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カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

チエちゃん奮戦記7~8話脚本:テツから学べる!?鬱や過労の対処法

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Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくなりませんが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます)

冒頭、テツが見る夢がシュール。ホルモン型宇宙船に乗ったチエ達に置いていかれる夢。働かない奴は乗せないと言われる。どう見ても同氏脚本参加の、忍者戦士飛影のセルフパロ。今回と飛影脚本回(下段)を並べると凄い https://t.co/CRWRJHXnSH

 とにかく、ぼっちになるのが嫌(同氏特徴:孤独は万病の素)なテツは、一念発起してホルモン屋の切り盛りを再開する。エプロン・ホウキ姿が、これまた同氏脚本・最終シリ構の、めぞん一刻のセルフパロ的。 https://t.co/4UA6QGwhBb

チエはテツのエプロン姿が嫌で、お好み焼き屋にて、テツは病気だと百合根やヒラメに嘘をついてしまう。そして、チエ達と入れ替わりに、相撲取り達がお好み焼き屋に入って行く。こうして今回も、安定気味の西萩にゲストが来ることで話が動いていく。

テツがホルモン屋で働くのを再開しようとするのは、1期にもあった。その時も今回も、おジィはん(テツ父)が喜び、そして心配する。女性陣が圧倒的に強い西萩組において、おジィはテツの意外な繊細さを知る数少ない人物(もう一人はミツル)。これも1期からの継承。

だがテツがホルモンをどんなに焼いても、びびって客が来ない。ところでホルモンを焼きすぎるのも、1期にてチエがヤケクソになった時にやっていて(これも高屋敷氏脚本)、親子そっくり。これも1期を覚えてないとならない。ちなみに1期は50話近いから凄い記憶力

そこへ百合根がやって来て、相撲取りがお好み焼きを食べ続けているのでチエに手伝ってほしいと言う。テツが病気という嘘を信じ、ホルモン屋が休みと思ったからである。嘘はばれるが、チエは百合根のヘルプに行く。嘘がばれるとシラを切るチエの性格も1期からの継承

その頃、百合根の店では相撲取り達がお好み焼きを食べまくり、猫のジュニアや小鉄まで店を手伝っていた。猫達も可愛い(特徴)。高屋敷氏特徴、飯テロの嵐! https://t.co/03HB1ni87X

下記はカイジ脚本との比較。どちらも、物凄く食べたくなる。

関取は連敗続きで、ゲン直しのための飲食店を探し求めていたのだった。関取の名は鰻谷 。ヒラメとチエの会話が幼く可愛い(特徴)。画像は可愛い集。 https://t.co/YNqYdT3PaF

下記はDays脚本との比較。Days脚本の話になるが、言葉では建前を言っていて、ボールに本音をこめて渡している。心を伝えるキャラクターとしてボールが活躍しており、非常に高屋敷氏らしい特徴。 

 

話を戻すと、関取達は未だ連敗続きなので、今度はホルモンを食べに来るという。一方テツは、知り合いやヤクザを脅して予約を取り付ける。カルメラや百合根の本音として、テツが働いたりすると迷惑…というのが出てくる。これも1期から続く、西萩連中によるテツの飼い殺し。

テツの強制招集と関取の分の準備で、おジィはんとテツは張り切る。準備のやり方について説教するチエと、カイジ脚本のおっちゃんの動きが奇跡的にシンクロw 

https://t.co/a2lqeuH6Ru

そうこうするうち、関取達がやって来て、ホルモンを食べまくる。 

関取達のせいで店は貸切になり、テツが集めたヤクザ達は外でホルモンを食べさせられる。ヤクザ達の(ぬか)喜び方が可愛い(特徴)。画像は今回、カイジ・飛影・ワンナウツ・Days脚本、忍者マン一平監督 https://t.co/StFSDyp1mN

チエ・テツが外にいる客にも正規の値段を請求するネタは、1期高屋敷氏脚本にもあった。百合根とカルメラが、それに慣れているセリフも出てくる。 かくしてテツは店の繁盛をチエに自慢するのだった。8話へ続く

  • 8話

前回からの続きということでチエのナレが入る。ナレの上手さも高屋敷氏の特徴で、監督作の忍者マン一平では、学校仮面という、ナレーターとしてのキャラが出てくる。まさにナレとキャラがかけあいをするかのような妙技は、カイジ脚本・シリ構にも生かされている。

テツのホルモンを食べまくった関取の鰻谷は勝利する。皆で見ている相撲中継、白黒なのもあり、ジョー1高屋敷氏脚本疑惑回に似てる。スローになるのもシンクロwまた、試合実況や解説の上手さも同氏特徴。 https://t.co/cybaAbyuBu

関取の鰻谷は、連日勝ちまくり、その度にテツのホルモンを食べに来るようになる。連日のホルモン焼きに、テツは疲弊するようになる。今問題になってる、ワンオペ先取りw他作品の鬱病対処の見事さや先見の明といい、同氏作品の精神疾患描写は何故か鋭い。

さらに追い討ちで、他の相撲取りも、ゲンかつぎにテツのホルモンを食べに来る。そして全員勝ち続け、まさに野獣のようにホルモンを連日貪り食うようになる。画像は食べカスのシンクロ。今回・らんま・カイジ脚本 https://t.co/7Kdp00sIGl

テツは疲弊し、昼間は寝込むようになる。相撲取りが勝つ度チエ達は喜ぶが、おジィは喜べなくなり、テツを心配する。テツの繊細さがわかるおジィだからこそで、1期の同氏脚本でも、喧騒を離れて二人でラーメンを食べる名場面がある https://t.co/xxIFzGTWIF

テツは疲弊しつつも、天丼やホルモンで無理にスタミナをつけ、連日店に立つ。そのうち相撲取りのばらまいた串がテツの頭に刺さり、段々テツの様子がおかしくなる。そして大阪場所が終わりに近付いた日、鰻谷達が弟子をいじめているのを、テツが目撃する。

テツは弟子の浴衣を奪い、弟子に変装する(特徴:脱衣演出)。そして、弟子をいじめた連中を一網打尽に(特徴:大逆転)。かくして相撲取り達は全員負傷・不戦敗に。自分を取り戻したテツは満足するのだった。 https://t.co/yCs55wwnwq

  • まとめ

テツが働こうと思った、もともとの目的はチエに見捨てられて一人ぼっちにならないようにするためだった。なのに、働きマシーンとしてテツは一人ぼっちになったあげく、「テツの焼くホルモンを食べに来るんやで」とチエにすらワンオペを強要される。

この、自分がやるしかないという疲弊→寝込みは、過労による鬱病手前の状態。他作品含め、高屋敷氏が、精神疾患について何故ここまで先見の明があるのかは、多いに興味深い。もっとも、チエ世界は原作からして、猫のジュニアすら季節性鬱にかかっている。

同氏「はだしのゲン2」脚本では、ゲンや孤児達は、鬱病老人を家族として迎え、何も強要せず、ゆっくり自主的に動けるようになるよう見守る。
今回の場合、テツは体力と強さと無責任さに長けているので、自分を取り戻すことができた。無責任であることも鬱対処の一つ。

また、「自分の道を行く」のも高屋敷氏ポリシーである。なんだかんだ、いじめられてる人を鉄拳で救ったことになったことこそテツの道であり、最後にテツは「ただのホルモン焼き屋やと思うなよ」と高らかに笑う。これは社蓄脱出にも使える理屈。

ただ問題なのは、1期からある、テツの「飼い殺し」。ミツル、ヨシエ、渉などは変わったのに、テツだけが、変わろうともがいても、周囲が、テツが変わるのを許さない。1期のボクサー化計画も、あまりにも竹本家が非協力的で、地獄組ボスは激昂した。

今回も、テツは関取級3人をKOした。つまり東洋チャンプと互角で、関取より強い。ところで1期の、東洋チャンプとテツがスパーリングする話は高屋敷氏脚本である。作品の都合で変われないテツだが、なんとか自分の道を見つけて欲しいと願って同氏は脚本を書いているのかも。

ところで同氏作品には名実況・名ナレーターが多いのも魅力の一つ。今回は相撲中継や、チエのナレーションが該当する。画像は名実況・解説達。今回、ジョー1脚本疑惑、ジョー2・らんま脚本。他も多数。 https://t.co/nRD2ebVzyP

今回は、前編でテツが変わることに成功し、後編で悲惨な方へ変わり、最後は元に戻るという構成。変わることを原作者や監督から許されないテツだが、私は可哀想に思う。高屋敷氏脚本回は、そんなテツが変化しようとするため、私は応援したくなるのである。

  • 補足

書き加えると、いじめられていた相撲部屋の弟子はテツに浴衣を脱がされたことにより、弟子というアイデンティティを喪失、いじめられる理由がなくなった。テツは、弟子に化けて相撲取りを倒すことで、店主ではなくなった。これも高屋敷氏的脱衣演出か?

つまり「かわいがり」や「ワンオペ過労」から脱却するには、「世間に求められている自分」を「脱いで」、本来または新しい自分になることが大事とも言えそう。数十年前から高屋敷氏の作品に精神疾患描写・対処が鋭く盛り込まれているのが面白い。

これに関しては、ジョー1脚本疑惑・演出手伝い疑惑にて力石の死と向き合う丈の精神崩壊を描いたのがルーツか。少なくとも、力石の死後、街を徘徊するジョーの回は高屋敷氏が制作進行。演出手伝い疑惑箇所もある。ジョー2脚本でも丈は力石の魂と向き合っている。 

そして同氏脚本のジョー2最終回、丈は真っ白になると決めて満足したからこそ燃え尽きる。そしてボクサーの証、グローブを脱ぎ(特徴:脱衣演出)、新しい自分になり旅立つ。そんな風にも取れる。前にも書いたが、代わりにグローブは死ぬ。

高屋敷氏シリ構・脚本のアカギにて、アカギは「まだだ。まだ終わってない。限度いっぱいまで行く」と言う。これもジョー2高屋敷氏脚本「まだだ。まだ真っ白になってない」という台詞とシンクロ。もともと破天荒なアカギの生き方を丈と重ねている。

だからこそアカギ後期EDが、自由そうに旅をするアカギなのではないだろうか。アカギも丈のように、鷲巣とは限界までやりきったから、新しい自分となって旅に出たとも取れる。ちなみに服もはだけてるw(脱衣演出?) 

精神疾患の治療過程として、「過去の元気な自分」に戻ろうするのではなく、「新しい自分」になるのを目指そうというプロセスがある。高屋敷氏の「脱衣演出」や精神疾患対処はそれに近い事を描写している。理由は不明だが時代先取りすぎて驚かされる。