めぞん一刻85話脚本:年齢問わず表現される「“男の子”の世界」
(Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)
めぞん一刻は、アパート一刻館管理人の未亡人・響子と、一刻館住人・五代を巡るラブストーリー。
前回まで:
五代のライバル・三鷹は、自分の両親と、響子の両親との顔合わせを成功させる。
一方、保育士を目指す五代は、大学の卒業試験を控えていた。
五代は以前、諸事情によりバイト先の同僚・かすみの子供達を預かって世話をしていた。その後かすみは良い再婚相手を見つけ、子供達と共に幸せに暮らすことに。それを報せる手紙を読んだ五代と一刻館の皆は喜ぶ。特徴の、心のこもった手紙。ミラクル・ガールズ脚本と比較。
卒業試験を明後日に控える五代だが、いつもの如く、一刻館住人の飲み会が五代の部屋で開催される。
一方三鷹は、本人ぬきで見合い相手・明日菜との縁談がどんどん進み、結納の日取りまで決まってしまう。明日菜から、結納の話を初めて聞いた三鷹は狼狽。
明日菜は、三鷹と響子の両親同士が会った事をテニスクラブで聞いたので困惑。明日菜は、偶然居合わせた五代にその事を相談する。五代は彼女を励ますも、三鷹が響子を諦めていない事に気付き、三鷹と対峙する。対決姿勢が男臭い(特徴)。カイジ2期脚本と比較。
対立した三鷹と五代は、拳で決着をつけることに。だが決闘場所は中々見つからず、おまけに警官に目をつけられ追いかけ回される。
拳で決着…はジョー2脚本(上段右)を思わせるので比較。だが、決闘はことごとく邪魔され、コミカルになる二人は幼く可愛い(特徴)。
警官に追いかけ回されている間、五代は鞄を置き忘れてしまうが、警官は五代を追いかけ、鞄を届けてくれる。特徴の優しいおじさん・義理人情。自転車シーンが、ど根性ガエル演出を思わせるので比較。
結局、決闘どころではなくなった三鷹と五代は、自販機でビールを買い、飲みまくる。特徴のビールテロ。おなじみのカイジ2期脚本と比較。
五代が卒業試験を控えていると聞いた三鷹は、落第を自分のせいにされちゃ堪らんと、五代を帰らせる(特徴:男同士の友情)。
泥酔して帰宅した三鷹だが、そこには明日菜がいた。結納について確認するためである。
一方、駅に着いた五代は、雨の中待ち続けていた響子と対面する(一緒に夕飯を食べる約束をしていた)。ジョー2脚本にて、雨の中、丈を待ち続けた葉子を思わせる。
五代が飲んで来たと知った響子は、五代を思いきりビンタするのだった。
画像はビンタ集。今回、ど根性ガエル演出、ベルばらコンテ、カイジ2期脚本。どれも母性を感じさせるのも特徴。
- まとめ
三鷹と五代の対決に、同氏の特徴が沢山出ている。
拳で決着をつけようとする二人を描写するにあたり、ジョー2脚本の経験が生きている。落ちる葉を捕まえる、ボクシング定番ネタもある。葉を人に例えて会話するのも、物=キャラの特徴が出ている。
特徴である、幼く可愛い「男の世界」も、大きく出ている。三鷹も五代も、とても成人男性とは思えない子供っぽさ。
これはカイジでも存分に発揮されている。特に2期24話脚本の、ボロボロになった一条とカイジの子供っぽいどつき合いに出ている。
五代と三鷹の対立が、いちいちカイジと一条を思わせ面白い。
一条と三鷹がキザなイケメンなのも共通。
取り合っているものは違えど、人生を賭けているのも共通。また、闘ってるうちに互いを思い合ってしまうのは、ジョー2脚本にも通じる。
あとは、ラストのビンタ。前述の比較作品に並び、ジョー2脚本にて、減量中の西が密かにうどんを食べているのを丈に見つかり、殴られる場面にも重なる。丈も響子も色々な感情を込めて殴っている。
殴ることによる意思の伝達も、今回とジョー2で共通。
また、今回も、雨や葉、傘などが話を盛り上げるキャラクターとして活躍している。
台詞ではなく映像に個性が出てくる「脚本」は相変わらず怪だが面白い。
そして「男の幼さ・可愛さ」が三鷹と五代に沢山適用されている事に、同氏のこだわりを感じさせる回だった。