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カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

元祖天才バカボン13話B演出コンテ:皆で食べるご飯の温かさ

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。)

大晦日の話。同氏は演出・脚本とも、多くの大晦日話を担当している。その中でも今回は、ど根性ガエル演出回のセルフオマージュが多い。
開幕の口アップも、ど根性ガエル演出と被る。

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バカボン一家は大掃除をするが、パパは結果的に邪魔ばかりするので、外に出て年越し蕎麦を買ってくるよう、ママから命令される。
画像は、元祖天才バカボン同氏演出のクセ。他の話(右)にも出る、湾曲した地面とスピード線。

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蕎麦屋を探すパパは、バカ田大学時代の後輩・細井と再会。丁度、細井は蕎麦屋を経営していた。再会シーンで、腕を絡ます所をアップにする所や可愛く踊る所が同氏特徴。画像は手と手のスキンシップ集。今回、エースをねらえ演出、ジョー2脚本。

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細井の蕎麦屋は、お客が一人も来ない程、閑古鳥が鳴いていた。ど根性ガエル演出での大晦日話も、梅さんの寿司屋が、蕎麦屋に負けて客が来ない状態だった。コンセプトが被る。画像は今回と、ど根性ガエル演出。 

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パパは細井の蕎麦屋に客を集めようと、バカボンと行動を開始する。その間、他の蕎麦屋やモブを著しく混乱させる。大量モブは、演出でも脚本でも、よく登場する。画像は、今回とエースをねらえ演出。 

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パパは、細井の店で紅白歌合戦が見れるとホラを吹き、大量の客を呼ぶことに成功。しかし実際は紅白ブタ合戦というダジャレだったので、怒った客と大乱闘に。手前に八の字の物体を置く構図は、同氏コンテのクセ。ベルばらコンテと比較。

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大乱闘から逃げたバカボンとパパは、土管の中で孤立。そこへ、ママや仲間、細井がやってくる。ぼっちの所に家族や仲間が来てくれる展開は、同氏特徴(ぼっち救済ポリシー)。ど根性ガエル演出と比較。

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土管の中にいるパパを細井が呼ぶシーンの構図(円の中に顔)も、出崎兄弟に影響を受けて、よく出てくる。演出なら解るが、脚本でも、よく出るのは怪。画像は今回、忍者マン一平監督、カイジ2期脚本。 

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細井は、蕎麦が大量に売れたと報告。大乱闘後、モブが空腹になったためである。
朗らかなモブも、同氏特徴。ど根性ガエル演出と比較。他も多数、脚本作でも出る。 

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蕎麦屋の繁盛を喜び、パパは家族や仲間と、年越し蕎麦を食べる。同氏演出のど根性ガエルでも、大晦日に皆で寿司を食べる。チエ2期脚本では、カルメラのラーメン屋に皆で来る。カイジ2期脚本も、皆で焼き肉パーティー。

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皆で食べるご飯は美味しい…も同氏ポリシー。

かくして、雪の中、パパは皆で年越し蕎麦を食べるのだった。
画像は、仲間と共に味わうご飯集(特徴)。今回、ど根性ガエル演出、カイジ2期脚本。他も多数。

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  • まとめ

脚本は、今回も山崎晴哉氏。この話は、高屋敷氏演出の、ど根性ガエル大晦日回と色々コンセプトが被っていて驚いた。高屋敷氏のポリシー、義理人情と、ぼっち救済がタップリ詰まっている。皆で食べるご飯は美味しい、も余程強調したいポリシーなのだと思う。

同氏は、じゃりん子チエの名場面、寒い部屋に、ひもじい思いで一人でいると死にたくなるから、ご飯はしっかり食べよう、とおバァはんが語る回の脚本も担当している。また、めぞん一刻脚本でも、皆で食べるご飯は美味しい、的な直球台詞がある。

このように今回も、ぼっち・ひもじさは、精神疾患の元になる、という時代先取りの精神疾患予防が前面に出ている。これは本当に何なのだろう、でもカイジにもそれが出ているから感動したのは確か。

同氏の演出・脚本とも飯テロが多いが、これも精神の安定に欠かせない要素。本能的にわかっているのか、経験則なのかは不明だが、確固たるポリシーとして、作品の前面に出ている。

高屋敷氏の扱う精神疾患について、以前まとめた記事がこちら:
http://makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2016/09/22/141354
思い起こせば、カイジ2期脚本でも、班長が、カイジは精神失調だと言い、食事させようとする(悪意あるが)所を強調している。

精神疾患の描写や予防策が、ギャグでもシリアスでもよく出るのが同氏の特徴であるが、それを無意識に視聴者に感じさせる手腕が毎回凄い。また、説教臭さはなく、結末は、ほっこりするものが多い。今回も、そういった温かさを感じさせる回だった。