マッドハウス版X-MEN6話脚本:過去作の雪山や原爆の悲劇を救済。ゲン2脚本の温かいおんぶが生きる
XMEN脚本6話。(Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくならないので、pic.twitterから始まるurlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)
本記事を含めた、マッドハウス版XMENに関する記事一覧:
https://makimogpfb2.hatenablog.com/archive/category/%23XMEN
- 6話までのあらすじ
恋人を亡くしたサイクロプスが仲間の支えで立ち直り、日本の東北地方で少年少女のミュータントがUMENに拉致され行方不明になるという事件をXMENの仲間達と追う。
罪のない青年が怪物化し、死ぬしか救いが無いという悲劇にXMENは遭遇。
XMENは拉致された他の少年少女ミュータントを救出、その中に久子とエマがいた。救出作業中、UMENのロボット?が襲って来るが何故か臓器を寄越せと連呼する。ロボットに襲われピンチとなる久子を、家庭教師のエマが身を挺し守る。だがそれを切欠に二次変質を発症。ミュータント特有の現象で、怪物化の危険がある。
ビーストは検査とワクチン投与のためエマをXMENホームのエクゼビア機関に連れて行くことを提案。エマが、恋人が死んだ際にいた女に似ていることで疑念が晴れないサイクロプスだが、久子の純真さなどに根負けし承諾。幸い、エマの二次変質は良性だったが、道中遭遇した敵は罪もないミュータントが実験で怪物化した姿だった。そうした現象が日本の東北地方のみで頻出する為、XMENは捜査を更に続行。
一方訓練や試練に耐え、久子、エマがメンバーに。
プロフェッサーXの精神ダイブ能力を使い、エマは皆に自分の記憶を見せる。迫害や差別、悪への加担の過ちなど複雑なものだが、ジーンを殺した過去はなく、サイクロプスの疑念は晴れ、正式メンバーと認められる。
全員が再び捜査のため日本の東北へ。出発前、エマはテレパシー能力の干渉でプロフェッサーXの記憶にある「佐々木結衣」という女性の存在を知ってしまったことを彼に話すが、エマは話したくないのならいい、と保留に。
─────────────────────
今回は6話。
なんか凄いことになって…ざっと見ても
ゲン2脚本要素が濃い。あとジョー2脚本、元祖バカボン演出脚本、エースをねらえ!演出、鉄人28号太陽の使者脚本、赤ルパン演出・脚本、家なき子演出、多分ガンバ脚本経験やガイキング演出要素。更に出崎哲式回転演出などの特徴が見られる。
そして、
- 可愛い友情
- 可愛いおっさん
- コミカル要素
- 敵もどこか可愛げある
- お年寄りに優しい
- 疑似家族
- 自然や物=キャラ
- 知略
- 豹変
- 夕暮れ
- 過去・未来作シンクロ
- 年上が体を張る
- アイデンティティを形成する物を失っても自己を保てるかの「脱衣演出」
等、特徴沢山出た。
話は、5話で正式に久子とエマをメンバーに加えて日本東北の謎を再び調べる所から。
まず久子と親友のやりとりが幼い。まんまエースをねらえ!のマキとひろみ。
ミュータント2次変質→怪物化を防ぐためにビーストが住民を診断、ワクチンを打つ姿がジョー2脚本のキニスキー博士っぽい。
ミュータントで酷い二次変質を起こし腕や背中が異形になった患者が、ゲン2脚本の腕・顔や背中の火傷跡が酷かった、かつ子に似る。
ビーストの診断が優しい(特徴)。
下記シンクロや特徴;
- 川や鉄橋、森の異変(ゲン2脚本の原爆)。
- 雪山・雪原・雪中で家を見つけ助かる(家なき子演出)
- ミサイル(赤ルパン脚本)
- エマやプロフェッサーXのテレパシー(ジョー2脚本、ホセやカーロスとの言葉を越えた会話)
- 雪が怪物化し襲う(自然もキャラ)
- 母艦墜落(元祖バカボン演出、太陽鉄人28号脚本)
- 敵がストームをお天気ねーちゃん呼ばわり(敵もコミカル)
- 久子の戦闘中の台詞が幼い(特徴)
- 久子の纏う精神シールドの鎧と、組み合う敵ロボの画が鉄人28号太陽の使者っぽい
- ビーストが知略(特徴)で弱点攻撃。
- ビーストが出崎哲式高速回転
- 敵やられっぷりコミカル(特徴)
- 敵自爆(赤ルパン脚本)
- ウルヴァリン斬撃が赤ルパン五右衛門的
- 母艦を失い生身で行動(鉄人28号太陽脚本)
- 厳しい雪中を行く(家なき子演出・キートン脚本)
- 寒さを暖めるためビーストが久子をおんぶ(ゲン2脚本、母をおんぶする主要構成)
- 出崎的多層美術・哲式遠景が出る怪
- 寒さをしのぐ親切な家、暖炉(家なき子演出)
5話でビーストが久子に、サイクロプスは大きな心の傷を追っていると言い、今回久子はサイクロプスに心の傷とは何かを聞き、エマは咎めるが、サイクロプス高速回想。
恋人を失ったのが傷なんだが、ジョー1、2脚本力石の死と重なる。カイジや、一歩3期同氏脚本における沢村も心に大きな傷を持つ。
びっくりしたが、ゲン2脚本だとゲンの母は死ぬ間際、ゲンに背負われながら「ゲンの背中ぬくいねえ。まるで父ちゃんみたい」と言うが、今回はウルヴァリンが久子を抱っこして「ビーストの背中はあったかいぞ」と言い、ビーストが久子を優しくおんぶする。凄い時空を越えた救済
家なき子演出、雪中でレミ達は何度も死にかけ、無人の小屋や親切な民家に救われる。今回、寒さをしのいだ家の主が、4話同氏脚本で台詞だけ出た佐々木学園の先生で、伏線回収。キートン脚本もそうだが、家なき子の雪中の犠牲者(ビタリス、動物達)を救済する要素がある
- まとめ
ここまで2、4、6と確実にゲン2脚本要素が出るのが凄い。割とマーベルは日本アニメ好き(だからゲーム化も認め、マッドハウスも川尻善昭氏ラブでの指名な気がする)だし、敵にも日本アニメ的悲劇性がある。なのに同氏脚本にはゲン2脚本要素多いのが大胆行動。
私も前に見た時、ここまでゲン2脚本と関わりあるとは思わなかった…だが被爆者を思わせる二次変質患者は優秀な医者(ビースト)で助かる見込みがあり、今まで同氏作品に出て来た役立たず医者と違うし、おんぶも救いのおんぶ。Ridebackもだが。結構戦慄
アメコミ原作に密かに、アメリカが落とした原爆の悲劇を描いたはだしのゲン要素をばらまいてるのもだし、ジョー2最終回脚本が希望満々にも取れる描写、出崎統作品やチエ脚本で監督の好みと逆アプローチをかけるなど、凄く自己の意思は貫く同氏の姿勢が窺える。
もともとウルヴァリンやビーストは嗅覚や聴力が優れるが、これ…同氏演出多数の家なき子のカピを始めとする、犬達と重ねてるのでは…現に雪中をさまようXMENは、ウルヴァリンが人の臭いを察知したことで民家を見つけている。 凄いギャップだが大胆応用
- 画像1
怪物くん、めぞん、カイジ脚本の自然=キャラ(雷)、出崎哲式遠景(ルパン演出)、3段目、ゲン2脚本は骸骨、今回は魚の死骸の川。カイジ脚本は地獄のイメージが今回の禍々しい川と似る。ちなみに、カイジ破戒録同氏脚本で、水中骸骨のイメージが出て、川に骸骨があったゲン2脚本とシンクロ。
他は、ジョー2・ゲン2・ルパン脚本の、
- お年寄りに親切
- 医者
- 酷い身体変質や火傷
- ミサイル
- おんぶ
- 画像2
ルパン演出雪山アクションや斬撃、元祖バカボン演出の墜落、ルパン脚本の多段飛び、カイジ脚本一瞬の弱点攻撃、今回の出崎哲回転。
5段目右から1、2枚が出崎哲氏本家。
鉄人28号脚本的画
- 画像3
敵に愛嬌:エースをねらえ演出、らんま・カイジ脚本。敵自爆:ルパン脚本。幼い友情、コミカル:エース演出、カイジ脚本。火雪家=キャラ:ベルばらコンテ、家なき子演出、ジョー2脚本。ゲン2脚本癒しの飲み物、頻出の地図 pic.twitter.com/aD0gyGdvSE
コンテはガンダム多数の大塚健さん、流石のメカアクション。あと木崎監督がアフロサムライ監督なので敵ロボがアフロサムライ的w演出の西本由紀夫さんはベテランで出崎哲監督のバケツでごはん、もやってる。回転はそのせい?
かなり戦慄したのは、高屋敷氏演出の赤ルパンの雪山アクションと今回の雪山アクションが相当シンクロを起こしていたこと。滑走、雪が崩れる、ジャンプ等。状況や速度は全く違うがw毎回脚本からの映像シンクロが怪。XMENは近年なので引き出し数が多すぎて書ききれない
- 補足:
ちなみにヒサコの親友の名前は「キョウコ」。エースをねらえ!の音羽さんの下の名前がキョウコ、同氏後半シリ構成・脚本の、めぞん一刻ヒロインが響子。ゲストは好きに命名できそうだから意図的?まあ今回の一番の驚きは、ゲン2おんぶとのシンクロ。ビースト推し?
1クールだしアニマックス限定作品だから、そんなに語ることも無いだろうと思ってたが、カイジ直接脚本ともなると過去作要素が10作以上入ってたわけで、このXMENはカイジ2期直前2010~11、つまり40年分の引き出しがある。とんでもない魔窟になってる
- こちらも参考までに
ゲン2脚本の重要構成要素のおんぶ、原爆の火傷痕、川の異変などが今回とシンクロ:
ジョー2脚本45話:
雪の中旅をする幼少ジョーを招くようなキャラ性を持った小屋が出たり、食べ物が意志を持つようにジョーを救う回想が出る回。
今回、人間のにおいを察知できるウルヴァリンのおかげで、雪の中民家を発見できる。本当は家なき子も相当近いが画像が用意できてない
二人の考えの違いが露呈したような回ww
この話も、主人公達の乗る飛行機が墜落する。こっちはギャグのため無事
元祖バカボン演出32話、建物もキャラであるという主張。顔が描いてある。今回も合掌造りの家や雪山での救い家が象徴的。
togetter家なき子(同氏演出)