カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんに興味を持って調べてみたら、膨大な量の担当作があることがわかりましたので、出来る限り同氏担当作を追跡しています。ツイッターアカウントは@makimogpfbです。

オヨネコぶーにゃん20C話脚本:詰め込まれた技

アニメ『オヨネコぶーにゃん』は、市川みさこ氏の漫画をアニメ化した作品。
ゆでた家に押しかけた、ふてぶてしい猫・オヨヨ(ぶーにゃん)を中心にしたギャグが繰り広げられる。
総監督:笹川ひろし氏、監督:葛岡博氏、シリーズ構成:金子裕氏。

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本記事を含む、当ブログの、オヨネコぶーにゃんに関する記事一覧:

https://makimogpfb2.hatenablog.com/archive/category/%23%E3%82%AA%E3%83%A8%E3%83%8D%E3%82%B3%E3%81%B6%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%82%83%E3%82%93

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  • 今回の話:

サブタイトル:「大当り?星占い」

コンテ:木暮輝夫氏、演出:吉田健次郎氏、脚本:高屋敷英夫氏。

原作にもあるエピソード。星占いをきっかけに、たまご(オヨヨの飼い主)と、ひなぎく(たまごの同級生)は、モンブラン(たまごの同級生)を巡って激突する。

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オヨヨ、たまご(オヨヨの飼い主)、うずら(たまごの弟)、ひなぎく(たまごの同級生)は、星占いを楽しむ。ひなぎくがいるのはアニメオリジナル。おにいさまへ…グラゼニ(脚本)などでも、絡むキャラを増やすアニメオリジナル展開が見られる。

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絶好調の運勢と聞いた、ひなぎくは、策を思い付いて場を離れる(アニメオリジナル)。また、臨時収入ありと占いに出た、うずらは100円を拾う(原作は10円)。小銭を稼ぐ場面は、元祖天才バカボン(演出/コンテ)、めぞん一刻(脚本)ほか強調される。

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オヨヨも、自分の占い結果を知りたがるが、自分の星座がわからず、たまごやモンブラン(たまごの同級生)に相談するが邪険にされる。結局オヨヨは魚が美味しそうという理由で、魚座を選ぶ。ここは展開のテンポがいい。

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愛の告白を受けるという占い結果が出て、オヨヨは調子づいてアレレ(近所の美猫)にアタックするが、趣味じゃない、とアレレにふられる(アニメオリジナル)。手ひどくふられる場面は、ルパン三世2nd(演出/コンテ)などにもある。

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その後オヨヨは、ひなぎくから手紙を渡される。原作通りだが、手紙は重要なアイテムとして、F-エフ-・ワンダービートS(脚本)などなど、強調されることが多い。

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そんな折、たまごとモンブランが手を繋いで歩いているのを見た、ひなぎくは嫉妬し、たまごとバトルに。手紙がモンブラン宛と知り怒ったオヨヨもバトルに参加。
めぞん一刻・新ど根性ガエル(脚本)ほか、高屋敷氏は三角関係に縁がある。

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たまごと、ひなぎくの、どちらを選ぶのか選択を迫られたモンブランは、身の危険を感じ逃亡。忍者戦士飛影(脚本)でも、どちらかを選べない三角関係が描かれている。

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拾ったお金を交番に届けたら、警官からキャンディーを貰えて上機嫌のうずらは、たまご達の追いかけっこを見かけるがスルーする(アニメオリジナル)。キャンディーについては、ガンバの冒険(脚本)も印象的。

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モンブランは、工事現場の上に追い詰められ(アニメオリジナル)、オヨヨが好きと言う。オヨヨは驚いて転落するも、占いが当たったと感心する。
究極の選択は、カイジ(脚本)に重なるものがある。

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その後、モンブランはオヨヨと映画を見に行く羽目になるが、めかしこんだオヨヨを見て目を回すのだった(アニメオリジナル)。奇しくも、チエちゃん奮戦記にて高屋敷氏は、オカマ猫に迫られるオチの話の脚本を担当している。

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  • まとめ

 原作はかなり短いのだが、話を肉づけし、色々と辻褄を合わせている。高屋敷氏は、カットするにしろ、追加するにしろ、しっかりとプロットを管理する傾向がある。

 原作と違い、モンブランが命懸けの状況(工事現場の上に追い詰められる)になる展開は、色々と命懸けなカイジ(高屋敷氏シリーズ構成・脚本)と重なり、比較すると面白い。

 あと、原作は、モンブランがオヨヨを選んで終わるのだが、アニメオリジナルで、その後が描かれたのは興味深い。モンブランが気持ち悪い思いをするのは、白黒つけなかった罰なのかもしれない。

 その証拠に、オヨヨはモンブランに、話の中盤で、(たまごと、ひなぎくのうち)どちらを選ぶかハッキリしろと、色々(アニメオリジナルで)辛辣な言葉をなげかけている。色々見てきたが、高屋敷氏は、気持ちをハッキリさせるのが好みかもしれない。

 また、縁なのか、熾烈な三角関係、多角関係を扱うことが、高屋敷氏は多い。同氏は、もともと複雑な関係をハンドリングするのに長けるので適任かもしれないが、一方で、ハッキリ言う方が好きというジレンマがありそうだ。

 ともかく、原作が短いなら追加、長いならカットする必要が出てくるわけだが、その塩梅、整理、組み立てが、高屋敷氏は非常に上手いと、つくづく思う。本作は、原作が短い故に、アニメオリジナル部分に色々と高屋敷氏独自の個性が出ており、収穫が多い。

 今回で、本作の高屋敷氏の脚本回は最後となる。振り返ってみれば、1エピソード7分弱という尺の中に、いかに話を収めるかというテクニックに目を見張るものがあり、貴重な体験だった。