カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんに興味を持って調べてみたら、膨大な量の担当作があることがわかりましたので、出来る限り同氏担当作を追跡しています。ツイッターアカウントは@makimogpfbです。

コボちゃん40B話脚本:ライフワークの側面

アニメ『コボちゃん』は、植田まさし氏の4コマ漫画をアニメ化した作品で、幼児のコボを中心にしたファミリーコメディ。
監督:森田浩光氏、シリーズ構成:城山昇氏。

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本記事を含む、当ブログの、コボちゃんに関する記事一覧:

https://makimogpfb2.hatenablog.com/archive/category/%23%E3%82%B3%E3%83%9C%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93

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  • 今回の話:

サブタイトル:「防災ピクニック」
コンテ・演出:小華和ためお氏、脚本:高屋敷英夫氏。

防災のための非常食買い替えで、いまある非常食を消化すべく、コボ達は防災訓練を兼ねたピクニックをする。

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冒頭、町の防災訓練における地震シミュレータの場面で、ランプが揺れる表現があるが、ランプを使った描写は多い。F-エフ-・カイジ2期(脚本)、宝島(演出)と比較。

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その後、コボの幼稚園や耕二(コボの父)の職場の防災訓練の様子が描かれる。ここは4コマ漫画原作アニメらしいテンポで進み、ネタの消化が上手い。

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夜、コボの家では、買い替えをするから、今ある非常食を食べる必要があるという話に。夕飯が非常食とは…とコボらは不満顔。飯テロは頻出だが、サバイバル飯の飯テロも多い。カイジ2期(脚本)、エースをねらえ!(演出)、MASTERキートンはだしのゲン2(脚本)と比較。

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そこで岩夫(コボの祖父)は、非常食を消費するためのピクニックを提案。それは決まったものの、今日の夕飯は(野菜炒めなど)冷蔵庫の中のものを消費するものとなる。ここも飯テロ(皆は不満顔だが)。じゃりン子チエアンパンマングラゼニ・F-エフ-(脚本)と比較。

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そして(防災訓練も兼ねた)ピクニック当日。荷物確認の際、ミネ(コボの祖母)は岩夫のへそくりを見つけてあると言い、岩夫は慌てる。結局へそくりは岩夫の手元に戻るが、カイジ2期・グラゼニ(脚本)など、金にまつわるシビアな話は様々な作品で目立つ。

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コボ達は、避難所に指定されている公園まで徒歩で移動する。途中、耕二と竹男(コボの親戚。コボらと同居中)はビールの自販機に誘惑され、岩夫に諌められる。ビールテロも頻出。RIDEBACKカイジ2期・めぞん一刻番外編(脚本)と比較。

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途中、コボは休憩しようと訴える。岩夫は拒否するが、ミネに、非常時を想定してコボを背負って歩けと言われてタジタジとなり、休憩を認める。強気なおばあさんは、ベルサイユのばら(コンテ)や、じゃりン子チエ(脚本)など、しばしばクローズアップされる。

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ようやく目的地の公園に着いた一行だったが、(お湯を沸かすための)固形燃料や、缶切りを忘れたため、乾パンしか食べられず。岩夫らは言い争いを始めてしまうが、周囲の目もあり止める。F-エフ-・ストロベリーパニック(脚本)ほか、高屋敷氏はモブを重視する。

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結局、皆は中華料理屋でラーメンを食べる。ここも飯テロ。F-エフ-・グラゼニあんみつ姫じゃりン子チエ(脚本)と比較。

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疲れはてた皆は、徒歩で帰ろうと言う岩夫に反対。結局、帰路はタクシーとなる。ミネは「嫌なら降りてもいいんですよ」と岩夫にイヤミを言う。ここの強気さも、じゃりン子チエ(脚本)の、おバァはんを彷彿とさせる。

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一行が帰宅すると、「鍵が開いていて不審だった」と、知り合いの警官が待ち構えており、皆は説教される。皆は、戸締まり係の岩夫を責めるが、実は押し入れの中に泥棒が隠れており、泥棒は出にくくなるのだった。多段オチは多く、高屋敷氏の癖が見られる。

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  • まとめ

 とにかく「食」にこだわる高屋敷氏らしく、「食」で話が回っている。確かにサバイバルといえば何と言っても「食」が大事だが、ここまでのこだわりは、もはや天晴れ。

 サバイバルといえば、原爆投下から間もない広島という究極の状況を、高屋敷氏は、はだしのゲン2(同氏脚本)で描写しているが、そんな中でも、鳥の卵、ビスケットや甘いコーヒー、正月の餅などを、美味しそうに表現しており印象深い。

 単に食いしん坊というだけではなく、「食べることは生きること、生きることは食べること」というのが、高屋敷氏のライフワークの一つであると言っても過言ではないだろう。色々な作品で、それは前面に出ている。

 何しろ、ワンダービートS(高屋敷氏脚本参加)では、地球人類にとっての「食」の重要性を訴えているほどである。それほどに、高屋敷氏と「食」の関係は濃い。

該当回について、以前書いたブログ記事はこちら↓

https://makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/10/10/191708

 あと、今回注目したいのは、ミネの強気さ。家長然としようとする岩夫を度々やりこめており、ミネというキャラの意外な一面を切り取っている。高屋敷氏はキャラの掘り下げが上手いが、このあたり、流石の手腕が見られる。

 また、オヨネコぶーにゃんあんみつ姫(高屋敷氏脚本参加)でも感じたことだが、オムニバス作品では、高屋敷氏は多段オチを多用する癖が見られる。プロットを捌き、色々と計算が上手い同氏ならではで、興味深いところ。

 話を「食」に戻すが、アンパンマン(高屋敷氏脚本参加)でも、子供達に「食」の楽しさ・大切さを訴える話が多い。今回はコメディだが、間違いなく「食」で話が回っており、高屋敷氏のライフワークの一環としての側面を考えるのも面白い。