラメの描いたマサル父の似顔絵を元にマサル家を除きに行く。だがそこには怪しい人物がいて、テツが捕まえるが、その人物はマサルの母方の叔父だった。誤解のお詫びに、テツはマサル叔父と遊び(?)に行くことに。はっきり言ってデートにしか見えない。

テツとマサル叔父の町散歩は、子供の散歩かデート(特徴:幼い・天然BL)のような様相。マサル叔父は内気なコミュ障で、テツのような豪放な人間に惚れやすいタイプ。1期の渉(拳骨息子) に似ている。かき氷食べるの可愛い。画像は今回と1期。 

https://t.co/e2sOfL9yYB

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マサル叔父の趣味は読書で、特に拳骨(作家・研究者でもある)のファンだという。それを聞いたテツは、本物のトンデモ人間の拳骨を見せたる、とマサル叔父を拳骨のもとに連れていく。カイジ脚本と同じく入道雲が印象的で、年の離れた男達の人生を雲が見ている。https://t.co/9pbneDfMnK

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数日後マサルが、マサル叔父からテツへの贈り物(テツの好物・かりんとう)を届けにくる。また、マサルもチエのために、解答済みの宿題のプリントを貸す(特徴:相手の事を考えた贈り物)。マサルがそっぽを向きながら渡すのは、1期(下段)からの継承。

https://t.co/QmPavZBqBF

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テツへの贈り物であるかりんとうには手紙が添えられており、テツとの会話や拳骨との面会でマサル叔父の人生観が変わったことが書いてあった。彼は仕事が合わなかったり、生き方に悩んでいたが、テツの一言でスッキリしたとの事。結果マサル叔父は辞職したらしい。

それを聞いたテツの言葉は中々深い。
「仕事が馴染めんのやない。仕事が嫌いな奴やねん。アイツわかりきったことばかりグチャグチャ言うてたんや。おもろないから仕事や言うねん。おもろなりたかったら仕事やめんかい!」

画像は心のこもった贈り物集。今回とコボちゃん脚本。

https://t.co/mHUbGA7Uwm

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そして下記画像は手紙集。どれも心からの手紙。他にも多数。ルーツは脚本または脚本手伝い疑惑のジョー1だと思われる。今回、カイジ脚本、家なき子演出、ジョー1脚本または手伝い疑惑。

https://t.co/JQYVFEWiHi

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マサルは一流企業に就職した叔父を尊敬していたので、叔父の辞職を知り泣きながらチエ家を責めるが、すぐに舞い戻って来て前言撤回する。なんとマサル叔父は花井拳骨論で新人文学賞を受賞したのだった。画像は特徴の紙ネタ。ど根性ガエル演出と今回。 

https://t.co/vGet4CtZKC

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それを聞いたテツは「続・花井拳骨論」を執筆し始める。だがチエによれば拳骨との過去を書けば書くほどテツの恥エピソードが晒されていく内容で面白いとの事。一方マサルは、いい事ばかり続きすぎて母がおかしくなっている事に頭を悩ませていた(特徴:精神疾患)。

マサル母は一種の躁状態。そして、もうすぐマサルの誕生日。さらに母の気がおかしくなると、マサルは憂鬱に。マサルの雰囲気がおかしいので、奇襲でも喰らうのかと考えたチエは小鉄を用心棒にする。小鉄は疑問を抱き、マサルの様子を見に行く。

そして小鉄が目撃したのは、完全に躁状態のマサル母だった。1期からの継承で、小鉄はジュニアの季節性鬱に毎回付き合っているため、この手の病には詳しい。だがチエには通じず。しかしマサル母がチエ宅に来訪、ヨシエとハイテンションな会話をして去っていく。

https://t.co/KDiASVhSTJ

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マサル母は、チエとヒラメをマサルの誕生会に招待する。彼等は全員、顔面蒼白に。一方マサルは誕生会までに肺炎にかかろうと、タカシを伴い毎日半裸でランニングするが、却って体力がついただけだった。ランニングがDays脚本とシンクロ。 

https://t.co/wwCIk74ATx

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その頃テツは続・花井拳骨論の執筆に忙しく、今の気持ち悪いマサルをどうにかしてくれという、チエのお願いを聞いてくれない。おねだりチエが可愛い。足をジタバタさせるのは高屋敷氏の演出時代によくあった特徴で、脚本なのにまたしても何故か出る怪。 

https://t.co/scCUqtmkxw

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結局マサルの誕生会の日がやって来る。切羽詰まったマサルは家出を決行。だが、続・花井拳骨論を書き上げ、マサル叔父の住所を聞きに来たテツに見つかり、追いかけられる。だが日々のランニングで鍛えられたマサルは、中々つかまらず。だが結局つかまる。

テツはマサルの、家出という気概には感心し、頭をはたく。するとマサルの髪が抜けていく。なんとマサルはストレスで脱毛症(特徴:精神疾患)まで発病していた。テツはドン引きして逃走。その頃、憂鬱な顔のチエとヒラメがすぐ近くまで来ていた。

毛が抜ける話は、高屋敷氏監督作の忍者マン一平にもある。忍法髪の毛ミサイルのリスクであり、皆を助ける為に使ったので、本物のサンタから帽子をもらう。一方マサルのは深刻なストレス・精神疾患で悲惨。画像は今回と忍者マン一平監督。

https://t.co/NrRyvU2YNd

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ラスト、誕生会がどうなったかは具体的には語られないが、ケーキが「語る」(同氏特徴)。一本しかないロウソクが倒れ、火が消える。サブタイは「地獄のバースデイ」。まさにその通り。

https://t.co/scjqmSRAjZ

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  • まとめ

またしても精神疾患話である。原作のはるき先生も中々詳しいのだろうが、高屋敷氏の作品に、多数存在するのは本当に興味深い。また、前半は、ほっといたら過労死か自殺しそうな青年に、テツが人生を変える助言を与え救済する話なのに、後半のマサルは悲惨。

しかしながら、子供の精神疾患は、逃げ場がなく、親が原因であることが生々しく描かれている。結局マサルは家出しか打開策を見出だせなかった。これもリアル。ギャグだから1話で済むが…。

テツがマサル叔父を開眼させ人生観を変えさせた一方で、カイジ脚本では、若いカイジが、おっちゃんに名言を吐き開眼させる。この逆の関係が面白い。テツは豪放で割と面倒見がよく、カイジは諦めない力があり、優しい。両者とも子供みたいに幼いのも同じ。

ところで高屋敷氏の作品で舞台が夏だと、美しい入道雲がキャラとして「見ている」のも特徴。 画像は今回、チエ1期、カイジ脚本。特にカイジは感動的だし、今回もテツとマサル叔父のシーンは美しい。 https://t.co/3VZfnNGcIR

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そして脚本で絵に手が出せなくなっても演出時代と同じような画面が出る怪。よく、出崎哲氏が使う遠景左向き走り・歩き。はだしのゲン2(脚本)にもよく出ていた。画像は今回と家なき子演出。

https://t.co/JibS0tPLTJ

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今回驚いたのは、鬱(躁鬱かも)・躁・脱毛症と、深刻かつリアルな精神疾患がラッシュで出て来たこと。そして、ほっといたら自殺しそうな青年(マサル叔父)の命をテツが自覚無しに救っているのを見るにつけ、テツの存在の重さを感じた回だった。

めぞん一刻70話脚本:ラブコメにも適用される「不屈の精神」

めぞん一刻は、アパート「一刻館」に住む青年・五代と、一刻館管理人で未亡人・響子との、山あり谷ありのラブコメ(原作・高橋留美子先生)。高屋敷氏は最終シリーズ構成と脚本を担当している。監督(最終シリーズ)は吉永尚之氏。

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五代の就活の様子を見に上京した、五代の祖母・ゆかり婆ちゃんが田舎に帰る日がやって来た。

別れを惜しむ響子に、ゆかり婆ちゃんは、もうすぐ亡き夫のお盆だから、と理由を告げる。「(亡き)爺ちゃんが寂しがる」というフレーズに、高屋敷氏の、ぼっち救済ポリシーが出ている。また、この話全体で、ゆかり婆ちゃんが響子にとっては「未亡人の先輩」であること、「未亡人でも女を捨てない」ことが強調されている。冒頭でも、ゆかり婆ちゃんが着物を直す仕草が丁寧に描写されている。

響子は、ゆかり婆ちゃんへのプレゼント(特徴:贈り物)を買うため、五代を買い物に誘う。五代も、今日の就活の会社回りは1社しかないので快諾。

五代が出かけた後、ゆかり婆ちゃんは昼寝をする。その間、木々などの自然を描写する間が長く発生する(特徴)。こういった、物いわぬもの達の意味深な間は、同氏の演出・脚本で、視覚的に目立つ個性。しかも脚本での方が意図が緻密で迫力がある。これも不思議な特徴の一つ。下記は今回とカイジ脚本。

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カイジの方も、カイジが目覚めるまでの、意味深な間が発生している。今回も、自然や虫の描写をじっくりした後、ゆかり婆ちゃんが昼寝から目覚める。

この、自然や無機物などをキャラクターと捉えて、まるで何かを言っているような間は、どんなに尺が短くても入ることがある。下記は今回と、新ど根性ガエル脚本(コンテ演出疑惑もあり)。新ど根性ガエルは30分2話構成なのに、じっくり入れているのが凄い。

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ゆかり婆ちゃんが昼寝から目覚めた頃、五代と響子は約束通り、ゆかり婆ちゃんへのプレゼントや、五代の実家への土産を買いにデパートでショッピング。響子がプレゼントを選んでいる間、五代は指輪売場に目が行く。ここも、指輪が五代を誘うような間やアップがある(特徴)。

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また、案内する売り子が存在感がある(特徴:優秀モブ)。勿論、今は買えない値段なので、逃げるように五代は立ち去る。

喫茶店にて、五代は響子の手を見ながら、売り子の言葉を思い出す。ここも手のアップ・高速回想の特徴が出ている。

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手のアップについては、元祖天才バカボン演出の、手が喋る回などで演出意図の解答が見れる。高屋敷氏は、手や足なども別個のキャラとして見ている。これは近年のDAYS脚本でも健在で、「足を別個の生命体と見ろ」という直球台詞がある。

婚約指輪も買えない自分に溜め息が出る五代は、なんとしても就職してみせますから、と響子に宣言する。響子は戸惑いながらも、笑顔を見せる。

昼下がり、ゆかり婆ちゃんは外で自家製梅酒を楽しむ。ここでも特徴の、西日や風の間がじっくり描写される。また、一人ぽつんとしている、ゆかり婆ちゃんの相手をするように惣一郎(犬)が絡んできて(特徴:ぼっち救済)、ゆかり婆ちゃんと惣一郎(犬)は一緒に梅酒を飲む。

帰路につく五代と響子は、二人きりで買い物できた事を互いに喜び、いい雰囲気に。しかし、雨が降りそうな雲行きになって来たため、一刻館へと急ぐ。

二人が一刻館に着くと、ゆかり婆ちゃんと一刻館住人が玄関で梅酒を飲んで盛り上がっていた。ここも特徴の疑似家族愛が出ていて微笑ましい。しかも、最初は一人で飲んでいたゆかり婆ちゃんを救うように、ほぼ全員で飲んでおり、特徴である、ぼっち救済が出ている。

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惣一郎(犬)は、すっかり酔っており、響子に執拗に絡む。五代は惣一郎(犬)を止めようとした際、響子の服の裾を破ってしまう。そこへ雷と雨が来て、その後の惨劇?を演出する。ここも、雷と雨がキャラとして活躍する。また、向日葵のアップ・間が発生する。下記は今回と家なき子演出。

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事故とはいえ響子の服の裾を破ってしまった五代は、響子から咄嗟のビンタをくらってふてくされるが、ほどなくして両者は仲直り。その後、ゆかり婆ちゃんの送別会が催される。

ゆかり婆ちゃんへ贈る言葉を言う際、響子は祖父母を幼い頃亡くした事を語り、「お婆ちゃんて、こういうものだったんだなあって…」と大真面目に言う。ここも、血のつながらない疑似家族愛の特徴が出ている。ゆかり婆ちゃんは、後に響子にとって重要な人物になるので、伏線にもなっている。

ここで響子は、ゆかり婆ちゃんへプレゼントを渡す(中身はバッグ)。これも高屋敷氏特徴の、心がこもった贈り物。下記は今回とコボちゃん脚本。

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ゆかり婆ちゃんは喜び、「管理人さんは、ええ人ら」とお礼を言う。

宴もたけなわとなった頃、雷のせいで停電となる。ここも、雷が宴を盛り上げるキャラとして「出演」している。下記は今回と、怪物くん脚本。

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暗闇で、響子が抱きついたと勘違いした五代は喜ぶが、明かりがつくと、抱きついていたのは惣一郎(犬)と判明。雨のせいか、屋内に入りこんでいたのだ。惣一郎(犬)と五代はドタバタするが、ゆかり婆ちゃんの梅酒で惣一郎(犬)は大人しくなる。その際、ゆかり婆ちゃんは「犬だって一人は寂しいもんな」と言う。ここも、高屋敷氏のポリシーが直球で出ている。あと、優しくナデナデしたり、手つきが優しいのも、色々な作品でよく出てくる特徴。

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すっかり酔った惣一郎(犬)は響子に甘えまくり、五代はそれが気に食わなくて飲みまくる。一刻館住人が、惣一郎(犬)と響子が、まるで夫婦だと囃し立てるため、酔った五代は惣一郎(犬)から惣一郎(響子の亡き夫)を連想・妄想し、惣一郎(犬)と同レベルでいがみ合うのだった(特徴:幼い)。

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翌日、ゆかり婆ちゃんは旅支度をするのだが、鏡(特徴)を見て口紅を塗る仕草が丁寧に描写されており、同氏ルパン三世2期演出を連想させる。こちらも口紅描写が丁寧。

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また、演出・脚本問わず頻出する鏡描写。挙げればキリがないが、じゃりん子チエ脚本と比較。
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チエの場合、テツとチエが似ている箇所があると鏡が告げる。ゆかり婆ちゃんの場合、まだまだ女を捨てていない姿を鏡が映し出している。どちらも、キャラとして鏡が活躍。

こういった鏡描写、初期では、ど根性ガエル演出で出ている。

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こちらも、鏡を見たマリヤ(ひろしの飼い猫)が、食べ過ぎて太ってしまったことにショックを受ける。これをはじめ、鏡が現状を映し出すキャラとなっているケースが多数存在する。

話を戻すと、ゆかり婆ちゃんは二日酔いの五代を叩き起こし、荷物持ちをさせる。一刻館の皆も、見送りに行くことに。ここも、特徴の疑似家族愛が出ている。

新幹線のホームで別れる際、ゆかり婆ちゃんは五代の手を握る。これも頻出する特徴。ど根性ガエル演出と比較。

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見送りは、そのまま進行するはずだったが新幹線が遅延し、復旧するまで時間がかかることに。時間をつぶすため、またも一刻館住人とゆかり婆ちゃんは酒盛りを始める。

酒の匂いのせいで、五代の二日酔いがひどくなり、響子はそれを心配する。五代はいつもああやって甘える手口を使う、と四谷は、ゆかり婆ちゃんに耳打ちする。それを受け、ゆかり婆ちゃんは持っていた巾着袋を五代の頭にクリーンヒットさせる。ここも、何故か脚本なのに、出崎哲氏ゆずりの回転演出が出てくる。出崎哲氏コンテ・高屋敷氏演出のど根性ガエルと比較。

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また、出崎兄弟ゆずりの指パッチンも出てくる。

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その後も酒盛りは続き、その間に新幹線のダイヤは復旧。新幹線は出発してしまう。結局、次の新幹線が来るまで酒盛りは続いたのだった。

色々あったが、無事に実家に着いたゆかり婆ちゃんは、電話にて、響子は五代にはもったいないが、絶対に諦めるな、と五代に発破をかける(特徴:不屈の精神)。カイジ脚本でも、「絶対に諦めねえ…!最後まで…!」という台詞があり、話全体で「諦めない」事が大事であると、かなり強調されている。

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諦めない精神は、同氏の作品によく出てくるポリシー。出崎兄弟直系の「男の世界」が、ラブコメである本作でも顔を出している。 

ちなみに、奇跡的にカイジ脚本と似た構図が出る怪現象発生。茫然としている状況が似ているせいだろうか。

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ゆかり婆ちゃんは、五代の事をよろしく頼む、と一刻館の皆に酒代を渡していた。それを聞いた五代が急いで部屋に戻ると、すでに一刻館の皆は酒盛りを始めていた。またも二日酔いが悪化した五代は、(介抱しようとした)響子の部屋に行けるチャンスを得るも、それどころではなくトイレに駆け込むのだった。

  • まとめ

今回も出て来た、自然や無機物の間。特に、ゆかり婆ちゃんが昼寝をしている際の自然や虫の作り出す「間」は長く、それを見ていると、何故か「お年寄りに優しくしなきゃなあ」という気分になる。脚本なのに、こういった沈黙の間が「語る」のが毎回凄いと思う。それでいて話の密度は濃く、かなり圧縮されている。

そして、毎回出てくる特徴である、キャラ(特に五代)の幼さ。ついに犬と同レベルに。原作より強調される五代の幼さ・可愛さは、響子の母性本能を刺激するよう設定されているのではないか、と前に書いたが、今回も、甘えるのが五代のいつもの手口…と四谷が言うので、さらに裏付けが取れた。

その一方で、やはり出てきたのが「男なら諦めるな」的な「男の世界・美学」。以前も書いたが、高橋留美子原作作品にこういった男の世界を組み込むのは興味深い。

また、ゆかり婆ちゃんは夫に先立たれ、老いてもなお女であることを忘れていないことが、着物を直したり、口紅を丁寧に塗ったりする描写にて強調されている。いわば、未亡人である響子に、女を諦めないよう、先輩として手本を示している。こちらも、「諦めるな」が強調されている。

こういった不屈の精神を強調するポリシーのルーツは、やはりデビューまわりの「あしたのジョー1」の脚本経験(無記名)から来ていると思われる。丈も、何回打たれても諦めず立ち向かうファイトスタイル。その姿勢が、ラブコメにも適用されているのが面白い回だった。

チエちゃん奮戦記11~12話脚本:同氏作品に散見される中性要素が、男臭さを中和。女性キャラ無しでもニャンとかなる?

 (Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくならないですが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

前回でも、同氏の描く精神疾患描写はリアルで対処も凄いと書いたが、今回も冒頭で、ジュニアが季節性鬱を発症している(毎年の事で、春に多い)。そのせいで、何日もジュニアと小鉄が帰宅しない。心配になった百合根はチエを伴い二匹を探しに行く。

ジュニア達を探しに行く際、百合根がチエの頭をなでる(同氏特徴)。無印の高屋敷氏脚本回にて、百合根に別れた妻子がいる話があり、実は彼は子供の扱いが上手い様子が見て取れる。画像はXMEN脚本と今回。 https://t.co/hmSjFt2RFM

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桜が美しいひょうたん池周辺で、チエ達はジュニアらを探すが見つからず。百合根によると、ジュニアは花見が嫌い(春鬱によくある)。

その頃、ジュニアは隅っこに立つ桜の下で酒盛りをしていた。(精神疾患→アルコール依存)。小鉄はそれを見てあきれる。

ジュニアはぽつんと立つ桜を「こいつ」と呼び、俺らのために待っていたみたいだと言う(特徴:自然もキャラ、ぼっち救済)。小鉄は、百合根もぼっち(特徴)だと指摘し、帰るよう促す。小鉄は先に帰る。https://t.co/FOhvkjndhH

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小鉄と入れ違いに、ジュニアはエイハブという、ただならぬ雰囲気の猫と会う。エイハブはモービーディックという恐ろしい猫に復讐するため旅をしていた。ところでエイハブ、元祖バカボン同氏演出に出るガンクツ王に格好が似てる。彼も復讐鬼。https://t.co/cxVxqhOXsx

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ジュニアは、モービーディックとは、過去に様々な異名を持っていた小鉄のことかもしれないと思い、エイハブに小鉄のことを教える。ところで1期の小鉄とジュニアの過去話も高屋敷氏脚本。その時の小鉄の異名は「月ノ輪の雷蔵」。滅茶苦茶ハードボイルドな話。

この話も猫パートはハードボイルドで、台詞まわしもドスが効いてる。異色ハードボイルド回だったルパン3期脚本に近い:https://t.co/jJ6RiB9avh
どこを切り取っても渋い。

一方帰宅した小鉄はチエに怒られ、ジュニアが帰るまで百合根の所へ行けと言われる。
入れ違いにエイハブはチエのホルモン屋に着き、銛で襲撃。銛はテツの顔のそばをかすめたので、テツも百合根の所に避難する。テツの避難場所が百合根の家なのも、1期からの継承。

百合根はテツ対策として、隠し持っていたウイスキーで酒乱モードになっていた。酒乱状態なら百合根は西萩最強クラスなのも1期からの継承。+着物を脱ぐと酒が出て自己が豹変するのも、同氏特徴の脱衣演出?https://t.co/AFMVw2i0Fn

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結局、百合根、テツ、小鉄、悪いタイミングで帰宅したジュニアで百合根家は大騒動になり、ミツルも巻き込んでカオスに。一方チエは、銛で破損した食器棚を粘土で補強し、ヒラメに塗装を頼みに行く。ヒラメとチエが到着すると、エイハブが店に陣取っていた。

エイハブの異様さに押されたチエ達は一旦百合根の所へ行くが、テツ達は騒動の末2階から落下し気絶していた。ジュニアは小鉄がモービーディックではないのかと小鉄に問うが、小鉄は完全否定。その頃、桜の下、本物のモービーディックがやって来ていた。

小鉄はジュニアに、チエ家に行って真相を説明しろと叱る。その際、ジュニアが拾ったエイハブの銛を、小鉄が預かる。その頃、背中に銛が刺さった姿のモービーディックは「春の陽気がこの痛みを忘れさせてくれる」(特徴:自然もキャラ)と桜の中を歩いていた。

モービーディックは銛の痛みを癒すため、桜前線に沿って旅をしていた。春がダメで心にダメージを受けるジュニアと、身体的外傷を春で癒すモービーディックは対照的。そして遠近で銛だけを発見したモービーディックは、小鉄をエイハブと間違え石を投げつける。

ここも銛がアップになっており、銛がエイハブを表すキャラと主張している(1枚目)。

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一方、石がヒットした小鉄は気絶、次回へ。舞い上がる花びらが、らんま脚本とシンクロ(2枚目)。https://t.co/dzQ6lJa0Dt

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このモービーディック、桜と陽気を「おまえ」と呼び、おまえだけが癒してくれる、と言う。一歩3期沢村戦脚本での、「信じられるのは自分の拳だけ」を彷彿とさせ、孤独気味(特徴)。しかもモービーディックは共食いまでする。一歩を肉に例える沢村と被る。

https://t.co/a8pG6HrJAO

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  • 12話

気絶した小鉄を見てエイハブでないとモービーディックが気付いた頃、エイハブはジュニアから、小鉄がモービーディックではないと説明を受ける。エイハブはジュニアを伴い、現地まで確認しに行く。入れ違いにヒラメとチエがチエ家に戻り、食器棚の修繕に入る。

エイハブは、モービーディックは白猫でサイズも巨大なので、小鉄とは違うとすぐ理解する。
その頃ヒラメはチエの食器棚を修繕。二人は塩せんべいとサイダーでおやつタイムに入る(特徴:飯テロ)。そこへモービーディックが来て、チエの店のホルモンを盗む。https://t.co/SuyfTeGAoX

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チエ達はモービーディックを追いかけるが、迫力に押され、逆に追われる。そして、言い争いをしている小鉄・ジュニア・エイハブと合流。モービーディックは自分でホルモンを焼き食べている所、エイハブと対峙する。台詞の応酬が渋く、ルパン3期脚本ぽい。https://t.co/QKerLwtEfN

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エイハブは、ジュニアと小鉄に決闘の邪魔をするなと宣告。エイハブはモービーディックに仲間を殺され、自身の片足を食われるという壮絶な過去を持っていた。過去の壮絶さは、ジュニア・小鉄も半端ない(1期高屋敷氏脚本)が、小鉄達もドン引き。

仲間を殺され、傷だらけになり復讐…はカイジ脚本にも生きる。エイハブは片足を失い顔に傷、カイジは耳を切り指を切られる。https://t.co/P0WQMPaTgS

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エイハブとモービーディックの決闘が始まるが、本家の白鯨と同じく、モービーディックは水中戦が得意。カナヅチのエイハブはボートで応戦。どこにいるかわからない水面の「間」が同氏特徴的。そしてエイハブのボートはモービーディックに転覆されてしまう。

ヤケクソになった小鉄とジュニア、チエとヒラメもボートを借りる。結局ボート代はチエが払った。エイハブはモービーディックに殺されかけるが、小鉄の必殺玉潰しが炸裂、モービーディックは片玉を取られる。片玉を取られたモービーディックはオカマになった。

その日、モービーディックにホルモンを取られたので、チエは店を臨時休業にする。罰としてチエは猫達を縛って外に出す。オカマになったモービーディックに全猫が迫られ気持ち悪い思いをするのだった。同氏監督作、忍者マン一平でもオカマに迫られる話あり。

https://t.co/fJpr56kzhP

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  • まとめ

とにかく、グループ毎の平行行動と合流点の設置場所の数が凄く多く、緻密。説明するには字数が足りない。あと、1期含めて同氏脚本の猫主体話は、重くてハードボイルド。長年の出崎統作品の演出・脚本経験が生きる?あと宝島D経験も生かしてそう。

そんなハードボイルドな話でも、可愛いシーン(特徴)は沢山ある。

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あと飯テロ。

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 これは、出崎統作品の演出・脚本でも入っていた要素。むさすぎないよう中和する効力があありながら、男の世界は残すようにしている。https://t.co/YzmFFot9Ig

同氏は長年、出崎統作品演出・脚本で男の世界を描いたのに、この話では、ラスボスがオカマになるというのが興味深い。もともと小鉄の必殺玉潰しは、色々な猫をオカマにしたが…。出崎統作品で、男臭すぎる所を中和してきた結果が出てる?

また、これはチエ世界の「白鯨」パロ。後に、同氏と長年仕事した出崎統氏が「白鯨伝説」を監督することになるのが面白い。
白鯨がオカマになってエイハブに惚れるという結末は、漫画原作ならではの奇抜さで、出崎統氏なら卒倒しそう。

このオカマ要素や、男子同士のイチャイチャは、結構同氏作品に出て来るが、それが効じたのか、アカギやカイジのシリーズ構成・脚本では、女性キャラが殆ど出ないのに、ムサくなりすぎない作品世界になっている。これも長年の経験からか。

この「中性要素」、アカギ・カイジ原作(というか福本作品全体)にもあり、それが高屋敷氏の持つ中性要素・男臭さ中和要素と、良い化学反応を起こしたと思う。また、猫がいくら男の世界であっても、チエの一喝で話が終わるのも男臭さを中和している。

帽子やマントを着ていたエイハブは、水中では服を脱がされ、猫らしさを出している。これも同氏特徴「脱衣演出」か。また、小鉄がモービーディックの片玉を取ったのも「脱玉」。結果どちらも自分が変わっている。今回も脱衣演出が活躍していた。

こぼれ話だが、12話は全話中、初めてテツが出ない話だったらしい。11話予告でテツが散々愚痴っていた。こういう、テツ役の西川のりおのアドリブがいちいち素晴らしいw

チエちゃん奮戦記7~8話脚本:テツから学べる!?鬱や過労の対処法

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくなりませんが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

冒頭、テツが見る夢がシュール。ホルモン型宇宙船に乗ったチエ達に置いていかれる夢。働かない奴は乗せないと言われる。どう見ても同氏脚本参加の、忍者戦士飛影のセルフパロ。今回と飛影脚本回(下段)を並べると凄い https://t.co/CRWRJHXnSH

 とにかく、ぼっちになるのが嫌(同氏特徴:孤独は万病の素)なテツは、一念発起してホルモン屋の切り盛りを再開する。エプロン・ホウキ姿が、これまた同氏脚本・最終シリ構の、めぞん一刻のセルフパロ的。 https://t.co/4UA6QGwhBb

チエはテツのエプロン姿が嫌で、お好み焼き屋にて、テツは病気だと百合根やヒラメに嘘をついてしまう。そして、チエ達と入れ替わりに、相撲取り達がお好み焼き屋に入って行く。こうして今回も、安定気味の西萩にゲストが来ることで話が動いていく。

テツがホルモン屋で働くのを再開しようとするのは、1期にもあった。その時も今回も、おジィはん(テツ父)が喜び、そして心配する。女性陣が圧倒的に強い西萩組において、おジィはテツの意外な繊細さを知る数少ない人物(もう一人はミツル)。これも1期からの継承。

だがテツがホルモンをどんなに焼いても、びびって客が来ない。ところでホルモンを焼きすぎるのも、1期にてチエがヤケクソになった時にやっていて(これも高屋敷氏脚本)、親子そっくり。これも1期を覚えてないとならない。ちなみに1期は50話近いから凄い記憶力

そこへ百合根がやって来て、相撲取りがお好み焼きを食べ続けているのでチエに手伝ってほしいと言う。テツが病気という嘘を信じ、ホルモン屋が休みと思ったからである。嘘はばれるが、チエは百合根のヘルプに行く。嘘がばれるとシラを切るチエの性格も1期からの継承

その頃、百合根の店では相撲取り達がお好み焼きを食べまくり、猫のジュニアや小鉄まで店を手伝っていた。猫達も可愛い(特徴)。高屋敷氏特徴、飯テロの嵐! https://t.co/03HB1ni87X

下記はカイジ脚本との比較。どちらも、物凄く食べたくなる。

関取は連敗続きで、ゲン直しのための飲食店を探し求めていたのだった。関取の名は鰻谷 。ヒラメとチエの会話が幼く可愛い(特徴)。画像は可愛い集。 https://t.co/YNqYdT3PaF

下記はDays脚本との比較。Days脚本の話になるが、言葉では建前を言っていて、ボールに本音をこめて渡している。心を伝えるキャラクターとしてボールが活躍しており、非常に高屋敷氏らしい特徴。 

 

話を戻すと、関取達は未だ連敗続きなので、今度はホルモンを食べに来るという。一方テツは、知り合いやヤクザを脅して予約を取り付ける。カルメラや百合根の本音として、テツが働いたりすると迷惑…というのが出てくる。これも1期から続く、西萩連中によるテツの飼い殺し。

テツの強制招集と関取の分の準備で、おジィはんとテツは張り切る。準備のやり方について説教するチエと、カイジ脚本のおっちゃんの動きが奇跡的にシンクロw 

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そうこうするうち、関取達がやって来て、ホルモンを食べまくる。 

関取達のせいで店は貸切になり、テツが集めたヤクザ達は外でホルモンを食べさせられる。ヤクザ達の(ぬか)喜び方が可愛い(特徴)。画像は今回、カイジ・飛影・ワンナウツ・Days脚本、忍者マン一平監督 https://t.co/StFSDyp1mN

チエ・テツが外にいる客にも正規の値段を請求するネタは、1期高屋敷氏脚本にもあった。百合根とカルメラが、それに慣れているセリフも出てくる。 かくしてテツは店の繁盛をチエに自慢するのだった。8話へ続く

  • 8話

前回からの続きということでチエのナレが入る。ナレの上手さも高屋敷氏の特徴で、監督作の忍者マン一平では、学校仮面という、ナレーターとしてのキャラが出てくる。まさにナレとキャラがかけあいをするかのような妙技は、カイジ脚本・シリ構にも生かされている。

テツのホルモンを食べまくった関取の鰻谷は勝利する。皆で見ている相撲中継、白黒なのもあり、ジョー1高屋敷氏脚本疑惑回に似てる。スローになるのもシンクロwまた、試合実況や解説の上手さも同氏特徴。 https://t.co/cybaAbyuBu

関取の鰻谷は、連日勝ちまくり、その度にテツのホルモンを食べに来るようになる。連日のホルモン焼きに、テツは疲弊するようになる。今問題になってる、ワンオペ先取りw他作品の鬱病対処の見事さや先見の明といい、同氏作品の精神疾患描写は何故か鋭い。

さらに追い討ちで、他の相撲取りも、ゲンかつぎにテツのホルモンを食べに来る。そして全員勝ち続け、まさに野獣のようにホルモンを連日貪り食うようになる。画像は食べカスのシンクロ。今回・らんま・カイジ脚本 https://t.co/7Kdp00sIGl

テツは疲弊し、昼間は寝込むようになる。相撲取りが勝つ度チエ達は喜ぶが、おジィは喜べなくなり、テツを心配する。テツの繊細さがわかるおジィだからこそで、1期の同氏脚本でも、喧騒を離れて二人でラーメンを食べる名場面がある https://t.co/xxIFzGTWIF

テツは疲弊しつつも、天丼やホルモンで無理にスタミナをつけ、連日店に立つ。そのうち相撲取りのばらまいた串がテツの頭に刺さり、段々テツの様子がおかしくなる。そして大阪場所が終わりに近付いた日、鰻谷達が弟子をいじめているのを、テツが目撃する。

テツは弟子の浴衣を奪い、弟子に変装する(特徴:脱衣演出)。そして、弟子をいじめた連中を一網打尽に(特徴:大逆転)。かくして相撲取り達は全員負傷・不戦敗に。自分を取り戻したテツは満足するのだった。 https://t.co/yCs55wwnwq

  • まとめ

テツが働こうと思った、もともとの目的はチエに見捨てられて一人ぼっちにならないようにするためだった。なのに、働きマシーンとしてテツは一人ぼっちになったあげく、「テツの焼くホルモンを食べに来るんやで」とチエにすらワンオペを強要される。

この、自分がやるしかないという疲弊→寝込みは、過労による鬱病手前の状態。他作品含め、高屋敷氏が、精神疾患について何故ここまで先見の明があるのかは、多いに興味深い。もっとも、チエ世界は原作からして、猫のジュニアすら季節性鬱にかかっている。

同氏「はだしのゲン2」脚本では、ゲンや孤児達は、鬱病老人を家族として迎え、何も強要せず、ゆっくり自主的に動けるようになるよう見守る。
今回の場合、テツは体力と強さと無責任さに長けているので、自分を取り戻すことができた。無責任であることも鬱対処の一つ。

また、「自分の道を行く」のも高屋敷氏ポリシーである。なんだかんだ、いじめられてる人を鉄拳で救ったことになったことこそテツの道であり、最後にテツは「ただのホルモン焼き屋やと思うなよ」と高らかに笑う。これは社蓄脱出にも使える理屈。

ただ問題なのは、1期からある、テツの「飼い殺し」。ミツル、ヨシエ、渉などは変わったのに、テツだけが、変わろうともがいても、周囲が、テツが変わるのを許さない。1期のボクサー化計画も、あまりにも竹本家が非協力的で、地獄組ボスは激昂した。

今回も、テツは関取級3人をKOした。つまり東洋チャンプと互角で、関取より強い。ところで1期の、東洋チャンプとテツがスパーリングする話は高屋敷氏脚本である。作品の都合で変われないテツだが、なんとか自分の道を見つけて欲しいと願って同氏は脚本を書いているのかも。

ところで同氏作品には名実況・名ナレーターが多いのも魅力の一つ。今回は相撲中継や、チエのナレーションが該当する。画像は名実況・解説達。今回、ジョー1脚本疑惑、ジョー2・らんま脚本。他も多数。 https://t.co/nRD2ebVzyP

今回は、前編でテツが変わることに成功し、後編で悲惨な方へ変わり、最後は元に戻るという構成。変わることを原作者や監督から許されないテツだが、私は可哀想に思う。高屋敷氏脚本回は、そんなテツが変化しようとするため、私は応援したくなるのである。

  • 補足

書き加えると、いじめられていた相撲部屋の弟子はテツに浴衣を脱がされたことにより、弟子というアイデンティティを喪失、いじめられる理由がなくなった。テツは、弟子に化けて相撲取りを倒すことで、店主ではなくなった。これも高屋敷氏的脱衣演出か?

つまり「かわいがり」や「ワンオペ過労」から脱却するには、「世間に求められている自分」を「脱いで」、本来または新しい自分になることが大事とも言えそう。数十年前から高屋敷氏の作品に精神疾患描写・対処が鋭く盛り込まれているのが面白い。

これに関しては、ジョー1脚本疑惑・演出手伝い疑惑にて力石の死と向き合う丈の精神崩壊を描いたのがルーツか。少なくとも、力石の死後、街を徘徊するジョーの回は高屋敷氏が制作進行。演出手伝い疑惑箇所もある。ジョー2脚本でも丈は力石の魂と向き合っている。 

そして同氏脚本のジョー2最終回、丈は真っ白になると決めて満足したからこそ燃え尽きる。そしてボクサーの証、グローブを脱ぎ(特徴:脱衣演出)、新しい自分になり旅立つ。そんな風にも取れる。前にも書いたが、代わりにグローブは死ぬ。

高屋敷氏シリ構・脚本のアカギにて、アカギは「まだだ。まだ終わってない。限度いっぱいまで行く」と言う。これもジョー2高屋敷氏脚本「まだだ。まだ真っ白になってない」という台詞とシンクロ。もともと破天荒なアカギの生き方を丈と重ねている。

だからこそアカギ後期EDが、自由そうに旅をするアカギなのではないだろうか。アカギも丈のように、鷲巣とは限界までやりきったから、新しい自分となって旅に出たとも取れる。ちなみに服もはだけてるw(脱衣演出?) 

精神疾患の治療過程として、「過去の元気な自分」に戻ろうするのではなく、「新しい自分」になるのを目指そうというプロセスがある。高屋敷氏の「脱衣演出」や精神疾患対処はそれに近い事を描写している。理由は不明だが時代先取りすぎて驚かされる。

めぞん一刻脚本67話:梅酒がもたらす愛情

めぞん一刻は、アパート「一刻館」に住む青年・五代と、一刻館管理人で未亡人・響子との、山あり谷ありのラブコメ(原作・高橋留美子先生)。高屋敷氏は最終シリーズ構成と脚本を担当している。監督(最終シリーズ)は吉永尚之氏。

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開幕から美味しそうな飲食物(特徴)。五代の祖母、ゆかり婆ちゃん手製の梅酒。丁寧な描写でとても美味しそう。また、特徴である、意味深な梅酒のアップが入り、梅酒=重要キャラ(特徴)であることを示している。

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ゆかり婆ちゃんは、そろそろ就職活動をしなければならない五代(婆ちゃんにとっては裕作だが、五代と表記する)が気になっていた。

一方、五代と友達は、喫茶店で就職活動について話していた。ここでも意味深な吸い殻のアップが出てきて、半端ない煙草描写(特徴)。カイジ脚本と比較。しかもこの煙草描写はアニオリである。こういった場面で、絵面で高屋敷氏脚本とわかるのが毎度面白い。

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ところで、五代の友達の一人を、カイジのナレーション役である立木文彦氏が演じている。また、五代=カイジのおっちゃん役である二又一成氏と合わせると、カイジの声優が揃い踏み。

話を戻すと、五代達の通う大学はいわゆるFランであるため、五代の友達は就職活動に苦戦。まだ就職活動を始めていない五代に、友達は呆れる。ここのやりとり、原作より時間を割いており、五代と友達の、男同士の微笑ましい会話になっている(特徴)。

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自分も就職活動に本腰を入れねばと決意した五代は、保育園のバイトを辞める、と園長に言うが、園長は、園児達に人気のある五代を手離しがたく、9月になったら、また来て欲しいと頼みこむ。五代は園長の熱意に負け、承諾する。園長がやさしい(特徴:やさしい中高年)。

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帰宅した五代は惣一郎(犬)と戯れるが、それが原作より幼く可愛い(特徴)。また、何かをペロペロ舐める描写は、同氏作品によく出てくる。はだしのゲン2脚本と比較。

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響子は、五代宛に就職案内が沢山来ていることを告げる。五代は、就職活動を本格的に始めると響子に力強く宣言。

自室で就職案内をチェックする五代は、就職が決まった場合の、響子との夫婦生活を妄想。だが、四谷がやって来て妄想は中断となる。

四谷は、一流企業は現実的に無理だと言うが、五代は反発する。四谷にからかわれる五代が幼い(特徴)。五代はなんとか四谷を追い出す。ここでも蚊取り線香の意味深なアップが映る(特徴)。

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四谷が、現実を直視せよと言った直後にこれが映るので、蚊取り線香は、これから五代が直面する現実を予告するキャラとなっている?

翌日、大学で求人票を見た五代は、希望する大企業が全然無い事に落胆する。

一方八神(五代に惚れている女子高生)は、今日も今日とて五代を家庭教師として扱い、一刻館に向かっていた。

そんな折、八神はゆかり婆ちゃんと鉢合わせする。ゆかり婆ちゃんは、八神に荷物を持って欲しいと一方的に頼み、一刻館に向かう。文句を言いつつも、八神は方向が同じなため、荷物を持ってあげる(特徴:お年寄りに優しい)。

一刻館にて、出勤(夜勤)しようとしていた朱美は、ゆかり婆ちゃんを見つけ、再会を喜ぶ(ゆかり婆ちゃんは、以前訪問済)。ここも特徴で、朱美がお年寄りに優しく、手を握る。

手を握るのは同氏の特徴の中でも重要。様々な親愛の情を表す。ど根性ガエル演出と比較。

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ゆかり婆ちゃん=五代の祖母と知った八神は、態度が急変し、へりくだる。一刻館の面々は、それを見て呆れる。

五代の部屋には四谷(四谷も、八神の家庭教師)がスタンバイしており、結局、ゆかり婆ちゃんを囲んで、いつもの面々が五代の部屋で駄弁ることになる。朱美も店を休んで参加(一応、八神は四谷から授業を受ける)。

その頃、五代は親友の坂本と飲んでいた。ここでも、高屋敷氏特徴の煙草描写&物のアップが出てくる。

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そして、またしても高屋敷氏十八番のビールテロ。挙げればキリがないが、カイジ2期脚本と比較。

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坂本は、情熱が認められて一流企業に入った、同じ大学の学生の話をする。大事なのは情熱だと、二人も希望を持ち、酒が進むのだった。ここでも、男同士の気さくな会話が上手い(特徴)。

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ルーツはエースをねらえ!演出での、ひろみとマキの気さくな関係からだろうか。

本作は、恋愛ドラマより、こういった友情や仲間愛、疑似家族愛が目立つように感じる。もともと、高屋敷氏はそういった博愛の表現に長けているためだと思うし、それを利用して、恋愛よりも義理人情溢れるホームドラマの側面を強く出しているように見受けられる。これも、「(最終シーズンの)シリーズ構成」としての個性を感じる。

一刻館では、八神が、五代の帰りを待たずに大人しく帰宅する。いい子を演じて、ゆかり婆ちゃんに取り入る腹づもりであった。しばらくは、ゆかり婆ちゃんを口実に五代と会えるので、八神は内心喜ぶ。その一方で、ゆかり婆ちゃんは鋭く、八神・響子・五代の三角関係を見抜いていた。

夜、五代は泥酔状態で帰宅。五代は、ゆかり婆ちゃんが来ていることに驚くも、ゆかり婆ちゃんの歓迎会に加わる。

ゆかり婆ちゃんが、就職活動について五代に尋ねると、五代は坂本との話を思い出し、「情熱さえあれば一流企業も夢じゃない」と宣言する。ハイテンションの五代を見て、一刻館一同も盛り上がり、宴は夜更けまで続いたのだった。

翌朝、五代は、ゆかり婆ちゃんに叩き起こされる。就職活動における会社回りの初日ということで、ゆかり婆ちゃんはご馳走を作ってくれていた(特徴:飯テロ・ご馳走のアップ)。

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大げさだと五代は言うも、五代とゆかり婆ちゃんの会話が、気さくで和む。五代の「男の子らしさ」が、良く表現されており、高屋敷氏らしさが出ている。

皆に万歳三唱で送り出された五代は、気合いを入れて会社回りに挑む。

しかし現実は厳しく、どこに行っても、まともに相手にされなかった。

その頃、ゆかり婆ちゃんは、第六感で五代を心配していた。響子は、就職活動はまだ始まったばかりだと励ます。そこへ、ゆかり婆ちゃんが作った梅酒が宅配便で届く。”これがないと夏が過ごせない”と、ゆかり婆ちゃんが取り寄せたのだ。

響子とゆかり婆ちゃんは、美味しい梅酒を飲んで涼む。

その頃五代は、現実の厳しさを噛み締めていた。そんな折、五代は、こずえ(五代に好意を寄せていた、序盤の響子のライバル)とバッタリ会う。喫茶店にて、こずえが銀行に内定したと聞き、五代は益々ダメージを受けるのだった。

その夜、一刻館の面々は相変わらず、ゆかり婆ちゃんを囲んで酒盛りをしていた。帰宅した五代は呆れつつも、ゆかり婆ちゃん手製の梅酒の美味しさに感動する。

時間経過とともに梅酒は減っていくのだが、ここでも、高屋敷氏特徴の、意味深な梅酒のアップが入り、梅酒は、ゆかり婆ちゃんや五代の不安を和らげる、重要な役割を担っていることがわかる。

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飲みまくった五代は酔っ払い、気が大きくなる。「五代裕作は元気印の男の子なのです」とクダを巻く五代が幼い(特徴)。

その様子を見た一刻館の面々は、会社回りが上手く行かなかったことを悟り、彼らなりに慰める(特徴:疑似家族愛)。だが、あまりに大げさな慰め方なため、響子は皆をたしなめる。酔っ払った五代は響子の手を握り、立派な会社に入ってみせる、と、プロポーズまがいの事を言う。響子が戸惑いながらも励ますと、五代は泣き上戸となり、響子の膝の上で泣くのだった。

ここで明らかになったのが、以前も述べた、アニメ版五代の「”男“の幼さ・可愛さ」。響子の母性本能をくすぐるよう設定されている。現に、膝枕をしてあげる響子の表情は優しい。同氏脚本コボちゃんでも、膝枕シーンがあるが、この場面も、いつも背伸びしている水ノ江(コボの友達)の素の幼さを表現していた。下記画像は、今回とコボちゃん脚本。

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  • まとめ

大人(社会人)になろうとする話なのに、いつもながら五代が原作と比べ幼く可愛い。回を追う毎に、それが母性本能をくすぐるためのものだと確信できる。高屋敷氏は、演出であろうと脚本であろうと、こういった、幼さの表現が非常に上手い。

あと、物=キャラという特徴も、特に梅酒という形で表れている。梅酒は、ゆかり婆ちゃんが五代を心配した途端に届くし、落ち込んで帰宅した五代を酔わせ、慰めてくれたりする。極めつけは、響子の膝枕。梅酒が作ってくれたシチュエーションとも言える。このように、冒頭~終わりまで、梅酒が話運びのキーキャラクターとして活躍している。そのため、梅酒のアップが印象的なのだろう。

また、五代を取り巻く一刻館の面々の、疑似家族愛もクローズアップされている。特に、的確なアドバイスをしたり、五代の空元気を見抜いたりする四谷が渋い。これも、恋愛というより疑似家族を含めたファミリーものとしたい高屋敷氏の意向が窺え、原作通りであろうとも、シリーズ構成・脚本の個性は、作品を左右するほど強いことがわかる。

私は、子供の頃から原作を読み親しんでいたが、この、高屋敷氏の解釈は新鮮に映る。原作の五代は、妄想癖のある愛すべきバカという感じだが、高屋敷氏担当シリーズ・脚本の五代は幼く可愛い。母性本能をくすぐる存在として見事に機能していると思う。同氏シリーズ構成・脚本のカイジでも、女性視聴者の母性本能をくすぐるように、所々設定されている。

こういった、男性が描く男性キャラの可愛さは、あざとさがあまり無く、また、高屋敷氏はそれに長けている。同時に、カイジ(脚本・シリーズ構成)や「家なき子」(演出)のレミのように、突如大人の男としての豹変を見せるのも高屋敷氏の真骨頂。五代の場合、響子との仲が親密になる終盤の、男としての成長をどう書くのか、益々興味深くなった。