カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんに興味を持って調べてみたら、膨大な量の担当作があることがわかりましたので、出来る限り同氏担当作を追跡しています。ツイッターアカウントは@makimogpfbです。

オヨネコぶーにゃん8A話脚本:プロの手腕

アニメ『オヨネコぶーにゃん』は、市川みさこ氏の漫画をアニメ化した作品。
ゆでた家に押しかけた、ふてぶてしい猫・オヨヨ(ぶーにゃん)を中心にしたギャグが繰り広げられる。
総監督:笹川ひろし氏、監督:葛岡博氏、シリーズ構成:金子裕氏。

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本記事を含む、当ブログの、オヨネコぶーにゃんに関する記事一覧:

https://makimogpfb2.hatenablog.com/archive/category/%23%E3%82%AA%E3%83%A8%E3%83%8D%E3%82%B3%E3%81%B6%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%82%83%E3%82%93

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  • 今回の話:

サブタイトル:「お見舞いは命がけ」

コンテ/演出:やすみ哲夫氏、脚本:高屋敷英夫氏。

原作にもあるエピソード(大分アレンジと肉付けがある)。

たまご(オヨヨの飼い主)達は、入院したモンブラン(たまごの同級生)のお見舞いに行くが、大騒動を巻き起こす。

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科学実験中、オヨヨがヨダレを垂らしたことが原因で、モンブラン(オヨヨの飼い主・たまごの同級生)が怪我をして入院したことが、オヨヨの口から語られる。高屋敷氏は、回想などの時系列操作が上手い。

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ひなぎく(たまごの同級生)は、モンブランのお見舞いに行こうと提案するが、(モンブランが好きな)たまごと言い争いになる。三角関係は、めぞん一刻忍者戦士飛影(脚本)でも巧みに描かれている。

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その後、たまご・ひなぎくうずら(たまごの弟)・まろん(近所の金持ちの子供)・黒子(まろんの従者)・オヨヨは、モンブランのお見舞いに行くが、迷惑ばかりかける。
元祖天才バカボン(演出/コンテ)も、バカボンのパパがかける迷惑の描写が上手い。

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迷惑行為を医者に怒られ、病室を追い出されたオヨヨ達は、今度はキャスターつき診察台に乗って暴走する。ここもまた、色々なイタズラや迷惑行為が描かれる、元祖天才バカボン(演出/コンテ)を彷彿とさせる。

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たまたま(ネズミ用の)病院に来ていたチューパー(たまご宅に住みついているネズミ)は、暴走するオヨヨ達を見て目を回す(アニメオリジナル)。
動物の愛嬌は、ガンバの冒険(脚本)などでもよく表現されている。

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オヨヨ達は暴走の末、モンブランを巻き込む。そして窓から落下し、たまたまいたアレレ(近所の美猫)と衝突(皆が落下するのと、アレレ要素はアニメオリジナル)。
色々なキャラの動向を捌き、最後に合流させる技術は、じゃりン子チエ(脚本)など、頻繁に見られる。

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結果、全員入院することに。どさくさに紛れてアレレを口説こうとするオヨヨだったが、アレレに「恥知らず」と拒絶されるのだった(アニメオリジナル)。「恥知らず」というフレーズは、おにいさまへ…(脚本)にも(アニメオリジナルで)出る。高屋敷氏の癖かもしれない。

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  • まとめ

 相変わらず、話の5W1Hがしっかりしている。今回はドタバタアクション回なのだが、それでも(ナンセンスギャグ世界だが)可能な限り理屈がつけられており、高屋敷氏の拘りを感じる。

 あと、じゃりン子チエ(高屋敷氏脚本参加)でもそうだったが、色々なキャラの動向を捌き、最後に合流させるのが、高屋敷氏は非常に巧み。年代的に、本作は、じゃりン子チエの後なので、手慣れている感がある。

 また、シリーズを通してだが、モンブラン、たまご、ひなぎくの三角関係については、原作より強調が見られる。本作の後、高屋敷氏が、様々な恋愛模様が入り乱れる、めぞん一刻最終シリーズのシリーズ構成・脚本を担当するのは面白い。

 そして、レギュラーキャラが周囲に迷惑をかけまくる展開に関しては、元祖天才バカボンの演出/コンテ/脚本経験が存分に活かされていると思う。それにしても、シリアスからギャグまで、高屋敷氏は守備範囲が広い。

 ギャグにしろシリアスにしろ、高屋敷氏は話を綿密に計算し、整理することを心がけていると考えられる。また、大人数を動かすことにも秀でる。同氏担当作を見ていつも思うことだが、同氏は目の前の担当作に、持てる技術を総動員している。

 本作の1話あたりの尺は7分弱(30分内3話構成)と短いが、脚本・演出・作画ともども、手抜きは感じられない。むしろ尺に収めるための高度な技術が見られる。本作は、高屋敷氏含め、しっかりした手腕のスタッフに支えられていると思う。