カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

カイジおよび福本作品、そのアニメが好きで、シリーズ構成の高屋敷英夫さんが、子供の頃からアニメのクレジットで凄くよく見る名前なので調べてみたものの膨大すぎてまとめきれなくなってきたので、自分のブログよりここに切り離してまとめることにしました。ツイッターアカウントは@makimogpfbです

ルパン三世PARTⅢ 9話脚本:己は唯一無二!クローンに対するルパンのマジ怒り

Togetterのバックアップです。修正や追加などで再構成しています。モバイルだと、クリックしても画像が大きくならないですが、urlをクリックするとtwitterの大きい画面で見えます。

前回6話は、高屋敷氏作品の中では異彩を放つ次元のハードボイルド話だったが(http://makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2016/11/14/105420)、急に絵柄も話もコミカルになった。他の担当者の回も同様。wikiにも回が進むにつれ、絵柄がコミカルになった、とある。確かに。

今回は、コミカルとシリアスが混じりあった話。原作にもある話らしい。

前半は、水虫に悩むルパンが、水虫の特効薬の原料になるという、古代エジプトのハスの種を盗もうとする話。

後半は、水虫を診た際にルパンの細胞を採取した科学者が、ルパンのクローンを作ろうとする話になる。

今回の演出コンテは橋本三郎氏。高屋敷氏監督作の忍者マン一平で何回も演出した。

また、ルパン3期のシリーズ構成の飯岡順一氏は忍者マン一平の文芸。飯岡氏は高屋敷氏が脚本を2つ書いたキャッツアイのシリーズ構成でもある。

またも馴染みだらけ。そのため忍者マン一平ぽい。

 

下記画像は、ルパンがノーベル賞権威の科学者に水虫を診てもらう場面のシンクロ集。今回、元祖天才バカボン演出、忍者マン一平監督。どれも菌が主人公を悩ませる。これもまた、高屋敷氏特徴の、もの言わぬもの=キャラの表れかもしれない。 https://t.co/foahllSEXY

舞台はマルセイユ。またも同氏特徴のご馳走アップや飯テロが出てくる。ルパンが水虫に苦しみ暴れても、次元はステーキを、五右衛門は湯豆腐を死守する食いしん坊。飯テロは数えきれないほどあるので、今回はカイジ脚本と比較。 https://t.co/B0GmtAA5Cg

後の伏線だが、ルパンは不二子から大量に靴下をもらっていた(特徴:贈り物)。水虫に苦しむルパンは、水虫特効薬のハスの種を盗みに行こうと次元を誘うが、次元は断り、水虫なんてマルセイユの太陽で焼けと言う。一方、日光を浴びた五右衛門は、靴下の秘密に気付く(特徴:太陽は重要キャラ)。

ルパンは一人でハスの種を盗みに行くが、水虫のせいで銭形に捕まる。序盤に出てきた博士(バドワール)が銭形に情報を売っていたのも、捕まった一因だった。

博士は情報を売った見返りに、ルパンの今までの情報をICPOから貰う。不二子も取引に絡んでいたが、念のため博士の部屋に盗聴機を仕掛ける(特徴:物が見聞きする)。

博士はルパンのクローンを作り、取り寄せたルパンの資料でクローンを一流の泥棒に育てることが目的。また、ルパンの資料(特徴:紙)について「夜の友だち」と読むのを楽しみにし、クローンで増やした2匹の猿と話す癖がある(特徴:ぼっち老人)。

博士が猿と話す癖があるせいで、不二子が仕掛けた盗聴機から、博士の野望が丸聞こえ。それをいつになくマジ顔で聞く不二子の間がある(特徴)。表情で、ルパンは彼女にとって唯一無二の存在であることがわかる。そして不二子は、ここからルパン側にまわることになる。

一方、次元・五右衛門は靴下の秘密に気付き、銭形に捕まったルパンを救出する。

不二子は、博士にルパンを売るため、靴下に足が痒くなる薬品を仕掛けていたのだった。

最初こそルパンを売ろうとした不二子だったが、博士のクローン計画には反対で、ルパン達に博士の野望についての情報を提供する。

不二子に続き、ルパンもクローンについての情報にマジ顔になる。

ルパンは「許せねえ」「気色悪い話だぜ」といつになくシリアスに怒る(特徴:豹変)。

ルパンは盗聴機を利用したギミックで博士の部屋の金庫を破り、「こんなもの絶対あっちゃならねえ」と培養中のルパンの細胞を破壊する。また、銭形も見事に出し抜いて去るEND。

  • 画像

同氏作品には医者や科学者がよく出る。役立たず医者が多いが名医もいる。画像は今回と、ジョー1脚本疑惑、ど根性ガエルコンテ疑惑、元祖天才バカボン演出、ベルばらコンテ、ゲン2・カイジ・XMEN・一歩3脚本 https://t.co/hUINuiC6RB

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シンクロ集。

1枚目は今回とカイジ脚本。ギミック描写(磁石など)やイメージ画が結構シンクロw

2枚目は今回と、キャッツアイ・ルパン2期脚本。 https://t.co/V6pTXo7cQe

  • まとめ

今回の目玉は、コミカル描写から一変、クローン計画を許さないルパンの、シリアスな怒り。不二子もいつになく深刻な顔になる。

神になろうとする人間(カイジの会長、ルパン2期のインチキ教祖など)に対する怒りは同氏のテーマの一つ?

一方で、人間の本質に迫り(同氏特徴:脱衣演出)、ものいわぬ体の声を聞ける(特徴:体の部位もキャラ)科学者や医者は大事なキャラだからよく出るのかも。

よい例はジョー2のキニスキー博士。ホセの身体の声を聞けるし、葉子の恋心も発見・診断した。

話の全体を見てみると、ギミックやアクションはコミカルでも、今回の話も6話と同じく、ルパン2期と差別化した、苦味走ったシリアスなものなのかもしれない。10話も見てみたが、やはりコミカルでありつつ政治的野望が絡む話だった。飯岡氏の構成方針は、シリーズを進めるにつれ少し変化するものの、根幹は不変かも。

下記画像はクローンに対しマジ顔怒りのルパンと不二子。倫理の逸脱への怒りもだが、不二子はルパンを、ルパンは自分を唯一無二と思っているからこそ怒る。また、細胞を取られたというのも、特徴の脱衣演出かも(今回の場合は、ルパンの本質)。 https://t.co/tAeFNKPrTQ

6話脚本のハードボイルド話との差に困惑したし、橋本三郎氏とのコンビもあり、忍者マン一平みたいで戸惑ったが、後半のクローンに対するルパンのマジ怒りで、コメディの中にある同氏のシリアスなテーマを再認識できる話だった。